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続・加計学園の獣医学部設置に関する問題〜暴走する安倍と取り巻き官僚たち

やはり、決定に至る経過が不自然な部分はある。

国家公務員が利害関係者とゴルフをすることは禁止事項となっているが、総理大臣は特別職だから罪に問われないとて、直接の利害関係者たる学校法人理事長と一緒にプレイをしていたのでは、疑いの目を向けられても仕方がないであろう。


まず、医学部新設に関連して、国際医療福祉大学の医学部設置例が参考になる。

http://www.iuhw.ac.jp/about/medicine/

認可までの経過が、時系列で示されている。また、3省合意の内容についても提示されている(文科・厚労・内閣府)。
http://www.iuhw.ac.jp/about/medicine/pdf/2015.09.17a.pdf


15年11月に国家戦略特区申請し、1週間後に特区認定となったものであるが、事前説明等は7月から行われていた。16年1月起工となり、今年4月開校。

加計学園獣医学部についても、同様の手順を踏めば良かったのではないか?それが何故、例えば文科・農水・内閣府の3省合意形成を求められた(内部文書流出にそれら記載があったはず)のに、それを拒否してまで強引に推し進める必要があったのか?

同じような対応ができなかったのは、何か特別の理由があったからか?

実施主体の加計学園の岡山理科大にしても、このような特区や獣医学部開校に関する情報開示が大学HP上では確認できなかったのであるが、何らやましいことがないのなら、他の医学部設置大学と同様に情報開示を行えばよいのではないかと思うのだが。


それと、形式的に実施したアリバイ作りみたいな、パブコメだが、あまりに杜撰なものだった。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/hiroshimaken_imabarishi/imabari/dai2_shiryou3.pdf

『今回の獣医学部の新設については、「国家戦略特区における追加の規制改革事項について」(平成28年11月9日国家戦略特別区域諮問会議決定)の趣旨を踏まえ、新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応することのできる獣医師の養成を目的とするものであり、この目的が実現されるよう、取り組んでまいります。』

答えにもなっていないものを、単にコピペして張り付けているだけであり、要するに「区域諮問会議決定」が絶対的なもの、という位置づけでしかない。回答欄のどこにも「文科省・設置審により、ご指摘の危惧については適正に審査され、クリアできない虞がある場合には、認可されません」などという、誠実な回答(笑)は存在しない。
木で鼻を括ったような回答であり、早い話が反対意見は無視するという態度である。これまでのパブコメでも珍しいものではないかもしれないが。


それと、安倍総理が決めたんじゃない、区域諮問会議や特区会議で決めたんだ、というご意見ね。それは、間違いでしょう。安倍総理が決めたんですよ、加計学園今治市も。

全ての責任は、安倍総理大臣にある。


以下に、その理由を書く。
まず、根拠法から見てみる。


国家戦略特別区域法

○第6条  
内閣総理大臣は、国家戦略特別区域ごとに、国家戦略特別区域基本方針に即して、国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に関する方針(以下「区域方針」という。)を定めるものとする。
2  区域方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一  国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に関する目標並びにその達成のために取り組むべき政策課題
二  前号の目標を達成するために国家戦略特別区域において実施される事業に関する基本的な事項
三  前二号に掲げるもののほか、国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に関し必要な事項

(以下略)



○第8条
国家戦略特別区域会議は、国家戦略特別区域基本方針及び区域方針に即して、内閣府令で定めるところにより、国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成を図るための計画(以下「区域計画」という。)を作成し、内閣総理大臣の認定を申請するものとする。

2  区域計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一  国家戦略特別区域の名称
二  第六条第二項第一号の目標を達成するために国家戦略特別区域において実施し又はその実施を促進しようとする特定事業の内容及び実施主体に関する事項
三  前号に規定する特定事業ごとの第十二条の二から第二十七条までの規定による規制の特例措置の内容
四  前二号に掲げるもののほか、第二号に規定する特定事業に関する事項
五  区域計画の実施が国家戦略特別区域に及ぼす経済的社会的効果
六  前各号に掲げるもののほか、国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成のために必要な事項

(中略)

7  内閣総理大臣は、第一項の規定による認定の申請があった場合において、区域計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。
一  国家戦略特別区域基本方針及び区域方針に適合するものであること。
二  区域計画の実施が国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に相当程度寄与するものであると認められること。
三  円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。

8  内閣総理大臣は、前項の認定(以下この条及び次条第一項において単に「認定」という。)を行うに際し必要と認めるときは、国家戦略特別区域諮問会議に対し、意見を求めることができる。

9  内閣総理大臣は、認定をしようとするときは、区域計画に定められた特定事業に関する事項について、当該特定事業に係る関係行政機関の長(以下この章において単に「関係行政機関の長」という。)の同意を得なければならない。この場合において、当該関係行政機関の長は、当該特定事業(第二条第二項第一号に掲げるものに限る。)が、法律により規定された規制に係るものにあっては第十二条の二から第二十五条までの規定で、政令又は主務省令により規定された規制に係るものにあっては国家戦略特別区域基本方針に即して第二十六条の規定による政令若しくは内閣府令・主務省令で又は第二十七条の規定による政令若しくは内閣府令・主務省令で定めるところにより条例で、それぞれ定めるところに適合すると認められるときは、同意をするものとする。


総理は、区域方針も区域計画においても、唯一の決定権者である。
法8条2項2号より、今治市加計学園という実施主体を認定できるのは、国家戦略特区会議ではなく「総理大臣だけ」である。

参考>http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/pdf/160129_kuiki_houshin.pdf


また、区域諮問会議に文科及び農水大臣を臨時議員として11月9日に呼んで、「意見を求めた」のは、大臣の同意を得るという8条9項の条件を満たす為だったろう。明確に反対、と席上で言わなかったことをもって「同意を得た」という形にするわけだよ。「異議なし」とサクラが叫べば、それは同意したんだという口実にできるということ。


それはおいといて、特定事業と実施主体を認定できる権限を有するのは、総理大臣ただ一人、である。つまり全て安倍一人の責任だし、他の人間は決定に関与できない。許認可権を有していないので。菅官房長官だって、どうすることもできないわけだよ(笑)。せいぜいが、詭弁でもって庇いだてするくらいしかできない。


終局的には、文科大臣を総理が兼務できるので、設置審の結果を待つまでもなく、文科省は「獣医学部設置」を認可せざるを得ず(明らかな犯罪行為や不正行為の存在が発覚するなどでも生じない限り)、内閣総理大臣が国家戦略特区に認定し特定事業と実施主体を決めたら、それは開校を約束したのと同じ意味合いとなる。

設置審の審査等は、明白な拒否すべき理由―従前だと医学部や獣医学部の設置を制限する告示の存在―を提示出来ない限り、森友学園の認可適当答申を出した私学審と同じく、認可することは不可避となってしまう。


さて、国家公務員倫理規程は、利害関係者とのゴルフを禁じているわけであるが、今治市加計学園が実施主体として国家戦略特区を申請予定後から認定が公表された今年1月20日までの間で、安倍総理との接触はどうだったのかというのは問題視されよう。


形式的には一般職ではないから抵触しないとしても、嫌疑がかかるのであるから接触を避けるのが普通ではないかと思うが、その程度の自制もできない、常識の欠如したかのような学校法人の資質に疑義を抱かせるには十分である。


国家戦略特別区域基本方針や区域方針に適合していることについて、明瞭な説明がなされているとも思われないが、どうなっているのだろうか。

例の「4条件」に合致していることなど、誰にも分からないわけである。説明できないのはおかしいですね、と言っているのに、「何ら問題ない」と強弁するだけの政府とは、一体何なのか。


終いには、安倍総理が決めたわけではないので、安倍は悪くない、の擁護論で誤魔化そうとする姿勢も、異常な国の顕われである。まさしく、法の無視、法なき国家と呼ぶに相応しい。


本物の無法国家というのが、こうして誕生するのだな、というのを目の当たりにしたということである。

共謀罪制定について、国連機関への回答も同じなのだ。丁寧に説明する、誠実に回答する、ということが一切ない、順序立ててとか論拠を示してとか、そのような応答は、日本国政府には存在していないのである。紛れもなく無法国家に転落してしまっているのである。
これを平然とやっている最高権力者とそれを支える愚かな取り巻きに権力を握られているので、手に負えないのだ。北朝鮮をどうすることもできないのと同じ。


このような政府を、誰にも、どうにも正すことができなくなってしまっているのだよ、我が日本は。
愚劣の極みである。世界中の恥だ。