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脅威の喧伝〜中国とロシア

アルジェリアの日本人殺害事件で恐怖を植え付けようとしてみたものの、日本の軍事力強化の意識を高めることにはさほど役立たず、悲劇だけが残された。


続いて出されたのが、北朝鮮の核実験という話題であった。
まるで漫画チックな「北朝鮮ドラマ」が、さも現実であるかのように報じられた。


これでも足りないと見たか、今度は中国艦艇の「火器管制レーダー照射」という”挑発”であった。これまでにも、艦載ヘリ急接近なんかが使われた手だったが、今回”使い古された手”は回避された。確かに目新しい。だが、漫画チックではあるけれど。


次いで、ロシア軍機の領空侵犯、というネタが投じられた。
どうしてこれほど矢継ぎ早に投入してくるのか、そこは謎だ。そうまでして、F35に日本の金を出させたいのか(笑)。日米同盟がなければ、こうした危機に取り巻かれた日本は「立ち行かないぞ」とでも言いたげではある。




まず中国艦艇によるレーダー照射について。

中国の外交部は当初「知らない」「報道で知った」と言った。
恐らく中国自身でも、政権中枢部には「寝耳に水」状態だったはずだ。政治的意図はない、ということである。むしろ、あらぬ疑いをかけられて当惑した、というところであろう。


”非公式”筋から「照射事実はない」と当初日本側に伝達してきたところから見て、政治的思惑というのは中国側には存在していなかったはずである。日本側が勝手に作り出した、「中国軍の脅威」という情報流布と見てよいだろう。どうしてそんなことをしたかと言えば、日本が脅威に晒されている、という既成事実を世間に知らしめたい為、である。中国サイドとしてみれば、いい迷惑である。


欧米メディアが報じていることで、日本のマスコミへの疑いというものを弱めたいということもあるかもしれない。日本のマスコミは情報操作の一端を担っている、ということを悟られたくない、ということでもある。


もしも本当に射撃を前提としたレーダー照射であったなら、当時の現場は騒然となったであろう。司令部みたいなところに、「反撃許可」というか「射撃許可」を確認するに決まっているはずだろう。当然、射撃許可なんぞ、そうそう簡単には出せないだろうから、状況を確認するまで待て、という待機命令のみが出されるだけだろうが。

そんな重大事であったのに、これが防衛大臣の耳に入ったのは6日後だった、というのは、後から考えた筋書きであるから、ということと整合的である。普通は、もっと緊迫した状況が考えられるわけであり、軍事上の指揮命令系統からすると「迎撃?なり防御?なり反撃?」といったような、何らかの許可を求める行為が行われるはずだろう。その判断を即座に行ったであろう、司令官というのは、重大な決断を迫られたはずだから。そういう出来事の情報が防衛大臣に上がらない、なんてことはほぼ想定できない。大臣が知らなかった、更に報道が6日経ってからだった、ということの理由で一番考えやすいのは、後出しの筋書きだから、ということ。


迷惑ではあるが、中国側がプロレスごっこに付き合わされることになるだろう。



次に、ロシア軍機の領空侵犯について。

これも、ロシア側は完全否定。
仮にあったにせよ、スクランブル発進は珍しいものではない。近年のスクランブル回数は、ソ連時代から見れば3分の1〜4分の1に減少した。

そんなに煽るほどに脅威を言わなくてもよさそうなのに、ロシア機が侵しにやって来たんだ、と大袈裟に言うわけだ。昔に比べれば、全然大したことないじゃないの。ソ連時代なんて、自衛隊機は実際に威嚇射撃として発砲したくらいだったぞ?沖縄本島を横切って、嘉手納の上を通過されてしまったじゃないの。



「中露の脅威」報道から見えてくることは、海軍力と空軍力を強化すべし、ということを暗に言うものだ。すなわち、F35のような戦闘機が必要なんだ、と。日米軍事同盟の強化が必要なんだ、と。


そうですか。
意識を高めよう、というキャンペーンでもやっていた、ということかもしれませんな。