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福島原発事故を巡る東電の大罪〜8

疑問点17:
津波で建屋内にどれくらいの浸水があったのか?


どうも信じ難いのが、津波によって「大量の海水が流れ込んだ」という説である。まず、原発施設なのだから、「閉じ込める」機能を発揮させるべく、外部への開口部は「極めて限られている」だろう、ということだ。それは、逆に言うと、外から内部へ入ってゆく経路も限定的にならざるを得ない、ということ。

例えば、弁当箱かタッパーのような容器に、錐で小さな穴を開けたとして、これを風呂の底に沈めてみた場合に、どれほどの水の侵入があると思うか?密閉式の容器であれば、穴の大きさが小さいと内部に入る水の量は限られる、ということである。
津波でかなりの水圧がかかったにせよ、外部との交通路はおそらく「殆どなかった」であろうはずだから、どうやって大量の水が入り込んだか、というのが気になるわけだ。冷却設備が津波で破壊されて穴が開いてしまったりして、そこから入ったということなら、大量の海水が入るとしても理解できる。だが、そういった外力による損壊は殆どなかった、ということなのだから、簡単に言うと「建物の殻に穴が開いて、そこから水が入った」ということと全く違う、ということになるわけだ。


では、どうやって入ったか?
換気システムとかの出口とか?エレベータの設置場所?
とりあえず、そういった僅かな隙間があって、水が入ったものとしよう。普通の家で言えば、車庫のシャッターの下の隙間とか、玄関の扉の隙間とか、そういうようなもの、と。

津波が押し寄せて、退いて行くまでに、どの程度の時間がかかるのだろう?
20分も浸かっているとは思えない。せいぜい、数分ではないかな。長い場所でも10分以内くらいではないかと思うが、どうだろうか。

そうした短い時間で、水密扉とか、エアロック構造になっているであろう、構造物の出入口を突破して、海水が浸入したとしよう。隙間が小さい場合だと、1分間当たりでどれくらい入るものなのだろう?
毎分1tの海水が浸入してしまったとしよう(面倒なので、1㎥の体積だったとします)。因みに原子炉を冷やす場合だと、スクラム後では毎時20〜30tの注水が必要らしいので、それよりも2〜3倍は多い条件だ。


そうすると、浸水が10分間続くと、10㎥の海水が入ったということになる。これが地下まで水浸しにしてゆく、ということだな。低い方に流れるので。
ここで疑問が生じる。タービン建屋の面積はどれくらいあるか?相当広いだろうね。何たって、巨大施設だから。
水は均等に広がるから、段差が存在しなければ同じ深さとなる。
階段までの面積が100㎡だと、水の深さは10cmということになるわけだ。これが地下へと流れ落ちてゆく、ということだな。でも、そんなに狭いはずはないだろう。だって、10m×10mなんて、一般家庭の部屋くらいしかないではないか。あり得ないだろうね。

P/Cの設置されている広さだけでも、400㎡程度はあるだろう。そこに至るまでには、扉を通過したりする必要があることはほぼ間違いないであろうが。タービン建屋1階に浸水したとして、それが本当に深さ50cmとか60cmなどというレベルにまで溜まると思うか?それは、具体的に、何百tの浸水が必要なのだ?
気密性の高い構造物の建物が、何時間も水没していたわけでもなく、水の配管が破壊されて内部溢水が大量に漏れたわけでもないのに、どうして100tオーダーの浸水が発生すると言うのだね?

地下のD/G室までには、いくつも水密扉があるだろう。そもそも火災発生可能性が高い場所なんだから、他の場所との区分がより厳密になっていなけりゃならないに決まっている。消火できんだろ?消火栓を開いた途端に、原発が爆発していては話にならんだろう?


そうであるのに、たとえ10tくらい水が浸入しても、地階のD/G室まで相当な障壁を乗り越えなけりゃ、浸水したりはできんぞ?
現実には不可能な水準ではないか。
建屋の広さから見て、水深が均一に5cm溜まるとしても、面積が50m×30m=1500㎡くらいだと、75tの水量が必要。腰くらいの高さまで浸水跡があった、との証言からすると、少なく見ても70cm、通常レベルなら90cmとかの水没なんて、ほぼ不可能だろうに。わずか数分で1050tもの浸水があると?

水深20cmでも、300tもの水が流入する必要があるんだぞ?
そんなもの、できるわけがない。
毎分30tの濁流って、見たことあるか?
それは沈没船のレベルだろ、って言ってるんだよ。


疑問点18:
1号機の直流電源室は、どうやって水没したか?


直流電源であるバッテリーは、1号機のC/B(コントロール建屋)地階にあるとされているが、そこにC/B1階から直接降りられる階段はない。ほぼ隔離されたような場所になっており、T/Bの地階から、いくつもの扉を通過しないと辿りつけないはずだ。非常用照明電源も恐らく同じ場所にあるだろう。

津波で真っ暗になる、ということになると、T/B地階まで水が落ちてゆき、D/G室も含めて全体に水が広がって、ようやく浸水するんだよ。それも、水密扉を超えて、だ。本当に、そんなことが可能なのか?

浸水跡がある、という話は、殆どがメルトスルーした後の、水をいくら入れても漏れる、という状態になってからの話なんじゃないの?


それから、T/B地階には、トレンチがあって排水というか漏洩水は溜まる仕組みになっているはず。ドレンは各所から来ており、床ドレンサンプポンプがあるのだ。機械ドレンサンプも勿論ある。
これは、水が漏れていたら、集めて放射性物質の混入がないか調べて、廃棄処理される、というものだ。だから、水漏れがある場合には、こうしたドレンに流れ込んで、それはサンプポンプで廃棄されるはず、ということ。


そうすると、海水が外部から仮に進入したとしても、床ドレンがあるなら、そこから排出されるはずだし、サンプのタンクが満杯になるまではポンプで排出されるのではないか、ということである。浸水が大量であると、排出が追い付かなくなり、溢れてくるかもしれないが、ある程度の量まではトレンチやドレンや床サンプなどに溜まるはずだろう、ということ。

なので、津波で浸水が起こったとしても、量的に何十トンも入ったとは考え難い、床ドレンサンプで排出される、ということで、水密扉をくぐり抜けて直流電源室やD/G室が浸水したとは信じ難い、ということだ。



津波で水没した、という言い訳が使えなくなると、どうなると思う?

意図的に嘘を言った、ということだろうね。
そして、全ての辻褄が合わないことになる。


もしも浸水が本当なら、もっと別の理由しか考えられないだろうね。例えば、T/B内なら、復水器の配管がもの凄く破壊されて、復水タンクの水が全量くらい漏れた、とか。そのくらいの水量がないと、無理だわ。