怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

フィリピンが土壇場でAIIB署名延期の怪

日経がフィリピンは当面署名を見送る方針と報じた。

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.nikkei.com/article/DGXLASGM28H2V_Y5A620C1FF8000/


その理由は、南シナ海における領有権を巡る問題、中国の埋立実行という強硬姿勢ということらしい。

ヘンですねえ?
これまで、中比間の外交問題が大袈裟な衝突姿勢ということになったとは見られていなかったわけでしょう?

つい先日、中国の埋立問題がそんなに大問題なら、米国は中国からの輸入停止措置(や米国内資産凍結や資金移動・決済の停止などの)制裁措置を取れるのに、どうしてやらないんだ、と拙ブログで指摘しておいたんですよ。

今月追記した記事>安易な「米軍基地撤退後のフィリピン」を真に受ける無知なテレビ評論家たち

おまけ
2010年5月>米中連携ということ



しかもオバマ大統領が異例の懸念表明って、何らの実効性もないものを出してみたって、中国が本当に米国と喧嘩してるとか、フィリピンと海上戦一歩手前だといったことの証拠にはならないのにね。


あるとすれば、海上自衛隊の「活動範囲を拡げさせる」効果と、日本人に「中国脅威論」幻想をいつまでも植え付けるだけの効果くらいだろうね。日比の軍事上の協力を進める為の、口実として使われたというのが、現実だろう。


多分、騙される人たちって、気付かないのだろうと思うけど、中国の埋立はもっと以前からやっていたけど、AIIBの初期創設メンバーにフィリピンは入っていたわけで、2014年10月時点での21カ国に名を連ねていたわけですよ。もしも中比対立が鮮明ならば、単独でもメンバーに入ることを拒否したか、留保していても良かったと思いませんか?

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%A9%E6%8A%95%E8%B3%87%E9%8A%80%E8%A1%8C


今年の3月末の次の期限に加入表明が相次いで、当初の2倍以上の50カ国超の参加表明となる前から、フィリピンはメンバーだったわけですよ。

これが翻意ということになれば、どうしてなのかな、と思いませんか?
だって、本気で中国との領有権問題を争うなら、外れるはずですもん。どうして、最初からそうしていなかったのか?
日米が参加しないと表明した時点であっても、もしフィリピンが日米に歩調を合わせたいです、と心の底から思っていたのであれば、一緒に抜けますねと言えたはずですよね?


3月時点と今とでは、何が変わったと思いますか?
それは、日米の孤立感が深まったこと、TPP問題がダッチロールを繰り返し米国の指導力低下が明らかになったこと、そして拙ブログ記事での追記が書かれたこと(笑)、くらいではないですか?


別に、中国とフィリピンとの対立激化がエスカレートした、ということもないですな。

そうすると、予想されるのは、まず日本側からの
「フィリピンへの経済援助・ODA・貿易」等
の取引材料を使った、ということでしょう。フィリピンは中国側には「いずれ正式署名し発効するので、今回は時期を少し延ばして欲しい」と説明し、日本側にも恩を売っておくことができるから。


米国は、直接的にはフィリピンへの働きかけは、あまり表立ってやらなかったはずでしょう。米国は、配下の日本というチャンネルを使って、間接的にフィリピンに「(日米に対して)少し譲歩した姿勢を見せて欲しい」とお願いしたものと考えられるでしょう。


なので、拙ブログの推測は、フィリピンが自主的に対中国への外交圧力を考えてAIIBの署名延期を表明したのではなく、日米からのお願いを引き受けることで利得が生じたので、署名延期条件を呑んだのではないか、ということです。