怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

本当に必要な構造改革〜1 蔓延するインチキ取引

※3日朝
さっき読み直してみたら、おかしなことを書いているな、という部分があったので、一部削除しました。



昨今の経済統計の信頼性の低下というのは、かなり危機的である。日本の統計処理についても、GDP統計の速報値などでは、いかがわしい操作が疑われる数字が出たりしたこともあるので、非常に嘆かわしい限りである。


中国の統計数字は、どうも怪しいとか言うレベルではなく、日本であろうと、米国であろうと、データの捏造疑惑というのは付いて回るだろう。
米中の統計に比べれば、日本はまだマシということだとは思う。


平成27(2015)年度の国際収支が出ましたよね。

http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/preliminary/bpfy2015.pdf


速報値なので、まだ今後に変動するかもよ、ということだとは思いますが、過去の傾向と異なっていることがありますよね。
それは、何だと思いますか?


経常黒字の額はそこそこだったのに、外貨準備が減ったということですね。これは、円安だったものが巻き戻って、円高になった為というのが最も考えられるかと思います。ただ、円高になったとて、外貨準備が増加してきたというのが、傾向だったわけです。
それから、誤差脱漏の額が、異様に大きい。経常収支の4割が誤差だと、統計の信憑性ってどうなんでしょうね。

以前だと2兆円程度だったように記憶していたのですが、随分とワケの分からん資金移動が増えたということですかね?


あんなに、米国が資金移動の監視を厳しくやって、過去最強の監視体制を敷いているというのに、電子化された今の方が、「帳簿の記載漏れ」が増えたとでも言うつもりなのでしょうかね?


原因が、米国さまの裏取引が活発になって、帳尻が合わなくなってる、ということであると、監視役が帳簿記載漏れの原因を生みだしているなら、ああそうかと頷けるものですけどね。これはまあ、いいですわ。


それから、金融収支ですがね、巨額の「対外投資」増加ということになっていますよね。直接投資16.3兆円、証券投資約30兆円です。これらは、日本円を外貨建資産購入の為に外貨を買った、ということを意味しており、円売の純流出額が24兆円以上あった、ということです。海外からの対内投資(円買い)をはるかに超える、2倍程度の円売りがなされたにも関わらず円高になったのだ、ということ。





それから、対外資産の統計ですね。

http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/2015.htm


この一覧表も大変勉強になるわけです。

まず、2015年度は海外勢は株式を売り越していましたよね?東証把握のデータからでも、3兆円以上、日銀統計でも4.2兆円の「売り越し」だったはずなのですね。


ところが、です。
平成26年度と27年度の差額で見ると、海外勢の株式保有残高は、明らかに増加してますね。その額、何と17兆7560億円!

その主体は、銀行や証券会社(その他金融機関)などではなく、「その他」なんですよ!これって、誰だか分からないわけです。租税回避地ということなのかもしれませんが、正体不明の部分に、殆どを買われて、持たれている、ということです。ヘンだと思いませんか?


東証では売り越されているのに、その預かり知らない場所で、どういう取引がなされているのか不明なのに、もっと持ち高が増えているのですよ?海外市場で上場している企業とかの分が、162兆円分もあると言うのでしょうか?どんだけ巨額投資しているんだ!


しかも、円高になったにも関わらず、16兆円も持ち高が増えている!どうやって買ったの?どこで?
円高になった分だけ、買い越し額がないと、為替変動の分だけで10兆円以上は目減りする。株価値上がりがあったにせよ、日本企業でそんなに時価総額の大きい企業群はない。しかも、時価総額上位企業は、殆どが大幅に株価が下がった。

なので、為替の円高の分+株価下落分を、まるまる「日本株買い」に投入しないと、昨年度末より16兆円も増やすことなど不可能なのです。


円の巨額資金を海外に持っていて、円買いをすることなく日本株をこれほど買い越せる存在って、誰かいるのか?日本政府?(笑)
「その他」という、謎の覆面投資家が、日本株を160兆円以上も保有しているんだぞ?民間投資家を装った政府機関とか?
誰なんだよ、それは。


因みに、主に日本国債(短期、中長期、財投債等)を昨年度に最も購入したのは、海外の一般政府であり、約16兆円買い越している。


それにしても、海外金融機関の売った額がこの程度でしかなくて、こんなに巨額の日本株買い越しだったなら、相場がこれほど下がるというのは考えられないだろ。2013年に個人投資家や国内金融機関が数兆円を売っていたものの、海外勢が15兆円買い越したということで、株価指数が上がったんだぞ?

なのに、海外の謎の覆面投資家「その他」が20兆円以上は軽々と買い越しても、大幅に相場が下がるのはおかしいでしょう。市場外取引が、デタラメ級に存在してないと、あり得ないですね。しかも、日本の投資家達が、そのようなインチキ紛いの取引が海外で行われており、東京市場とは全く別の独立した価格形成となっている、ということで、その情報は全く閉じられており、あり得ない取引が可能、ということでしょうな。


それから、国際収支とは異なり、こっちの外貨準備高は、2兆5270億円のマイナスになっていますね。政府の損失が最大で、約2兆円のマイナスを食らいました、とさ。まあ円高になれば、そうなるわな。



あと、資金循環を見ると、やっぱり毎年海外への資金流出が観察されており、その規模は、

2011年  14兆円  
2012   26.9
2013   12.7
2014   23.3
2015   17

だった(日銀資金循環)。

つまり、対外投資がこれだけ毎年上回っていたということであり、日本株買い(円買い)要因というのは、どこにも見出せないわけである。


日本の統計がおかしいのか?

それとも、もっと別の何かが狂っているのか?


当然、疑われるのは、為替市場の不可解な動きである。
東証が大幅に下げた上に円高だったにも関わらず、株式資産残高が16兆円も増やせる投資主体が、どうやってそれを実現できたのか?株券を直接手渡しとか、株券を盗んだとか、それくらいしか思いつかないが。