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「告発者 一色」で思い出すのは尖閣ビデオ流出事件のお粗末

甘利大臣の秘書の口利き疑惑について、週刊誌に実名告発をしたとされる人物が一色という名らしい。週刊誌記事は読んでないが、同名で思い浮かんだのが、一色海上保安官のことだった。


尖閣ビデオの流出事件は、当初報道された証言や内容というのが、後日になって変更されたりするという、出鱈目証言のオンパレードだったが、警察や検察の捜査は杜撰なままで終結されたわけである。

この一件から想像されたのは、情報は操作できるものであり、報道機関も手先となって利用されてしまうものだ、ということだった。


2010年11月13日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/3f3791427533f4d80da9bdd31649739a

同12月23日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/a3153bf6f3b1192be1a5609c9c454d9d


日本国内の報道機関は信用ならないな、とか批判してたら、この時はCNNまでもが登場することになったわけである(笑)。

11月25日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/1dfec05ce7d47a3fbea3143cea7a8c49


2番目の記事に指摘しておいたが、データ入手時期がいい加減なのですよ。警察も検察もハードを調べたんだから、「コピーした日」は物理的に特定されたわけで、それはただ特定の1日、として日時が判明していたはずだ。しかし、適当に誤魔化して終結となっただけなのだ。


参考の報道を挙げておく。


1)2010年11月12日 共同通信

尖閣諸島付近の中国漁船衝突の映像流出事件で、関与を認めている神戸海上保安部の海上保安官(43)が「海上保安大学校広島県呉市)の共有フォルダーから映像を入手した」と話していることが12日、捜査関係者への取材で分かった。

 映像は一時、海上保安大学校の共有フォルダーから海保内のネット経由で入手可能な状態だったことも判明。この時期に映像が拡散したとみられ、警視庁は、保安官が巡視艇から大学校にアクセスし入手したとみて、大学校に捜査員を派遣して調べている。

 警視庁は12日、3日目となる聴取をした。捜査当局は、国家公務員法守秘義務)違反に該当するか慎重に検討しており、週明けにも逮捕か書類送検かを判断する。保安官は聴取開始から12日まで神戸海保が入る庁舎にいたが、状況次第で帰宅もあり得る。

 捜査関係者によると、巡視艇のパソコンから映像を記憶媒体に取り込んだ形跡があった。保安官は、艇内のパソコンから公用の記憶媒体「USBメモリー」で映像を取り込み、個人用パソコンにデータを移動。そこから私物のUSBメモリーに取り込んだと話している。警視庁は、当初から私物を使うとセキュリティー機能が作動してしまうためとみている。

 保安官は当初「庁舎で見た」とも話していたが、その後「巡視艇内で見て入手した」と説明。「9月下旬から10月上旬に入手した」とし、映像を投稿後に「USBはインターネットカフェからの帰宅中に壊して捨てた」と話している。「国民に知らせたかった」などと動機を述べ、「別の映像を使い、自宅で動画サイトに投稿する練習をした」とも話している。

 捜査関係者によると、流出した映像は研修用に編集され、第11管区海上保安本部(那覇)から海上保安庁(東京)を経由して大学校に渡り、巡視艇のパソコンでも視聴できた。海保は「捜査資料で研修用ではない」としており食い違っている。

 4日に神戸市のインターネットカフェで映像を投稿、流出させ、5日朝に自宅のパソコンから削除したと説明している。(共同)


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共有フォルダに保存されていた期間は10月中頃までだった、という報道があったわけで、それより前に入手しないとおかしいだろう。ところが、後日になると、証言を翻しているわけだ。それが「10月31日説」である。


2)朝日新聞12月23日記事

http://www.asahi.com/special/senkaku/OSK201012220189.html

勤務実直12年、最後は無言のまま 一色保安官
(2010年12月23日4時2分)

自分が衝突映像を流出させた――。そう上司に名乗り出てから43日目、神戸海上保安部の一色正春海上保安官(43)が22日、守秘義務違反容疑で書類送検され、辞職した。船乗りを夢見続け、海保で12年余り、実直に働き続けた保安官を流出に駆り立てたものは何だったのか。

 「私から話せることはありません」

 書類送検後、海保から1年の停職処分を受け辞職した一色保安官は22日夕、神戸市中央区の第5管区海上保安本部が入る庁舎を出る際、報道陣にそう言い残して去った。

 事件後、健康上の理由で、乗務していた巡視艇「うらなみ」を離れた。事情聴取を受ける日々。年次有給休暇を消化する形で、5管には数えるほどしか出勤しなかった。

 「こんな大胆なことをするとは」「びっくりした。そういうことをする印象はない」

 一色保安官が衝突映像を流出させたと聞いた多くの知人らは、衝撃を受けた。

 一色保安官は京都市出身。地元の中学卒業後、富山県商船高等専門学校に入った。体格が良く空手も習っていた。同級生らによると、一見、近寄りがたいが、性格は気さくで友達も多かった。学校の実習船に食料品などを積み込む際、体の小さな同級生に「俺に貸してみろ」と言って代わりに荷物を運んだ。ふざけて雪の中に飛び込み、骨折するなど、お調子者の一面もあった。

 当時は就職が厳しく卒業しても乗る船が見つからない時代。一色保安官と同級生らは「給料が安くても、船に乗る仕事がしたいな」と語り合っていたという。

 ほかの職業を経て、98年に海上保安官に採用された。神戸に拠点を置く5管で勤務し、1年間韓国語を学んだ後、徳島や姫路を経て今年から巡視艇「うらなみ」の主任航海士を務めていた。

 そんな一色保安官が、海保の端末機から尖閣諸島沖での衝突映像を持ち出したのは10月31日。事件の約2カ月後だった。持ち出した4日後には映像をインターネット上に流出させていた。

 「政治的主張や私利私欲に基づくものではありません。ただ広く一人でも多くの人に見てもらい、一人ひとりが考え判断し、そして行動して欲しかっただけです」

 動画投稿を上司に告白した後、5管庁舎を6日ぶりに出ていく際、公表したコメントには「確信」のようなものが垣間見えた。商船高専の同級生の間では支援の動きが広がり、弁護士費用をカンパした。

 一方で、同僚らには「ご迷惑をおかけします」と謝って回り、「海保を辞めたい」と弱気なそぶりを見せていた。考え抜いた末、12月17日に5管の人事課長に辞職届を手渡した。受理されたのは、警視庁が書類送検し、海保が懲戒処分を発表した22日だった。

 海保を去るこの日、5管本部長室で処分内容を申し渡す書類を受け取った一色保安官は、無言のままうつむいていたという。あのコメントだけがすべてなのか。一色保安官はいまだ語ろうとはしない。

 一色保安官を知る20代の5管職員は「彼が願った通り、あの映像は多くの人の目に触れた。でも、本人が送検、処分、辞職となったばかりか、他の職員も処分された。今彼がどう思っているのか知りたい」。

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過去記事でも指摘した通り、10月31日入手というのは不可解なのだ。

10/31 映像入手

11/1頃? CNNに映像を送付するも、破棄された
 
11/4 ネット上に映像公開

11/7〜8頃?  日テレ山川記者に名乗り出て取材を受ける

11/10 自白→ 任意同行へ


映像データの公開時期と合わない、報道機関1社のみに郵送したが他社に送ってない、テレビ報道が出ないので流出させたというが待ってる時間が短すぎる、山川記者に自ら顔出しで名乗り出るくらいなら、何故CNNに送った後日テレに送らなかったのか、疑問点が多過ぎるのだ。


後日談は、また別なんだな、これが(笑)。



3)2011年1月21日 日経記事

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG21040_R20C11A1CC1000/

尖閣映像流出の元海上保安官起訴猶予に 捜査終結
2011/1/21 20:03 (2011/1/22 1:10更新)


尖閣諸島沖の中国漁船衝突の映像流出事件で、東京地検は21日、第5管区海上保安本部(神戸市)所属だった一色正春・元海上保安官(44)=依願退職=を「海上保安庁による映像管理の不十分さが一因にあり、入手方法に悪質さはない」などとして起訴猶予処分とした。公務執行妨害容疑で逮捕され、処分保留で釈放された中国漁船の●其雄(せん・きゆう)船長(41)も、那覇地検起訴猶予とした。日中関係を揺るがした一連の事件の捜査は終結した。

 送検容疑は、一色元保安官は昨年10月中旬、巡視艇「うらなみ」の共用パソコンから映像データを入手。11月4日、神戸市内のインターネットカフェから動画サイト「ユーチューブ」に投稿し、職務上知り得た秘密を漏らした疑い。

 東京地検は「流出映像は刑事事件の証拠であり、公開されれば関係者の名誉や人権の保護にかけるおそれがある」として、保護すべき実質的な「秘密」に該当すると認定。元保安官が職務上知り得たと判断した。

 その上で、処罰の必要性を慎重に検討。(1)海保の管理が不十分(2)映像の入手方法は悪質でない(3)利欲的な犯行ではない――などを考慮。海保の処分を受け依願退職していることも踏まえ「刑事処分は妥当ではない」と結論づけた。

 一方、中国人船長を起訴猶予処分としたことについて、(1)既に中国へ帰国している(2)逃走するためには巡視船に衝突してもいいという程度の意思しか認められず、計画的ではない(3)巡視船の損傷は、航行に支障がなく、乗組員にもけががない――などを理由にあげた。元保安官の処分とのバランスから、上級庁と協議、慎重に判断した。

 昨年12月22日、警視庁は国家公務員法守秘義務)違反容疑で一色元海上保安官書類送検。同日、海上保安庁が停職1年の懲戒処分とし、依願退職した。

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このように、オカシイよね、と指摘されたら、辻褄が合わないのに適当に誤魔化して終わりと。インチキ捜査なんだわ。操作もデタラメ。満足に証言や客観的証拠の整合性すら分からない程度の警察だか警視庁ってことですかね(笑)。


杜撰、これに尽きる、ということですね。