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【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

三菱自動車の燃費データを巡る問題について

かつてのリコール隠し問題で、大揺れに揺れたことを記憶している方々も少なくないだろう。あの頃から、マスコミ各社が記者会見場において、不祥事企業への過剰な謝罪要求という光景をよく目にするようになったように思う。記者諸君のつるし上げ、というやつだ。


社会に甚大な損害を与えた企業なら、謝罪をするのも仕方のないことだろう。ただそれは、マスコミの取材記者諸氏個人に、何らかの特権を与えているものではないし、土下座させたり一斉に頭を垂れさせ、これを過剰にバッシングすることを正当化するものではないだろう。


三井不動産住友不動産の販売したマンションの杭打ちデータ疑惑がとりあえず通過したかと思えば、今度は三菱自動車の燃費データの疑惑ということらしい。今日の朝刊には、三菱自動車の燃費データの偽装があれば、型式取消まであるかも、というような文言が見られたようだ。これは、本当なのだろうか?
どこの誰がそんなことを言っているのか、是非とも根拠を明確にしておくべきだろう。これが間違いの場合、報道機関は謝罪をするのか?お詫びして訂正報道を出すのか?

過去の法律上の争点となったもので、間違った解説など度々目にしてきたが、誰も謝罪もしないしお詫びの訂正記事さえ出されてこなかったではないか。他人の間違いを厳しく追及するなら、報道機関自身の間違いについても、同様の体制を採るべきだろう。


これまでもずっと言ってきている通り、当方は法曹でも行政関係者ではない。が、当方独自の見解をメモとして書いておきたい。


1)燃費データを規定する法律とは何か?

まずここが根本的な問題点。カタログ値なり、国交省が公表している燃費数値なりは、その数字が18km/lが正解であるべきところ、「20km/l」と記載されている場合、何の法律に違反しているのか?

報道各社で、これを正確に報じている所はあるか?この部分が曖昧なままでは、何も分からないのでは?
処分がどうなるだのという検討以前の問題だろう。少なくとも、国交省が立入検査実施の根拠とした、『道路運送車両法』には、燃費を根拠づける条文は存在しない。
今のところ、「道路運送車両法○条に基づく行政処分」とかいう話は、どうも出てこないのではないか、ということである(もしあるというなら、是非ともご教示下さいませ)。
すると、同法の罰則適用といった話には直結しないでしょう、ということです。


2)道路運送車両法の規定は何か

重要点について規定されているので、これを示す。行政権限が及ぶ範囲は、具体的に列挙されている。原発でも自動車でもほぼ同じ。保安基準・技術基準に適合してないと運行できません、というものである。


道路運送車両法 40条

自動車は、その構造が、次に掲げる事項について、国土交通省令で定める保安上又は公害防止その他の環境保全上の技術基準に適合するものでなければ、運行の用に供してはならない。
一  長さ、幅及び高さ
二  最低地上高
三  車両総重量(車両重量、最大積載量及び五十五キログラムに乗車定員を乗じて得た重量の総和をいう。)
四  車輪にかかる荷重
五  車輪にかかる荷重の車両重量(運行に必要な装備をした状態における自動車の重量をいう。)に対する割合
六  車輪にかかる荷重の車両総重量に対する割合
七  最大安定傾斜角度
八  最小回転半径
九  接地部及び接地圧


ここに「燃費」の項目はない。次も見てみる。


道路運送車両法 41条

自動車は、次に掲げる装置について、国土交通省令で定める保安上又は公害防止その他の環境保全上の技術基準に適合するものでなければ、運行の用に供してはならない。
一  原動機及び動力伝達装置
二  車輪及び車軸、そりその他の走行装置
三  操縦装置
四  制動装置
五  ばねその他の緩衝装置
六  燃料装置及び電気装置
七  車枠及び車体
八  連結装置
九  乗車装置及び物品積載装置
十  前面ガラスその他の窓ガラス
十一  消音器その他の騒音防止装置
十二  ばい煙、悪臭のあるガス、有毒なガス等の発散防止装置
十三  前照灯、番号灯、尾灯、制動灯、車幅灯その他の灯火装置及び反射器
十四  警音器その他の警報装置
十五  方向指示器その他の指示装置
十六  後写鏡、窓ふき器その他の視野を確保する装置
十七  速度計、走行距離計その他の計器
十八  消火器その他の防火装置
十九  内圧容器及びその附属装置
二十  その他政令で定める特に必要な自動車の装置


さて、この条文にも「燃費」を規定できる根拠はない。20号の「その他政令で定める装置」にも、燃費項目は関連がないのである。通常の自動車に関する根拠法としての基本的事項はこの法律に規定されているが、どこにも「燃費」算出に関する根拠は見当たらない。


これが、当方の主張する「道路運送車両法違反」を指摘できる事実は、今のところ発見できない、ということである。あるなら、知りたい。


更に見てみよう。41条に列挙される各装置類について、具体的な保安基準が定められており、これの規定は以下である。

道路運送車両の保安基準

http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr7_000007.html


これに関連して、『道路運送車両の保安基準の細目を定める告示』と同別添、というのもある。膨大な量なので読むのは面倒ですが、「燃費」を規定する項目は発見できない。あるのは、所謂「排ガス規制」関連のみ、である。これは例のVW社のデータ偽装が問題になったものだ。

少なくとも、三菱自動車に対し、「御社は道路運送車両法の40条乃至41条に違反していますね」という指摘を行える事実も根拠も、未だ発見できない、ということである。


3)型式指定違反はあるのか

自動車が販売される前提として、まずその自動車が販売されてよいかどうかをクリアする為に、型式の指定を受ける必要がある。これも、同法で規定される。


道路運送車両法 75条

国土交通大臣は、自動車の安全性の増進及び自動車による公害の防止その他の環境の保全を図るため、申請により、自動車をその型式について指定する。
2  前項の指定の申請は、本邦に輸出される自動車について、外国において当該自動車を製作することを業とする者又はその者から当該自動車を購入する契約を締結している者であつて当該自動車を本邦に輸出することを業とするものも行うことができる。
3  第一項の指定は、申請に係る自動車の構造、装置及び性能が保安基準に適合し、かつ、当該自動車が均一性を有するものであるかどうかを判定することによつて行う。この場合において、次条第一項の規定によりその型式について指定を受けた装置は、保安基準に適合しているものとみなす。
4  第一項の申請をした者は、その型式について指定を受けた自動車(第二項に規定する者であつてその製作し、又は輸出する自動車の型式について第一項の指定を受けたもの(第八項において「指定外国製作者等」という。)に係る自動車にあつては、本邦に輸出されるものに限る。第七項及び第八項において同じ。)を譲渡する場合において、当該自動車の構造、装置及び性能が保安基準に適合しているかどうかを検査し、適合すると認めるときは、完成検査終了証を発行し、これを譲受人に交付しなければならない。
5  第一項の申請をした者は、その型式について指定を受けた自動車(国土交通省令で定めるものを除く。)に係る前項の規定による完成検査終了証の発行及び交付に代えて、政令で定めるところにより、当該譲受人の承諾を得て、当該完成検査終了証に記載すべき事項を電磁的方法により登録情報処理機関に提供することができる。
6  前項の規定により完成検査終了証に記載すべき事項が登録情報処理機関に提供されたときは、第一項の申請をした者は、当該完成検査終了証を発行し、これを当該譲受人に交付したものとみなす。
7  国土交通大臣は、その型式について指定を受けた自動車の構造、装置若しくは性能が保安基準に適合しなくなり、又は均一性を有するものでなくなつたときは、その指定を取り消すことができる。この場合において、国土交通大臣は、取消しの日までに製作された自動車について取消しの効力の及ぶ範囲を限定することができる。
8  前項の規定によるほか、国土交通大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該指定外国製作者等に係る第一項の指定を取り消すことができる。
一  指定外国製作者等が第四項の規定に違反したとき。
二  指定外国製作者等が第七十六条の規定に基づく国土交通省令の規定(第一項の指定に係る部分に限る。)に違反したとき。
三  国土交通大臣が第一条の目的を達成するため必要があると認めて指定外国製作者等に対しその業務に関し報告を求めた場合において、その報告がされず、又は虚偽の報告がされたとき。
四  国土交通大臣が第一条の目的を達成するため特に必要があると認めてその職員に指定外国製作者等の事務所その他の事業場又はその型式について指定を受けた自動車の所在すると認める場所において当該自動車、帳簿書類その他の物件についての検査をさせ、又は関係者に質問をさせようとした場合において、その検査が拒まれ、妨げられ、若しくは忌避され、又は質問に対し陳述がされず、若しくは虚偽の陳述がされたとき。


以上の通り、型式指定に関して、燃費のデータは指定に必要不可欠な項目ではない。安全・公害防止等の為の保安基準(技術基準)に適合してさえいれば、型式指定は問題なく受けられる。燃費が、たとえ28km/lではなく18km/lであったとしても、指定は受けられよう。

また燃費ではなく有害物質除去装置のようなものが付いている場合でも、次の条文で規定され、三菱自動車の型式指定に必要な特定装置は燃費データに直接関与していない。


道路運送車両法 75条の二

国土交通大臣は、自動車の安全性の増進及び自動車による公害の防止その他の環境の保全を図るため、申請により、第四十一条各号に掲げる装置のうち国土交通省令で定めるもの(以下「特定装置」という。)をその型式について指定する。
(以下略)


このほか、型式指定についての省令が別に存在する。
『自動車型式指定規則』である。この条文中、申請事項が規定されているので、これを見る。


○自動車型式指定規則 第3条

指定を申請する者(以下「申請者」という。)は、国土交通大臣に対し、次に掲げる事項を記載した申請書(第一号様式)を、独立行政法人交通安全環境研究所(以下「研究所」という。)に対し、その写しを提出し、かつ、申請に係る自動車であつて運行(この項の規定による提示のためにするものを除く。)の用に供していないもの及び国土交通大臣が定めるところにより走行を行つたもの(第四項において「走行車」という。)を、研究所に提示しなければならない。
一  車名及び型式
二  車台の名称及び型式
三  車体の名称及び型式
四  申請者の氏名又は名称及び住所
五  主たる製作工場の名称及び所在地
六  法第七十五条第四項 の検査(以下「完成検査」という。)を実施する工場の名称及び所在地
七  完成検査終了証を発行する事業所の名称及び所在地
八  検査主任技術者の氏名及び経歴
2  前項の申請書及びその写しには、次に掲げる書面(申請書の写しにあつては、第四号から第八号を除く。)を添付しなければならない。
一  自動車の構造、装置及び性能を記載した書面
二  自動車の外観図
三  道路運送車両の保安基準 (昭和二十六年運輸省令第六十七号)の規定に適合することを証する書面(法第七十五条の二第一項 の指定を受けた装置については、当該指定を受けたことを証する書面)
四  完成検査の業務組織及び実施要領並びに自動車検査用機械器具の管理要領を記載した書面
五  法第四十一条 各号に掲げる装置の検査の業務組織及び実施要領を記載した書面
六  完成検査終了証の発行要領を記載した書面
七  点検整備方式(自動車点検基準 (昭和二十六年運輸省令第七十号)第七条 の技術上の情報を含む。第五条の二において同じ。)を記載した書面
八  前条の購入契約を締結している者にあつては、当該契約書の写
3  国土交通大臣又は研究所は、前二項に規定するもののほか、申請者に対し、指定に関し必要があると認めるときは、必要な書面の提出を求めることができる。
4  次の各号に掲げる自動車であつて、走行時に排気管から大気中に排出される排出物に含まれる当該各号に掲げる物質の大気中への排出を第一項の国土交通大臣が定めるところにより走行を行つた状態においても有効に抑止できる装置を有する自動車として国土交通大臣が定めるものについて同項の申請をする者は、同項の規定にかかわらず、国土交通大臣が定める書面の提出をもつて走行車の提示に代えることができる。
一  ガソリンを燃料とする自動車 一酸化炭素炭化水素及び窒素酸化物又は一酸化炭素炭化水素、窒素酸化物及び粒子状物質
二  液化石油ガスを燃料とする自動車 一酸化炭素炭化水素及び窒素酸化物
三  軽油を燃料とする自動車 一酸化炭素炭化水素、窒素酸化物、粒子状物質及び黒煙



まず、分かり易い部分から。4項3号のディーゼル車の排ガスデータの偽装問題というのは、ここに引っ掛かるわけだ。が、三菱自動車の場合には、排気ガス中に含まれる有害物質の濃度(量)を捏造したりしたわけではない(除去装置なり低減用触媒装置なり?)から、ここでの規定を違反したというものではないはずだ。

仮に走行条件が変わることで、排ガス中の有害物質量が増加し、これをもって保安基準違反を構成するなら、そもそも上り勾配の道とか走行できないでしょう。
排気ガスのデータが悪化するから」という理由で型式指定が取り消されるような自動車なら、異なる環境下で走行する日常使用には耐えられないに決まっている。そんな解説を付ける弁護士なり法学者なりがいるとすれば、是非存在を明らかにして欲しい。報道機関の責任において。


話を戻すが、燃費計測の基準となる走行方法というのは、確かに決まりごととしてあるわけだが、それは型式指定の申請事項には法的根拠をもって記載されない程度のものではないか、ということだ。

もしも自動車型式指定規則3条の規定に抵触する可能性があるとすれば、2項4号の完成検査の実施要領の記載が、実態と異なっていた、というようなことではないかな、と。
しかし、完成検査の内容については、当方は全く知らないです。なので、ここで燃費データの測定に関係する項目を実測しているかどうかが分からないのと、「実施要領」なるものが、記載すべき事項として法的に決められている範囲がどこまでなのかが分からないです。

排ガス規制を見る上で、走行条件に関する数値(仮に、以下「走行条件値」と呼ぶ)を企業が自己申告し、この数値を準用して燃費データ測定機関が燃費を算出しているのだとすると、測定機関は根拠法がないけれども準用して計測したまでに過ぎず、燃費データの偽装とまでは言えないのではないか。
法の規定なら、「燃費とは、〜の数値から、これこれの計算式を用いて、算出したもの」とかの定義なり規定があるはずだから、だ。


なので、走行条件値を本来なら100と申告すべきところ、90として提出した、ということなら、これを便宜的に使用して算出した燃費データには、本来的に法的義務とか根拠法の裏付けのある数字、というものではないだろう。計測機関が、単にこれを用いて算出するのが慣例なのでそうしました、というだけに過ぎないのでは、ということだ。


もしも法令違反と問うとしても、正確な走行条件値を用いた場合、排ガス規制が制限範囲を超過するかどうか、だ。この保安基準の違反がないなら、違法を言うことはできないのではないか、ということである。


具体的に書けば(架空の話です)、「有害物質Aは、10ppm以下でなければならない」ところ、型式指定時には0.2ppmだったが、正確な走行条件値を用いて測定しなおしたら0.25ppmが結果だった、という場合、いずれにせよ10ppm以下の基準はクリアできているのだから、型式や保安基準違反でもないし取消事由にはならないでしょう、ということである。


4)型式指定に際し、違法となるのか?


前項に関連するが、走行条件値というものの実態がよく分からない(笑)。自動車型式指定規則の3条を示したように、

『申請に係る自動車であつて運行の用に供していないもの及び国土交通大臣が定めるところにより走行を行つたもの』が、どの項目について範囲が及ぶのかが、分かり難いのである。まるで4項規定の数値の場合のみ、走行を行ったもの、みたいに言うわけだが、条文を普通に読めば、どの項目についても、「運行の用に供してないもの」か「走行を行ったもの」かのいずれかを選択してもいいかのように思えるわけである。

走行して、計測しました、という数字を出すのがダメということなのでしょうか?
この辺りの実務上の決まりというのは、自動車企業の人じゃないと分からないでしょう。


けれども、条文からすると、必ずしも排ガス測定関連の4項以外であっても、普通に1項に記載があって、4項条文中では「走行車」との文言を用いるというのが示されているだけに過ぎないように見えるのですが。



5)自動車の運行管理・使用者責任はどうなのか?

走行条件値を変えて出したことにより、排ガスの有害成分値が悪化するんだ、というような新聞記事があったのだが、走行条件値の違いが環境負荷への影響が大きく出てしまうから、型式指定取消なんだ、というなら、自動車を運転している人なり管理者に、本来的には相応の責任を負わせるべきなのでは?

自動車整備が不行き届きのせいで、排ガス中の除去機能低下とかが発生することはあるのに、これは放置されているわけである。製造責任だけ厳しく追及されるのに、使用者責任は問われないというのは本末転倒ではないか?

そんなに環境負荷を問題視するなら、一定年数を経過した車両については、車検時に除去機能試験でも実施して、部品装置交換なりを義務化してなければおかしいのでは?

それとも、軽自動車に比べ圧倒的に環境負荷の大きい大型車やSUVを厳しく制限するべきでは?


そういう話になると思うのですよ。
燃費データを誤魔化すことは、消費者への背信行為に等しく、決してよいことではないですよ。しかし、燃費は法的に規定された重要な保安基準でもなければ、型式指定に影響する事項でもないのではないですか?


もしも、欠かすことのできない重要項目である、ということなら、全カタログに記載義務化だの、販売時に必ず説明義務を課すような事項としておくべきなのではないですか?
不動産取引時の重要事項説明書だの金銭消費貸借時の金利だの、金融商品販売時の重要事項だのといったものは、法的根拠をもって説明義務があるでしょう?燃費はそれに該当するような重要事項ですかね?車検証に記載されねばならない重要事項なら、何故法的根拠を持たせてないのですか?


そんなに重要じゃない、ということで、単に消費者の選好に影響を与える一因子に過ぎないなら、過剰な社会的経済的責任を負わせるような事柄なのでしょうか?

利益、不利益のバランスが、あまりに公平性を欠いていませんかね?
勿論、企業としては、社会的責任、道義的責任を負うでしょう。信用失墜という、商売の基本中の基本に大きなヒビが入り、屋台骨を揺るがすことになるかもしれません。失うのは一瞬ですから。


だからこそ、誠実を旨とすべき、なのです。
三菱自動車が、本来あるべき企業として、不誠実であった、とは思います。残念ですがね。

けれども、まずは法的評価をきちんとすべきなのではないかと思います。



※※追加

報道などから、データ偽装の疑惑というのが、「走行抵抗」の算出について、ということらしい。

これまで、法律の条文を見てきたわけだが、どこにもそういう数値の算出の法的根拠のある指定というのは、見つからない。細目の告示でもないわけである。


で、惰行法と高速惰行法みたいな違いがある、ということらしいが、これは、法律ではないでしょう。

これは、業界団体が定めた、自主規制規格みたいなものです。


日本工業規格 JIS D 1012


の測定方法には合致しない、というだけでは?
仲間内からみれば、それは、ドーピング選手みたいなものだけれども、違法薬物に指定されていないなら、法的責任を負わせることができない、というような状況に似ているのでは。


自動車業界の定めた試験方法に違反したから、ということで、行政処分を食らうというのは違うんじゃないですかね。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160423/k10010494981000.html


JIS規格を準用する、という条文は、道路運送車両法には規定がありませんけど?




残る論点は、不正競争防止法地方税法及び租税特措法、の2つでは?
消費者を誤認させたか、ですかね。


参考までに、あなたがゴルファーで、ハンディキャップを計算する場合を考えてみてください。
練習初期の、スコアが悪い時期とか、全部通算しませんでしょう?15年前の成績を反映するわけではないんじゃ?

きちんと数えられてなかった回の誤ったスコアも除外したりするのでは?
打数を数え間違ってたスコアなのに、これをハンディの計算に算入しますかね?


そういう不備のあったデータを除外したりすると、それは捏造なのですか?
測定方法がマズいとか要領を得ない時期は外して、うまく測定できるようになってからのデータを入れたら、それは悪ですか?


よくまとまっている記事を発見。

こちら>http://160sx.cocolog-nifty.com/blog/2016/04/post-67e5.html#_ga=1.221252952.1166273368.1460868551



続きです。

道路運送車両法の違反を報じる記事が目につくので、その真偽が気になるところです。風評被害に匹敵するかもしれず、証明がない場合には重大な販売妨害になる可能性があるので、損害賠償請求をすることも検討すべきではないかと思えます。



4月24日付 読売新聞朝刊
(伊戸田崇志、小沢妃)

(一部引用)

■処分検討

これまでに①燃費測定の基になるデータについて、意図的に低い値を検査機関に提出②マイナーチェンジなどの際に必要な走行実験を行わなかった③新型車の開発にあたり、国の規定とは異なる方法で走行実験を実施―と、主に三つの不正を重ねていた。

特に、①は悪質で、虚偽の申請にあたるため、道路運送車両法に基づき、三菱自の車(ママ)の「型式指定」が取り消される可能性もある。仮に指定が取り消されれば、量産ができなくなり、販売は極めて難しくなる。

三菱自は正しい方法で測定をやり直し、データを国土交通省に提出する。実際の燃費が悪化し、有害物質の量が増えれば排ガスの保安基準に適合しなくなる可能性がある。その場合はリコール(回収・無償修理)が必要になる。
これまで、燃費などの検査は、自動車メーカーが提出したデータに誤りがないという「性善説」で行われてきた。実際、これまでに型式指定が取り消された前例はなく、国交省にとっても三菱自のような不正行為は想定外とも言える。

(以下略)

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この記事で目を引くのは、やはり『虚偽の申請にあたるため、道路運送車両法に基づき、三菱自の車(ママ)の「型式指定」が取り消される可能性』という部分である。そう判断した理由や根拠を知りたいわけである。それと、これを言ったのは誰なのでしょう?


『実際の燃費が悪化し、有害物質の量が増えれば排ガスの保安基準に適合しなくなる可能性』というのも、既に昨日の記事に書いたが、そんな程度で保安基準違反となるようなら、登坂道路とか走行禁止にするか大型車両は販売禁止措置がとられるだろうね。
だいたい軽の燃費が仮に20%悪化したって、環境負荷は格段に小さいに決まってるでしょうが。レクサスLS600シリーズの後部座席で踏ん反り返ってる政治家や大使や高級官僚や財界大物たちは、全員軽自動車に換えろ、となるのは必定(笑)。


道路運送車両法の第何条の条文に違反し、その結果、どういう行政責任が生じたか、というのを、何故報道しないのか?何処の誰が言ったか知らないけれども、「取消の可能性」ってどういう真実性の担保があるのでしょう?虚偽報道の可能性では?



別の記事もあったので、そちらも。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160425-00000054-san-bus_all

三菱自動車の燃費データ不正問題で、国土交通省が同社の燃費試験用データの測定方法を「社内評価用の方法」と判定したことが24日、分かった。測定方法は道路運送車両法に基づいて定められているが、同社は米国の法令で定める方法を自社用にアレンジしたものを使っていた。国交省は同法違反の疑いがあるとみて、実施方法などを詳しく調べている。

 新車を発売する前に受ける燃費試験は、自動車が走行する際のタイヤや空気の抵抗値を入力して行われる。自動車メーカーが同法で定められた「惰行法」と呼ばれる方法で測定して審査機関に提出するが、三菱自動車は米国の法令で定められた方法を基に、速度や算出の仕方を若干変えて測定していた。

同社はこの方法を「高速惰行法」と呼び、平成14年から、軽乗用車や乗用車など計27車種の抵抗値の測定方法として採用。燃費試験用データの不正操作が行われた軽自動車4車種も、同じ方法で測定されていた。

 高速惰行法は、惰行法の半分の時間で測定できるが、燃費に与える影響は不明。国交省は、高速惰行法を単なる「(同社の)社内評価用の測定方法」と判定。同法が定める手続きに違反する疑いがあるとみている。

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これも同じレベルである。

国土交通省が同社の燃費試験用データの測定方法を「社内評価用の方法」と判定したことが24日、分かった。測定方法は道路運送車両法に基づいて定められているが』と記述されているが、燃費試験用データの測定方法とやらが、道路運送車両法のどの条文に定められ、どのような違反なのか、記載してないですよね。どうして、正確に、第何条に書いてある、これに違反する、と言えないのですか?


説明できるなら、それをしてごらんよ。何の為の報道機関なのだね?


ここまで検討してきたように、保安基準の細目を定める告示と別添というのは、排気ガス規制の為の方法が書かれているのであって、「燃費」の計測方法について法的根拠を与えるものではない。

別添42も、検討済みだよ>http://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokubetten/saibet_042_00.pdf


これのどこに、「燃費」の計測が書かれているのですか?
走行抵抗はp14〜18に書かれており、「惰行法」か「ホイールトルク法」が示されている。この「走行抵抗」値を用いて燃費を算出するのは、排ガス測定の際に用いた数値を、いうなれば流用しているだけ、ということではないですか、と昨日の記事に書いたのですわ。



産経新聞は、道路車両運送法のどの条文に燃費計測の為の計測方法が規定されているにか、これを明らかにせよ。できないなら、上記記事は虚偽ではないか?


それから、燃費値の算定方法が条文中に規定されている法令はこちら。
で、どの条文に違反してて、どう違法なの?説明してみなさい。


○自動車のエネルギー消費効率の算定等に関する省令
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S54/S54F03802001003.html

○自動車のエネルギー消費効率の算定等に関する省令に規定する国土交通大臣が告示で定める方法
https://www.eccj.or.jp/law06/pdf/01_20.pdf


違法だ違法だ、と言い募る側が、まずその論拠を示してみよ、と言っているのです。できないなら、報道機関がいい加減なことを言うんじゃない。
拙ブログみたいな、素人ブログ記事とは違うんじゃないですか?