怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

海兵隊が日本に居座る限り、反日暴動はなくならない

先日、『バトル・シップ』をレンタルで観てみた。今回は、随分と日本に気を使ってくれましたね、という作風になっていた。冒頭の「リムパック」のシーンで親善の国別対抗戦が行われていたのだが、その競技は何と「サッカー」だった。


以前には、ちょっと考えられないようなチョイスだ。米国でそれほど人気の高くないサッカーが選ばれるというのは、意外である。なでしこジャパンPK戦で米国相手に勝ちを収めたということもあってか、海上自衛隊が合衆国海軍に勝利するという珍しい筋だった。乱暴ではあるけれども、作品の印象をコンパクトにまとめるとすれば、日米海軍が協力してエイリアンに勝利する、というものであり、同時に退役軍人への敬意というのも込められていたわけである(記念物となった戦艦ミズーリとかつての乗組員たち)。新旧の力を合わせて、共に戦いましょう、という、少年ジャンプ風味の仕上がりとなっていた。


米国の国内向けに作られたというよりも、日本人向けを意識して作られていたような映画であった。それはそれで「気を使ってくれて、ありがとう」と言っておきますが、娯楽映画と政治は別であるということも同時に言わねばなるまい。



さて、中国の反日暴動が9月中旬に盛大に喚起された為、日中国交正常化40周年記念行事などが軒並みキャンセルということになってしまった。この時期に、日中友好ムードが築かれると大変困る、という方々がいるわけである。それは一体誰なのだろうか、ということを考える必要がある。


これまでにも書いてきた通り、最大の利益享受者は米国である。米国にとっては、中国が最大のパートナーであるので、日中が協力的関係となってしまうと最大の不利益を蒙ることになる。現在のバランスから見て、ロシアの影響力よりも中国の方がはるかに大きいので、米中関係が最も重視される。
重要度の低い日本には従属関係を維持するだけなので、主人の言うことを聞く従者という立場を変えさせないようにするのが当然となる。その主人たる米国には、日本に飲ませなければならない要求というのがあった。オスプレイ問題である。これは、オスプレイという名の軍用機を置換配備するという単純な問題ではなく、普天間基地や在沖海兵隊の存在そのものの必要性に対する疑念、という問題を孕んでいる。


万が一、在沖海兵隊が日本から撤退するということになってしまうと、米軍の「日本に対する寄生」という基本構造が崩れることを意味する。これを許すことはできないので、海兵隊国防総省は日本の「金と利権」を手放さないように必死となるのである。日本以外に移すことは、国防総省の「自腹」が増大することになり、これまでの「沖縄という居心地の大変良いリゾート」という特権を失うことになってしまうからだ。巨額の思いやり予算が大幅に削減されてしまう。米軍にとって、死活的に重要な問題なのだ。


まさしく、「不法占拠のヤクザ」の如し。それとも寄生虫と呼ぶべきか。
オバマ政権では、拙ブログで「ヤクザ、ヤクザ」と連呼するもんだから、ヤクザを憎んでいるとでも勘違いして、ヤクザ取締強化とか海外資産凍結といったことをやってきたのだと思うが、ヤクザより悪いのが海兵隊だと言ってるのだ。)


いずれにせよ、国防総省は日本にオスプレイ配備を受け入れさせなければならなかった。その為には、沖縄に海兵隊がどうしても必要なのだ、ということをアピールせねばならなかった、ということである。そこで、あの手この手を使う、ということにしたのであろう。



今年3月7日付、朝日新聞には次のように書かれていた。


日本政府が普天間飛行場沖縄県)に配備される米軍の新型輸送機MV22オスプレイを本州の在日米軍自衛隊飛行場に一時駐機させることで大筋合意していることがわかった。沖縄への直接配備を避け、反発を和らげる狙いだ。7月中にも12機を配備する。


米側は当初、今年10月から12機を普天間に先行配備し、最終的には24機を配備することを計画。だが、日米審議官級協議などで試験飛行を実施して安全性を強調するため、日本への配備を7月に前倒しすることで一致した。1〜3ヶ月間、本州の飛行場に移駐後、秋までに普天間に本格配備していく予定だ。駐機場所は米軍横田基地(東京都)や岩国基地山口県)、三沢基地青森県)などの可能性を探っているとみられる。


オスプレイ普天間配備には、沖縄県が「危険な普天間で運用すると、よく考えつくものだ」(仲井真知事)と強く反発。名護市辺野古への移設に向けた国の環境影響評価(アセスメント)の評価書への知事意見でも、オスプレイ低周波が一部で基準値を超えると指摘している。日本政府はオスプレイ普天間に配備する前に本州の飛行場に駐機させ、安全性への懸念を払うとともに、沖縄の反発を配慮する姿勢を強調する構えだ。
一時的な駐機について、対象自治体が反発することも予想されるほか、こうした手法に沖縄側の反発が一層強まる可能性もある。

========


つまり、3月から考えられていた通りに、事が運んできたのだということである。
いきなり普天間に10月配備するというのは「反発がある」ということで、まず岩国などに入れてから沖縄へ、ということだったわけである。要するに、官僚どもが勝手に考えて、その筋書き通りにやったというだけだ。


その準備というのは、過去にも使われた手であるが、「中国が襲ってくる」「北朝鮮が暴れ出す」という喧伝であった。ただ、中国をあまりに悪者扱いにすると、中国がスネてしまうことがあるので、あまり過剰には使えない。


そこで、いつもの「北朝鮮のミサイル」が用意された。
4月には、北朝鮮の発射施設の公開などが連日報じられたりして、やけに熱のこもった宣伝がなされた。沖縄には、PAC3が展開する、などといった、大袈裟な準備に追われたわけだ。北朝鮮の危険性を最大限アピールせよ、と。


役者の一人、田中防衛大臣が色々と笑いを誘って、別な意味でアピール力が凄かった(笑)。

4月12日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/feaf21ba785450dea44fa4ad6bbb462b

13日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/d872285122206b6a157e14a41461bd94


だが、誤算も少々あった。
一つは、モロッコで11日にオスプレイが墜落事故を起こしてしまったこと、もう一つは北朝鮮の”衛星”発射実験が華々しく失敗に終わったこと、であった。
脅威としての北朝鮮は全然大した効果を上げることもなく、在沖海兵隊の正当性を力強く裏付けることにも役立たなかった。


沖縄では、オスプレイへの反発が強まっただけであった。


4月13日>http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-189899-storytopic-11.html

  >http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-189920-storytopic-9.html


世間の多くの人たちにとって、本当に在沖海兵隊が必要であるとは認識されなかったわけである。


この後、4月16日に訪米中の石原東京都知事が突然の「尖閣購入構想」というのを発表して、物議を醸すこととなった。石原訪米というのは、例の「ヘリテージ財団」の招きということで、本来なら「ミサイルを発射した北朝鮮の脅威」を喧伝するといったことでもあったのかもしれないが、失敗に終わったことで急遽方針を変更したのかもしれない。尖閣問題をクローズアップしよう、ということになった、ということだ。やはり、中国の脅威を宣伝する方が効果があるから、ということだろう。


参考までに、琉球新報の論調はこんな感じだった。


4月25日>http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-190447-storytopic-3.html

 >http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-190560-storytopic-11.html


沖縄にとって、オスプレイは勿論、普天間基地そのものの存在意義というのは、まるで感じられない、ということである。尖閣問題があったにせよ、在沖海兵隊が必要だとは到底考えられないということだ。


少し後、日米の「2+2」共同発表があった。

4月27日>http://www.mod.go.jp/j/approach/anpo/js20120427point.html


4月の「北朝鮮のミサイル騒動」、すなわち衛星発射実験の宣伝作戦はダメダメで終わった、ということである。沖縄の反発は収まる気配を見せることもなかった。海兵隊が必要であることを、認めてもらうことはできないままだった。


それでも予定通り進めるしかなかったので、7月下旬には岩国に搬入されることとなった。飛べないけれども、並べておくことはできた。これは、相手に嫌なことを押し付けて行く際の、基本戦術である。馴化とでも言うべきか。オリンピックに気を取られているうちに、運び込んでしまえ、と。


後は、飛ぶこと、沖縄に入れること、この達成を考えればよい、ということになる。そこで8月には、韓国に竹島で大騒ぎをさせた。李大統領を焚きつけて、竹島騒動を長々とやらせたわけである。


やり過ぎた韓国は、スワップ云々と言われたので、急激にトーンダウンとなった。この手の内がバレると、次は中国に頑張ってもらうことになったというわけだ。


8月28日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/4831a27b905004566e2034ec87a76a3e


中国に反日行動をやってもらうには、石原知事の尖閣騒ぎを継続させておくことだったろう。だが、丹羽大使公用車襲撃事件後の展開が予定外となっていった可能性がある。


ヒラリー訪中後、反日デモ動員までの予定は作られたであろう。この舞台裏があからさまであると、少々マズいというのがある。まるで中国が米国の言いなりで動いたかのようであるし、日本の尖閣国有化に対してお芝居で対応したかのようになってしまう。これは非常にマズい、と。中国には中国の立場というものがあるから。


9月18日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/e343fbe56bfa86b726689c2ae9f3e85c


拙ブログのように、何でも思ったことを書いてしまうと、その事が立場を悪化させる遠因となってしまったりするのだろうか。そんな影響力があるとも思えないが、「〜のように見えてしまう」という解釈を与えられると、そのことが本当ではなく動機とも全然違っているとしても、相手の迷惑になってしまうことはあるのかもしれない。


米国の目論見について、考えられることを書いてしまうと、結果的にそれが中国にとっての不利な点となってしまい、更なる反発を招来することになってしまった面があるのかもしれない、ということである。
平たく言えば「どうせ、ヤラセでしょ?」と言ってしまうと、中国にとっては「そうじゃありません」という態度を示すまで止められない、ということになるということ。大国の面子というものがあるから。それは「日本側がみんなにも分かる態度で対応すること」というのが求められる、ということである。それが出されるまでは、「強い反発」という態度を中国側が先に引っ込めるわけにはいきません、と。


時折、助け舟というのがあるわけである。
「少し頭を冷やしなさい」と水をぶっかけられると、ハッと我に返る人もいる、ということである。日本の外務省のおマヌケさんたちは本当の鈍感揃いだろうから、米国さまの言いつけ通りにしか動けないし何も思いつかないのかもしれない。こちらから御礼を述べると、また迷惑をかけてしまうことになるから、何も言うべきではないのだろうがね。


今の中国側の対応としては、日本が舞台に上がってこない限り、厳しい対応を止めることはできない、ということは、理解されるべきだろう。また、回りまわって、結局は米国が一番得をしてしまい、オスプレイを飛ばせることになって、海兵隊が必要だと喧伝できて、後は沖縄搬入というドサクサ紛れの所までやってこれました、ということだ。


7月29日>http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120729/plc12072919540005-n1.htm


加えて、水陸両用戦に備え、「AAV-7」の購入までが報道で取り沙汰されたりした。


8月2日には、防衛省よりグアム共同訓練の公表があった。
同じく報道でも海兵隊の必要性を説くことが続けられた。


8月17日>http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120817/plc12081722560026-n1.htm


日米が初の島嶼防衛共同訓練 21日から、動的防衛力具現化

尖閣諸島周辺の情勢が緊迫感を増す中、陸上自衛隊は21日から9月26日の37日間の日程で、米第3海兵遠征軍(3MEF)が
グアム島テニアン島で実施する島嶼防衛に関する実動訓練に参加する。対中国軍を念頭に、日米両政府が目指す
「動的防衛協力」を具現化する動きだ。日本政府としては、実戦的な日米共同訓練で対中国抑止力の向上を図りたい考えだ。


(以下略)

=======



日本では、いくら海兵隊の必要性を説いたとしても、一般国民の賛同は得られず、そればかりかオスプレイへの反発が一層強まっていった。そこで、中国の過激な反日デモが必要とされた、ということであろう。それには、日本側の挑発的行為―すなわち「尖閣国有化」―があった方がよい、と。それは、米国の指示通りだっただろう、ということだ。


9月5日に国が地権者との合意に至った、と報じられた時、石原知事は鳩が豆鉄砲を食らったみたいな驚きようだった。けしかけられていた石原は、自分が演じていたはずの役割が唐突に終わりとなったことに驚いていたはずだ。4月の購入宣言から主役を張ってきたと思っていたのに、自分には何の情報も知らされずに幕が下ろされてしまったのだから。


日本の外務省は米国との打ち合わせ通りに動いているから、中国に反発を続けても大丈夫だ、という自信があったはずだろう。だから状況変化に対応できない。中国側から、僅かなメッセージがあったのも気付かず仕舞いで、譲歩しない戦術だけを続けたわけである。日本の外務省が「自分たちで収拾をつける」ということができない、ということを示している。解決能力がない、ということだ。


ヤラセだったんでしょ、というのが巷間認識されていて、そこで終われば中国の面子が立たない、ということが理解できなかったのだ。
その具体例は、中国の漁業監視船が尖閣接続水域で臨検を実施した、という時だ。普通に考えると、3千隻とも言われた大漁船団が「尖閣に向かうかもしれない」と報じられ、テレビなどでも1千隻の漁船が集結しているという様が報じられていた。その直前にも「少数の船には対処できても、何百何千と来た場合には、海保は対処できるのか、来たらどうするんだ」といった半分脅しみたいな話が、マスコミに登場していた。つまり、もっと過激にやる手段はまだまだありますよ、ということであったのだ。


それを”中国側の漁業監視船”が、尖閣の海域に漁船が近づくのを「臨検して阻止」してくれたのだ、ということだろうに。それは、中国側からのメッセージと受け止めるべきで、こちらは「抑制しましたよ」というシグナルであろう。そうすると、次は「日本側が具体的行動を示して下さい」ということになるのが当然で、ことらの譲歩する姿勢というものを、即座に出すべきだったろう。


なのに、おマヌケ外務省ときたら、ボンクラなのか超鈍感なのかデリカシーだかリテラシーだか知らんが、そういうのが全く欠けているのかもしれないけれども、臨検に対して「管轄権を正当化するつもりだろう!、臨検はヤメレ」と全くの見当違いな抗議を同日中国側に行ったんだそうだ。

バカを言うにも程がある。


次は日本の番ですよ、というメッセージが、勝手なことすんな、というおバカ抗議で返される、と。そりゃあ、怒りたくもなるんじゃないですかねえ。


ヒラリーを見てごらんよ。
緊急で話をつけなきゃならん、という時には、躊躇なく北京に飛んだじゃないですか。8月末から、遮二無二日程の都合をつけて、直談判に向かったでしょう?
日本は、本当にバカだから、そういうのができないのだ。


暴動もどきの反日デモが抑制され漁船団が来なかったのだから、外務大臣が直接向かうとか、それが難しいなら副大臣政務官などの幹部クラスを直ぐに派遣して、形式的にであろうとも「お怒りの中国のお叱りを受けに参りました」というポーズを取らないと、双方の引っ込みがつかなくなっていくでしょうが。日本は先に国有化を通したのだから、中国の体面を立てるには「叱られに行く、お詫びに伺う」しかないだろうに。


だから、漁船団が来なかった、そうしたら次は日本だね、ということで、関係修復に動けば終わりにできていたかもしれない。だが、しつこく「オレたちゃ悪くない」と言い続けるだけだった。そういう態度を続けるからこそ、40周年式典とかもダメになってしまったんじゃないですかねえ。だって、日本政府側の人たちに「中国との関係を大事にしましょうね」という気持ちがまるで見えてこないんだもの。自民党の石破なんかも同じ。尖閣を守るには、海兵隊だ、と勇ましいことを言うだけ。そんな連中と、何をどう協力してゆけるというのだね。


拙ブログでも余計なことを書いてしまったりしたのがいけなかったのかな、と思ってしまったりするが、少なくとも日本政府と外務省というのは本物のバカ揃いなんじゃないか、と危惧せざるを得ないということです。


そもそも事の発端は、在沖海兵隊が問題を抱える度に、中国、北朝鮮、韓国なんかが動員されて、反日行動か脅威を誇示する行動をとることになる、ということで、それを防ぐには問題の根元から絶つべき。


すなわち、海兵隊は日本から出て行け、ということだ。


海兵隊がいなくなれば、普天間基地は返ってくるし、オスプレイも必要なくなる。問題の解決が最もしやすい。海兵隊不要論が浮上する度に、けしかけられた中韓北が、外交的にヘタな演技を重ねる必要性もなくなる。日本との関係は改善されうる。


結論は見えている、ということである。