怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

南シナ海のICJ判決を放置する日米外交の敗北=中国脅威宣伝戦の大失態

また、外務省が「中国の脅威」喧伝を必死でやるように、ケツを叩かれているらしい(笑)。

嘘を拡散するエリート組織の失態を目の当たりにして、仲間内で「庇い合い」でしょうか。何とも涙ぐましい光景ではないか。失敗した仲間を助けるなんて、まことに美談ではないですか。バカはバカなりに、お仕事を頑張る所存です、ということですね。


東シナ海に目を向けさせようと、必死の記事がこちら。

http://www.sankei.com/world/news/160807/wor1608070008-n1.html


海洋リグに、ヘリ離発着可能な設備や、レーダー設置の疑い、ということらしい。イマドキ、子供騙しでしょうか。
これは、昨年の「戦争法案」可決前にも使われた、ベタな手口です。


参考記事:

15年6月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/609c6e4a64074c93bb1f1e390a136803


同7月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/bbd8246fff07c2880b5e56255cb647e0

   >http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/1458a6e433ca58b7e62e186cc606e2fd
   


山本一郎の当時の言説がいかに胡散臭いものだったのか、よく分かることだろう。

15年7月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/91c9c063741617a034c74a65b3b05800



さて、日本は指示されたシナリオ通りに、戦争法案を通さねばならなかった。その為の、脅威喧伝の最大の素材が「南シナ海の中国軍の脅威」というものだったわけです。これを煽りに煽って、極悪中国の軍事攻撃から、日本を守るには戦争法案がなければ不可能なんだ!という空気を醸成するように、マスコミを使って一大キャンペーンを張ってきたわけです。


ところが、現状ではどうでしょう?

おかしいですよね?
国際司法裁判所(ICJ)の判決が出ました。中国は国際法に違反している、ということらしいですよね?

大々的に、そのように報道されていました。しかし、日本はおろか、米国は何らのアクションを起こしていないわけです。先日にも、ASEANがありましたが、中国への強い非難声明や決議は出されませんでした。当事国であるところの、フィリピン政府さえ、これといって貿易停止等の制裁措置などもやっていませんね?


これはどうしたことでしょう!

あんなに、中国は国際法を遵守せよ、南シナ海の基地化は危険な挑発だ、と散々批判しておきながら、判決が出た途端に、尻すぼみという大笑いの展開。米国は、安保理決議に「議題にのせよ」と求めましたか?日本政府は、何をやっているんだね?

バングラディシュに立候補しないように金をばら撒いて(東京五輪開催を引っ張ってきたのと同様の手法、笑)、アジア枠の支持を取り付けたはずで、日本は安保理非常任理事国に返り咲いたはずでは?

しかも、栄えある議長国になっているのではありませんかね?

それで、議長声明の一つも出来ないとか、どういうことですか?国際法を無視せよ、ということを、認めることになりますよ?いいんですか?国際司法の枠組みを無視する者に対しては、何らかの実効的な制裁措置を課さないと、おかしいのではありませんか?

しっぺ返しなき判決・国際法無視なら、どんなならず者国家であろうと、法を無視するに決まっているでしょうに。
このような米国と日本の態度は、二枚舌、ニ重基準の典型ということなのです。一片の、道理も筋も通っていませんから。


米国は南シナ海での緊張というのを、中国と一緒に”演出”してきた経緯というのが、裏にはあるはずであり、そうであるなら米国が中国に制裁を実行することなど到底できるわけがない、ということなのですよ。そして、拙ブログの当初からの予想通りに、米国は何も行動していないわけです。



2010年の韓国天安艦沈没事件の時や延坪島砲撃事件の時の北朝鮮の役回りとほぼ同じなのですよ。

10年12月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/dde525868ff0c740a1310c308dd7acca


その後、やったフリはしましたがね。


今回、中国に対し、金融制裁を米国が全く課さない、ということになれば、それは「米国自身が国際法無視を助長し、中国の立場を認め肯定している」と同義である、ということです。

米国外交は、明白な敗北となり、日本は、それ以上に大失態&敗北ということです。


G20での議題はどうでしたか?
ASMでは、中国に名指しで厳しい決議か何かが出ましたか?
ASEANですら、ダメでしたよね?

なら、APECでは、果たして何か出せるでしょうか?
(大笑い)


で、仕方がないので、日本外務省は、恒例の「いつものネタ」を使い回して、ガス田の海洋リグを大袈裟に宣伝しとるわけです。


けど、外務省のエリートさんクラスになりますと、一般庶民が観るであろう映画とかはご覧になっていないのでしょうか(笑)。ほんの数日前でしたか、フジテレビ系列のヒット作『海猿』シリーズが放映されてたはずでは?


映画内でも、ガス田のプラント施設には、ヘリの離発着用のヘリポートみたいなのがきちんと設置されていたでしょう?
また、海上レーダーなんて、普通の漁船でも付けてるではないですか(笑)。別に、中国のガス田設備に特有の、他のリグにはないもの、ということではありますまい。


だが、外務省エリート官僚クラスか、JNSC?のアレな官僚さんたちというのは、そういう一般人でも直ぐに分かることを、自分のアタマでは気付くことができない程度の人たちなのだ、ということですね。そして、記者クラブの大手紙記者たちのレベルというものも、官庁から流されてきた情報を鵜呑みにするのみで、まさに”大本営発表”と同じく、右から左へと受け流す(笑、古)だけの記事を垂れ流すわけです。


政府の番宣と同じ。御用記者が跋扈し、下らない提灯記事を量産しているだけ、ということです。
しかも、そのマヌケ報道に乗っかり、一般人を言いくるめ、丸め込むだけの、「専門家ヅラ」した不逞の輩が、さも正しいかのようなネット記事などをばら撒いて、「洗脳工作に加担」するという有様。


米国がやる気を出せば金融封鎖(制裁)を直ちに実施できるわけだが、実情は、決して「できない」ということだ。ロシアには、やりましたよね?じゃあ、何故中国相手だとできないか?

事情があるのですよ。


もしも、今回のICJ判決を最大限に重要視してしまうと、米国自身への巨大ブーメランになるから、ということがあるわけだ。
米国が無視した、ニカラグア事件のICJ判決を取り上げた記事を、少し前にも拙ブログで書いたよ。

16年5月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/f74467c32393a22b8a31b6a7d2144178


米国にとって、これまでは「俺様こそがルール(法)だ!」という基本原理を延々と踏襲してきたわけである。なので、今回のようなICJ判決重視、国際法重視、ということを、明確に発言してしまうと、今後の米国自身の行動が、それにより縛られてしまうことを嫌っているわけである。

将来、米国が中国が受けたのと同じように違法を言われた時、無視することができなくなってしまうから、だ。
なので、米国は、具体的な制裁措置を中国には実施することが「できない」んだ。


こんなことは、最初から分かっていた。
判決が出ても、中国は無視するだろうし、米国はそれに懲罰を加えることなどあり得ない、と。そもそも、プロレスごっこだったわけだし。

で、南シナ海を大袈裟に宣伝する期間は終えたので、今後は別の部分をクローズアップしよう、ということで、東シナ海へと戻しました、というわけだな。それで、沖縄の基地建設の正当性にしたい、ということだ。

発想力に乏しい、毎度の「使い古されたネタ」しか出せない、マヌケ官僚が大勢いるということで、バカと無能官僚にありがちな「前例踏襲主義」ということでしょうかね。「前の人がやったから、無難だろう」という、失点を少なくしたい人の心理、ですかな。出世に響くのが怖い、と。



因みに、日本外務省も竹島問題について、ICJ提訴と2012年に言っていたわけだが、その後尻切れトンボになってるでしょ?
あれは、米韓のタッグで潰されたんでしたかね?

アベ政権が触れられたくない、マズい点でしたか?
嫌韓勢力のアベ支持層の連中から、文句を言われることになるからでしょうかね。


いずれにせよ、中国へ制裁措置を日本単独でも発動できなければ、これまでの中国脅威論は”根底から覆される事態(笑)”であることは確定的となるだろう。米国は当然「米中協力関係を全肯定」ということ。


やれるもんなら、やってみな(高笑い)