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アルガルベ・カップの反省会〜なでしこジャパン

そもそも、このような名前の大会があることすら知りませんでした、すみません。まずはお詫びから入りますが、米、独戦の感想などを交えて、簡単に振り返っておきたいと思います。


○米国戦

W杯の時の悲壮感とは全く違ったチームとなっていた、なでしこ達。あの時には、もう目一杯のギリギリの頑張り、みたいなのが必要でしたが、今大会は女王の自覚を持って臨んだということもあるのか、非常に落ち着いていたように思います。心に余裕があった、ということだろうと思います。

かつては、気後れするような部分が多かったのかもしれませんが、今は自分たちのプレーをきちんとできれば、アメリカ相手であっても十分通用するんだ、という、確信のようなものがあるように思います。試合結果も、まさにそれを表していたように思えます。

米国の2枚トップは強力でしたが、そこへの有効なタマ出しが来なければ、やはりゴールをこじ開けるのは難しかった、ということだと思います。ポストに当たった1本、あれはヤバかったが、幸運にも入りませんでした。なでしこのDFでシュートコースが防がれていたので、足の振り抜きがちょっと難しくなったのだろうと思います(が、あれでも、あのキック力ですので、強力です〜)。

宮間のキックはやはり脅威。セットプレーでの得点力は大事だから。

全体的にタイトルホルダーとしての風格を漂わせつつ戦えたのは、なでしこの方であったと思います。この試合は、米国相手に勝利という結果が全てを物語っていたと思います。精神的優位を持つことができるまでチームとして成長した、ということです。


○ドイツ戦

意表をつくスタメンと配置でした。
特に、宮間を右ボランチの配置というのは、意外。
しかし、これが全くのダメ、でしたよね?

恐らく、澤さん的役割か、男子での”遠藤”的役はどんなもんだろうね、ということだったのかな?、と。

ポジションが後ろ目になりすぎて、DFラインが低く、ボランチがほぼその直ぐ前くらいに位置してしまって、全体が平板みたいになってしまい、ドイツの攻めが続いてしまうこととなった。全体のバランスが悪くなってしまうと、下がり過ぎということになり、ボールを持ち切れないで、苦し紛れにパスを出すが、前のパスコースはドイツ選手の方が人数が多いに決まっているので、ボールを簡単に奪われてしまう、と。

1点目はドイツの活きのいい選手のパワーとスピードにやられてしまった。2点目も、体格有利で、高さに負けて失点。ただ、試合運びは、この後からも淡々とできるくらい冷静にやっていて、米国戦でも感じた精神面での成長は著しい。戦術的に悪くなっていても、そこで耐え凌ぐ精神力を持つというのは、大変なことだ。

DFラインに不安を感じて退くと、ズルズルと下がってボール維持できず、失点に繋がる、というのを体感しました、ということだな。
それでも、2点目を失った後からは、逆に吹っ切れた感じで、サバサバとプレーできるようになって、ボール支配とパスは良くなった。

1点を前半できれいに返せたのが大きい。永里は試合を通じて、非常に良かった。W杯の時には、ちょっと空回り気味で不完全燃焼だったかもしれないが、今大会では良くなっていた。非常に厳しいパスが来た時の捌きを向上させると、もっと強くなると思う。ドイツや米国相手だと速くて長いパスじゃないと打開できないこともあるので、トラップのうまさが大きく影響する。宮間も意識的に低く速いパスを送ったと思うが、ボールが体より離れ過ぎて、相手に取られるケースが多かった。あそこで収まりをつけて、前に走れるとかなり大きいのだが。

宮間を前に上げて、バランスは良くなった。
0−2から3点を奪ったのは、立派。
試合中に、自分たちで修正してゆく能力が高まった、ということだと思う。W杯のドイツ戦ではかなり一方的に攻められていたが、今回はやられてもやり返せるだけの力がついた、ということだ。

海掘は、もう一つだったね。動きの切れが多分なかった。
最後の4点目もほんの一瞬だけ躊躇したと思う。前に出るタイミングが何分の1歩か遅れたんだ。好調時なら、迷わず飛びだして先にボールに触れていたかもしれない。が、相手選手がうまくボールを上げて、勝ち越し点を奪った。相手がうまかったのは確か。
だが、試合を通して見ると、DFラインに不安、+キーパーの調子がもう一つ、ということで、失点するべくして失点した、というべきだろう。
テストマッチ的意味合いだったので、仕方がない面はあるのですけれども。


なでしこのパスはミスも目立つわけですが、行けるぞモードのスイッチがカチーンと入ると、ゴール前にわらわらと忍者部隊が迫るように攻め込みます。もうちょっとドリブル突破の使いどころを考えると幅が広がるように思えます。

ショートパスを出すのを読まれていると、トラップの隙を衝かれてボール奪取されるケースは結構あったと思います。
パスコースorドリブル突破の両方をケアするのは困難なので、そういう選択肢があるような局面を作り出すよう意識するといいと思います。ドイツ戦でも得点に結びついたシーンは、そうした個人技からの突破を活かしていたと思います。

キープ力はそこそこ期待できるので、後はトラップ精度を上げることとか、リズムチェンジの出し方とか、そういうのを考えてもらうと、更にパワーアップしそうですよね。全体としては、良い大会だったと思います。一番対戦したかった強豪国の米と独としっかりできたので、代表選手皆にとってとても勉強になったと思います。