怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

北海道電力の需給見通しは信頼できない

これは、電力会社が自主的にやったことですかね?
それとも、官僚の指示とかですか?

北海道電力が自主的にこういう出鱈目を出してきたのであれば、本当のクソ会社だな、とは思う。
だが、北電が単独でこんな数字を作ってくるだろうか?

どうせ、政治的配慮とか、霞ヶ関からの締め付けの結果なんじゃないのかと思うのは当然だわな。


前から書いてるが、北海道の最大電力なんて、夏じゃないんだって。

http://d.hatena.ne.jp/trapds/20120130/1327925440


発電設備だけでも、原子力以外だけで600万kWを超えてるわけだよ。
今回の提出資料でもそうだったよ。

http://www.hepco.co.jp/info/2012/__icsFiles/afieldfile/2012/04/23/120423b.pdf

発電設備容量841万kWで、うち原子力が207万kWだから。差し引き634万kWはある、ということだ。

冬の最大電力量を超えている。
ただ、冬になると揚水発電をそんなに使えるのか、とか、そういう懸念はあるだろうけど。

で、設備容量が足りてるから、需給で不足を言うことが難しいわけだよ。
で、奸吏どもは、どうやって数字を作るか考えるというわけだ。


まず、火力の発電容量は470万kWもある。
けど、発電量は380万kWしか使えないよ、と。なるほど。

ごまかしがヘタとしか思えないわけだが、発電量の多い伊達で17.7万kW減らしている。まあ、こんなのは微々たるものだわな。大勢に影響はないくらいだから。けど、最大の火力発電量を誇る、苫東厚真4号機の70万kWをまるまる落としているわけさ。これが、一番効いてる、というわけ。

90万kW分くらい低下する理由は、この4号機がゼロだから、だ。
で、古すぎて故障でもしてるのかな、と思ったが、02年稼動の、他の発電設備に比べると新しい設備なんだよ。

で、どういうわけだか、今年の電力需給が最も厳しいと喧伝している、7月、8月期に「定期点検で稼動ゼロ」にするという、どう見ても嫌がらせとしか思えない点検計画なんだと(笑)。

これが、奸吏の考える方策、ということですわな。

定期点検の70万kWがゼロではなく、他の設備と同じで70万kWが算入されると、どうなるか。553万kWとなって、足りてるわけだよ。
つまり、対策としては、定期点検を今すぐやって、真夏以降には動かせ、というのが解決策になるんじゃないですかねえ。

他条件は北電が出したので変えてなくて、唯一変更点が「苫東厚真4号機の定期点検」の時期をずらすこと、前倒しでやるというだけ。今すぐやればいいだけ。

なんて単純なんだ。
爆笑だわ。
所詮、クソどもの考える汚い手なんて、こんなもん。


もう一度数字を挙げていくよ。

火力の発電設備470万kWのうち、まあ9割稼動として、423万kWが確保される。これに、水力118万kWのうち、100万kWを確保すると、これだけで523万kWが達成できるわけで、揚水40万kWはいざという時の為のバックアップとして残しておける。

これの何が難しいの?
水力が80万kWくらいに落ちたとしても、503万kWだから昨年並みだと十分足りる。10年度並みの需要でも、ほぼ同じくらいだし、揚水30〜40万kWを使えば足りる。


それと、揚水発電の条件についてだが。
関東や関西だと、夏場に夜間でもかなり暑い為に、夜中にエアコンを稼動させることが多くなり、そうすると一般家庭の電力需要が継続するために余剰電力が減る、すなわち揚水発電に回せる余剰電力が減少することになるので揚水発電容量の最大発電量が確保できるかどうかが問題となるわけだ。
これは、
・夜間温度が高い
・夜間に稼動するエアコン台数が多い
というような要因があるから、ということだ。


しかし、北海道は全然違う。
まず、夜間温度が低い。寝苦しいというのは、かなり少ない。温度が低下するので、夜間エアコンを稼動させないとダメ、という状況自体が非常に少ないはずだ。
それから、エアコンの設置台数が非常に少ない。それは、夏場の暑さなんて、限られているから、だ。1千世帯あたり設置台数は181台だそうだ。そうすると、夜間にエアコンを使って余剰電力がかなり減る、という条件設定自体がおかしい、ということになるわけだ。夜間消費電力がそんなに多いことは考えられず、揚水発電が満充電(とは言わないのだろうけど、マックスの発電力にするということで)にできない、という想定が、やや信じがたい。

北海道の節電は難しい、という話になるはずもなく、昼間の最大電力の要因としては、ビルやオフィスや商業施設での空調だとか照明やパソコンなどが主だと思われます。大規模工場なんかは、殆ど存在してませんし、製造業が大打撃を受けるなんてこともほぼないわけで(笑)。
つまり、最大電力を抑制するには、ビルや商業施設での節電をお願いすればいい、ということでしょう。昼間の最大電力になる時間帯で、空調を1時間とか停止したところで、暑さのレベルは大したことがないですよ。まあ、電気店のテレビを全部消すとか、照明器具展示も消すとか、そういうレベルであっても効くでしょうね。


こういう数字を考えてる人間が、東京なんかに住んでる単細胞なんかであると、条件の違いなどが考えられないということだろうね。

だからこそ、本物のクソだろうと思うし、奸吏なんだろうけど。


定期点検入りさせる、という想定そのものは、ウソでもなけりゃ、出鱈目でもないよ、そりゃあ。
だが、普通の思考を持つ人間が見れば、ああ、わざとだな、と明白に判る設定だろうよ。

まあ、細かい数字なんかどうせ誰も見ない、とか、甘く見てるんじゃないの?
だから、数字操作を考えるのが面倒なので、愚か者だと最大発電量の発電設備をまるまるゼロにしちまえ、ということにするんだろうね。


どうです?
みなさん、わかりましたでしょう?
これが、霞ヶ関の外道どものやり口だ、ということです。

きちんと数字を拾ってみてゆけば、罠を仕込んでいる、ということかと思います。

北電の発電実績だと、2010年度で原子力が43%だったのですよ。
そう、ベース発電をこれでやれば、依存度が高くなるというのは、その通りなのですが、最大発電量を考える時は別だということです。北海道の割と高い依存度であっても、対応は可能であるということです。


関西電力管内においても、そういうのはあるものと思って検討するべき、ということです。