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【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

アベ政治が日本人からの収奪を加速する

世界経済にとっての根本的な問題とは、米国の借金経済と異常な金融政策である。米国ではリーマン・ショック後の破綻処理に多額の損失を出したであろうはずが、その打撃を緩和するべく過剰な低金利政策とインフレでの誤魔化しをやってきたわけである。

世界大戦に陥るよりはまだマシだ、というのが妥当であるとしても、米国の過剰なドル価格の維持政策は世界経済の自律性・自己調節能を阻害しているとしか思えないのである。

トルコやベトナムやブラジルといった高インフレ国は、年平均の経済成長率が米国より断然高くとも、貿易赤字等で恒常的な経常収支のマイナスが続いていれば、通貨安を招くというのが、経済学が教えてきた基本的な原理ではなかったか。


米国のように、物価の上昇は弱い、などという話は、到底信じ難いのである。住宅価格はリーマンショック直前よりも高くなっているだろう。その他物価水準で見ても、上がってない、などということは考え難い。ビッグマック価格だってそうだろう。


だが、不思議なことに、米ドルは減価しないのである。本当にそんなことが可能なものなのか?

いくら米国債需要が旺盛だ、と言っても、無限に米国のファイナンスが可能とも思われないわけだが、対外純債務がどれほど膨張しても、米ドルの為替レートが下がらない、というのは異常としか思えない。

輸入が増大すればするほど、貿易赤字が膨らむことになり、それは為替レートの変化を通じてドル安となる為に、輸入量に自然と歯止めがかかる(輸入物価が上がるので)はず、というのが普通の考え方ではないかと思うのだが、何故か米国の貿易はそうならない。なので、関税を上げて輸入価格の増大を図るという、人為的操作に頼らざるを得ない、ということなのかもしれない。

こうした事態は、ひとえに米ドルが貿易等の取引通貨として多く利用されてしまうということと、外貨準備の資産として米ドル資産を世界中で保持せねばならないという通貨偏重に問題があると考える。そうした理不尽な仕組みが、結果的に経済原理によるはずのフィードバックが適切に働かなくなることを招いているのだ。


更に、米ドルの悪しき問題を隠蔽すべく、また、米国の借金苦を手助けすることを強いられる日本という存在が米ドルの価格調節機能をダメにしているとしか思えない。

財務省の対外純資産残高の統計をみると、以下のようになっていた。

14年度>https://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/2015.htm
17年度>https://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/2017.htm


(2010〜2017年度、単位 兆円)

年度  対外純資産残高  公的部門  公的部門増減
10    255.906    46.758  
11    265.426    33.990   -12.768
12    296.315    41.357   +7.367
13    325.732    63.193   +21.836
14    363.409    70.351   +7.158
15    339.217    50.981   -19.370
16    336.306    32.943   -18.038
17    328.447    15.730   -17.213


2014年度末は、ドル円の為替が円安になっていたので(1ドル約120円程度)、外貨建資産の評価額が増大するのは、まあ分かる。けれども、最大で一般政府と日銀の保有する対外純資産が70兆円以上もあったのが、前期末には15.7兆円と54.6兆円もの減少となったのは、為替要因だけでは説明がつかないであろう。


海外勢が日本国債の投資額を増やすというのも分からないではないが、その場合、一般政府部門の中長期債券か短期国債の増加として顕れてくるので、財務省の統計値を見れば分かるはずなのだが、14年以降の各年度では政府部門の債務増加(=海外勢の国債保有額増加)の傾向と一致してはいない。

民間部門が対外純資産を増加させてきたけれども、公的部門がそれを上回るペースで債務を増大させているということだ。

例えば、日本企業の株式を売却して日本国債を買う、というような場合、円資産内での移動でしかないので、投資先が証券か国債か、的な違いで顕れるわけだが、その場合の為替への影響は無視できるだろう。けれども、民間部門が対外投資超過で、公的部門が対内投資超過(=純債務増加)であると、円高要因としかならないはずだが、思ったほど円高にはならず、10円程度しか違いがない。また、15年度は前年と比べて、円高がそう進んだわけでもないし、純資産減少の殆どを公的部門が占めるというのも、解せない話である。


要するに、為替の調節機能は正しく動かないような、人為的な影響を受けているかもしれない、ということだな。

分かることは、アベ政治の結果により、日本人はどんどん貧乏にされている、ということだろう。まずは、そこに気付くべきだな。

因みに、10〜11年度の減少幅の多くは、政府の短期国債の増加であり、見合いとして外貨準備高が大幅増となっていた(外貨準備高は14年度が最大で約151兆円、昨年度末は142.4兆円に減少)。理由として考えられるのは、いわゆる円高介入、の結果ではないかと。安住財務大臣時代、約9兆円超の為替介入を実施したものが原因であろう。


https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0700F_X00C12A2MM0000/

財務省が同日発表した2011年10〜12月期の為替介入実績によると、10月31日に1日の額としては過去最大の8兆722億円の介入後、11月1〜4日で合計約1兆195億円の覆面介入を実施した。

 政府・日銀による覆面介入は、09年に発足した民主党政権では初めて。覆面介入によって投機的な円買いをけん制する狙いがあったとみられる。11月1〜4日は1日当たり2000億〜3000億円規模の介入を繰り返した。昨年10月31日から11月4日までの間に総額9兆916億円の為替介入を実施した。

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しかし、15年度以降に為替介入は実施がないはずだし、いくら海外勢が国債投資を増加させた、といっても、保有高の増加額では説明が困難なことに変わりないわけである。

もっと見てゆくと、中央銀行、すなわち日銀の対外債務がここ3年て大幅に増加していることが分かる。

再掲17年度>https://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/2017.htm

中央銀行の現預金の項目において、日銀の対外債務が増大した、ということだ。
では、代わりに資産の何が増加したか?

https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2018/ac180331.htm/

負債中の「その他預金」、これが海外中銀の預金として負債計上、ということだろう。実際、14年12月末には1.15兆円しか計上されてなかった預金額が、何と21兆円にまで膨張しているわけよ。20兆円も、日銀に預金しに来る中央銀行なんて、世界広しといえども、そうそうありますかね?wどうせ米国辺りなのでは?


理屈は、こうだ。
外国の中央銀行―例えばFRB―などが、日銀にわざわざ「預金しに来る」ってことらしいんですよ。ドルを預けると、どうなるか?
見合いの資産として、外貨建資産が計上されるはずでしょう?

ところが、日銀の外貨建資産は大した増加してないわけ。何故?
6兆円超程度しかない外貨建資産には、外国中銀が預金したお金はほぼ入ってない、ってことでは?w

単年のフローで見て、対外債務が超過なのだから、日銀はドル資産を円転するはずなのですね。どこで?為替市場で?
日銀がドル売り円買いをやっていると?w


それとも、FRBがどういうわけか知らないが、日本円をどこかで大量にゲットしてきたので、その円資産を日銀に預ける、ということですよ?それも「現金」で。現金で1兆円を預金しに来るのは、超難しいんじゃないですかね?


予想を言おうか?
3年かけて、20兆円を外国中央銀行が調達した、ってことですかね?
だとすると、公的部門の対外純資産が55兆円も減少した理由が見えてきますかね、って話ですわな。為替要因以外に、市場外の直接取引が、日銀と恐らくFRBとの間で行われた、ということでは?


しかも、ドルを現金で預金なんかできるわけないでしょ?普通は。
だが、FRB通貨発行権があるので、無から1兆ドルを作り出すことは可能なのですよ。紙ペラ1枚に「1兆ドル」って書けば、そうなるから。ただ、その受け取り相手というのが、普通なら見つけられないわけですね。そのままだと、何の価値も持たないわけよ。
ビットコインと同じ。受け取る相手が「現実のカネ」と交換してくれて、初めて「使えるお金」になるというわけ。


なので、どんなにFRBが「1兆ドルだ!」って頑強に主張しても、引き取る相手が存在しない限り、そのままでは使えない。
が、信用って、借用書みたいなもんだから、日銀に「ほら、これを受け取れ」と押し付けたりすると、拒否できないんじゃないの?アベの影響力が大だから?


これが可能ってなると、どんなことができるのか?
FRBは米国の債券市場で米国債MBS等の債券を100億ドル分、まず買ってしまう。日銀の国債買い入れみたいなものですわ。見合いの負債(例えば当座預金勘定)が本当にその100億ドル分存在するかどうか、なんてのは、誰にも確かめようがないので。

一方、中央銀行間取引と称して、日銀に100億ドルの現金で預金したことにする。それは証書のような、紙が1枚あればできてしまうだろう、恐らく。
これを担保として、見合いの日本円での貸出金を受け取る。すると、日銀の資産・負債は釣り合うでしょ?
これを、在日の米系金融機関の各口座に円資金として振り込ませる。各金融機関は円資金で日本国債日本株式を購入できる。でも元は、FRBの預けた現金、が原資だったわけで、これを返却しなければならないはず、と。
そうすると、今度は米国内の保有資産のうち、米国債や米ドル建て債券をFRBに等価交換として、ドルで戻す。すると、FRBは日銀に預けたドルの現金分が、連銀の金庫に形を変えて戻ってきた、ってことになるでしょう?
(各金融機関では、米国本社の資産が減少しても、日本支店の資産が等価で増加するので、最終的な会計処理面では影響を受けないでしょう?)


100億ドルって書いた紙が、日銀に預けた途端に、円資金に変換され、その見合いのドル資産がFRBの金庫に戻るわけよ。すると、あら不思議、紙切れに100億ドルと書いたものが、現実のドル資産100億円分になって戻される、というわけよ。そうすると、最初に買い入れた100億ドル分の債券(資産)と、これと等価の負債が両建てで計上されることになるわな。

手に入れた負債側の100億ドル分の債券はどうするか?
これを市中で売却すると、買いオペと同等の効果なのでは?米国内の金融機関にあった現金が、これらFRBの債券と置換されることになるわけで、インフレ加速を何とか抑制しよう、ってことでしょ?

この方法だと、見掛け上為替市場を介するドル円の取引にはならなくできるのでは?しかも、どうやって入手したか不明だけど、外資系が日本円を今までよりも多く持っている、という謎も、氷解するような気がするけどw


米国経済で、物価が上がらない、インフレ率も低いまま、失業率も低いまま、財政赤字と経常収支赤字は拡大の一途、それでいてドル安という通貨減価が生じることもない、借入金利も低いまま、外貨準備高もまるで減らない、というのは、経済の姿として普通ではない、としか思えないわけだよ。そんなに都合のいいことだけが生じる環境って、考え難いものw
歴史的には、金や銀の流出超過、とかになるのが普通でしょう?そうならないのは、それなりのカラクリがあるから、では?


どこかにインチキの存在がないと、無理筋だものwww


今年から来年にかけて、米国債の大量償還が続くわけで、約1兆ドル級のファイナンスが2年間も続くとなれば、発行利率を何が何でも低く維持しておきたい、ってのが本音なんでしょ?

借換のうち、海外の買入比率がそれなりに高い場合、入札の消化ができない場合、米国債価格下落(金利上昇)を招くので、中国勢やその他海外勢が米国債の入手を敬遠するようなことにでもなれば、過去の巨額買い手だったサウジアラビアも以前ほど買い資金を持ってないし、消化しきれない、ということもあるかもよ?

外貨準備高の比較的多い中露やドイツが買わない姿勢をなれば、どうなるか?台湾、韓国あたりが買い支えることもまず難しいし、そうすると、いつもの「クライシス」アタック、ですかね?w

危機を演出できれば、皆、こぞって「安全資産の米国債」を買いに来るはず、とか?
まあ、大方、そんなような処ですわな。大半が借換なら、ロールオーバーに困るはずもないし、何なら日本人をいたぶって買わせることもできるし、ってか?


ああ、日銀が100兆円分くらい、買えばいいだけ、って?ww
借入残高が増加すれば、段々と金利条件は厳しくなり、金利が上がる、というのが、基本的な経済の原則のはずなのだが、何故か米国の連邦債務が20兆ドルを超えても、金利条件が悪化するということがないのは、どうみても変ですよねえ?
世界最大の対外純債務国の米国が、本当なら借金苦で火の車であるはずなのだが、ドル高という恩恵だけでのうのうと借金を重ね、他国経済を餌食にするのは到底許し難いってことさ。実態通りに、ただのインフレ水膨れ経済であることを認めて、正確な数字なりを出せばいいものを、隠したまんまなのだな。借金は、所詮、名目額でしかない、というのが、大英帝国の経験だったわけですしw


日本だって債務膨張じゃないか、って?
まあ、日本は病的なデフレ環境ですから、全然別ですのでw
それに、海外勢に買い支えてもらわなくとも、当面は自国内でどうにか工面できるし。


本当ならインフレ率の高い米国が、同じく猿真似をする必然性なんざ、あるわけなかろうに。不動産価格や家賃高騰を見ても、日本とは違う経済でしょ。


日銀に現金で預金しに来る外国中銀があってもいいけど、それで何のメリットが?預金だけして帰るなら、何の意味もなかろうにw微々たる利息が欲しいってか?そんなわけないんだよ。
「現金での預金」に見合う、別の何かが手に入るから、だろう?


これぞまさしく、無から生み出す錬金術ってやつですかねwww