怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

続・原子力行政に関する日本政府のウソ

前の続きです。

事例4の吉井議員との質疑から。
(一部のみ抜粋しています)


◆事例5: 1999年11月24日 内閣総理大臣 小渕恵三 
衆院 科学技術委員会での答弁)


小渕内閣総理大臣 


まず、このたびの事故につきましては、まことに国民にも申しわけないことでございまして、この事故をもとにいたしまして、政府といたしましては、現在、この二法をお願いをし、この法律によりまして、二度と再びこうした事態が生じないようにということで、全力を挙げていかなければならぬと思っております。
 法律を御審議の上、御通過いただければ、これをもととして、政府としては、原子力の安全規制の問題、また、この核燃料加工施設等における臨界阻止のための対応策の徹底、施設の運転状況に対する継続的なチェックの必要性等が顕在化したものと認識をいたしておるところでございまして、これを踏まえまして、原子力災害が二度と発生することのないよう、今般の原子炉等規制法を改正することによりまして抜本的強化を図っておるところでございます。
 法律の改正とは別に、核燃料施設に係る安全審査指針等の見直しを行うことといたしております。
 また、原子力防災対策に関する課題といたしまして、初期動作における国と自治体の連携強化、原子力災害の特殊性を踏まえた国の緊急時対応体制の強化、事業者の責務の明確化等の課題が顕在化したものと認識いたしております。
 これらを踏まえまして、万々が一原子力災害が発生したときのための原子力災害対策特別措置法を制定することによりまして、原子力緊急事態宣言の発出後、内閣総理大臣を本部長とする原子力災害対策本部を設置し、本部長が、関係行政機関、地方公共団体原子力事業者等に対し必要な指示を行うとともに、自衛隊の派遣を要請することができることとするなど、国が前面に立って、地方公共団体とも連携をとりつつ、迅速な対応を行うための制度を整備することといたしたところであります。
 これら諸点につきまして、今日まで御審議をいただいたことだろうと思いますけれども、改めて国としてのなすべき責任について十分認識をして、万々が一のときに極めて適切に対処のできるような体制をとってまいりたい、このように考えておるところでございます。


小渕内閣総理大臣 


御指摘のように、昨今、科学技術の分野におきまして、人為的ミス等を原因とするものも含めまして、事故、トラブル等が続いていることを大変重く受けとめております。
 一連の事故等につきましては、その技術的原因だけでなく、組織管理、検査点検体制など、事故等の背後にある構造的な問題にまで踏み込んで、徹底的に原因究明を図った上で、その中から得られる再発防止策を今後の科学技術の立て直しに生かしていくことが重要と考えております。
 原子力につきましては、先般、原子力安全委員会事故調査委員会の緊急提言を受けまして、今般、原子炉等規制法の改正案を御審議いただいているものでありますが、常に緊張感のある安全規制の構築を図ることにより、事故の再発を防止し、原子力の安全確保を図ってまいる所存
でございます。
 また、人為的なミスに起因する事故災害にかんがみまして、これらの背景に共通して存在する組織管理、検査点検、従事者の教育訓練等の問題を洗い出し、これらに対する今後の共通的対応方策を検討するため、内閣官房副長官を議長とする事故災害防止安全対策会議の第一回目の会合を十月六日に開催したところであり、今後早急に共通的な対応方策を取りまとめることにいたしております。


○吉井委員 


今から二十四年前になりますが、大山委員会が、原子炉安全専門審査会の委員は非常勤と定められているので大学研究所のパートタイマーという形態だ、それから、原則として書面審査のみでやっているから、技術的に後に反映させることができないという問題など、パートタイマーじゃだめだということを指摘したのが二十四年前のことです。
 その翌年、二十三年前になりますが、三木総理のときに、原子力行政懇談会の有沢座長の方からやはり意見が出ておりますが、その中では、開発と規制の分離の問題、それから、事務局は一般行政から分離して、各省庁に対し中立、平等の立場を保持すべきだ、また、原子力安全委員会の事務局については独立の事務局を設けることが望ましい、そのときに、当面の間ということで、科学技術庁原子力安全局において委員を補佐する。これは当面の間だったんです。当面の間が二十三年間続いてきたわけであります。またここでは、それぞれの行政庁が開発促進という責務を有していることから安全性確保についての不信感が生ずるおそれがあると実は二十三年前に指摘してきたんです。
 ですから、やはり独立した機関をきちっとつくる、パートタイマーじゃなしにちゃんとしたスタッフを置くということをこの際総理としてきちっと決断をして取り組まれるということは大事だと思うのですが、もう一度伺いたいと思います。


小渕内閣総理大臣 


我が国におきましては、一次行政庁、科学技術庁及び通商産業省でありますが、約三百人の安全規制を担当する職員がおります。独自の立場からダブルチェックを行う原子力安全委員会には二百人を超える専門家を擁するなど、我が国に適した有効な安全規制体制となっており、今後一層これを充実していくことが肝要、このように考えております。


○吉井委員 


それが、やったやったと言って事故を繰り返してきたわけです。だから、その審査体制が機能していないということが明らかになっているわけです。
 IAEA安全シリーズで、原子力発電所の安全基準、政府組織という中には、三百二項で、規制機関は原子力の推進に対して責任を負ってはならない、また加盟国内の責任を有する組織から独立していなければならない、これはIAEAの方できちっと決まっているわけです。安全条約上のことにつきましては、もう既に不破委員長の方からクエスチョンタイムの中で指摘がありましたので私はきょうは繰り返しませんけれども、しかし、明らかに高速炉開発など推進官庁が科学技術庁でもあるわけですから、ここからきちっと分離した機関にするということと十分なスタッフというこの二点について再度伺って、質問を終わりにしたいと思います。


小渕内閣総理大臣 


先ほども御答弁申し上げましたように、現在それぞれの機関におきまして十分ダブルチェック機能を発揮しこれを行うということに相なっております。また、新しい三条機関をつくるということになりますれば、これは大変な人員と新しい機構というものが必要でありまして、それだけのスタッフそのものにつきましては、ただいま御答弁申し上げましたように、現在それぞれの省庁におきましてきちんと対応させていただいているということであります。
 しかし、今回起こった事故につきまして、さらに十分このチェック機能を再検討して、そしてこうした事故が起こらないようにいたしていくことは、これはまた当然なさなきゃならぬことだと思っております。


○吉井委員 

反省や教訓が生かされていないということを指摘して、終わります。

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日本の、この20年間とは一体何だったのか、これほどまでに進歩のない国及び政治というものは何故温存され続けてきたのか、反省をしなければならないのです。福島原発事故は、こうした政治に対する怠慢が生み出したと言っても過言ではないということなのです。


もうしません、二度と起こしません、万全の対策をします、そうした言い訳を認め続けてきたが故に、取り返しのつかない重大事故を招いてしまったということです。思想を変える、ということができなかったことに、根本原因があるものと思えます。


これまで続けてきたことなのだから、しょうがない、で終わらせてしまう、その知的怠慢こそが、原子力ムラの利権と強権構造を生んできたということです。


吉井議員の指摘している、23年前の指摘というものが13年も前に言われていた、つまりは36年前から議論の質が変わっていない、前進していない、進歩していない、ということと同じなのです。
悲しい哉、「やったやったと言って事故を繰り返してきた」「反省や教訓が生かされていない」という13年前の言葉が今もって、全く当てはまってしまうのです。


こうしたその場しのぎの、言い逃れ・責任逃れの集大成が、福島原発事故であった、ということです。
日本の原子力行政は完敗したのだ、ということです。


再稼働問題での、野田総理の強弁というのも、何らの説明にもなっていない、うわべの言葉の羅列に過ぎません。
原子力利権を守る人間にとって肯定できる理由を言ったに過ぎない。


福井県は、金という急所を握られているからこそ、必要と言うのである。原発中毒と一緒だ、ということ。依存構造が完成されているから、だ。
その中毒から脱出するには、苦しみを伴う。
「使えば楽になるぞ」というのは、悪魔の誘惑のようなものだ。


確かにそうさ。過去50年余に渡って積み上げられてきた、原子力亡者たちの蓄積は侮れないほどだから。彼奴等の牙城として、投下されてきた資金も膨大だ。利権の大きさもそれに比例して大きくなってしまったのだ。それが無に帰することになるかと思えば、抵抗も激しくなろうというものだ。


こうした原発利権と決別するとなれば、苦痛を耐える決意が必要だ。それがなければ、悪魔の囁きに対抗できなくなる。


我々には、決心が必要だ。