怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

さよなら「電力足りない論」・2014

このシリーズがこんなに続くとは思いもよらなかったわ。
全然気付いていなかったんですが、また、苫東厚真4号機がイカレたんだそうだ。


http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2014011000842

 北海道電力は10日、ボイラーの異常で昨年12月17日から運転を停止している苫東厚真火力発電所4号機(厚真町、70万キロワット)の復旧時期を、当初予定の16日ごろから13日ごろに前倒しできる見通しと発表した。(2014/01/10-18:47)


なるほど、最も電力需要の最大値が出現しそうな時期を選んでの、電力過少供給演出、ということですかな。それとも、本当にぶっ壊れてしまったと?


http://www.hepco.co.jp/info/2013/1189354_1521.html

北電の発表では、節炭器の配管に穴(破孔)が開いてしまって、そこから蒸気漏れが起こったみたい、と。
まず、これがバカみたいな話としか思えない。通常、ボイラー運転中に蒸気漏れが発生した場合、緊急で運転停止が作動するんじゃないですか?
それとも、穿孔箇所が極めて微細で、1ミリ以下の程度で完全なリークが発生する前段階で発見できたとでも言うのかな?どんだけ「神の目」なんだよ、って話だな。


当方は、発電所の構造とか仕組みなんかは全く知らないので、実際に何がどうなっているのか、というのは分からないです。本当に、配管に穴が開いてしまって、運転できなくなったのかもしれませんので。

ただ、そのこと自体があまりに愚かなんじゃないですか?
だって、大規模定期点検をやったばかりではないですか。12年の秋までやっていたんだから、それから約1年くらいしか経ってないでしょうに。それでこのザマですかな?どんだけ無能揃いなんだよ、って話になるんじゃないですか?

13年4月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/551f7401800d888e17c358bc9b2fe98b

12年5月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/4b744533bb81155ba7001b36e41298ca


さて、通常100日、旧型機なんかで長くても120日程度で点検・改修工事ができる定期事業者点検のはずが、何と6か月近くもやっていたんじゃなかったですか?


北海道電力さんは、
・08年〜09年上半期:設備高度化の大規模改修工事
・12年5月〜10月:定期事業者検査・修繕工事等
をやったんでしょう?


それなのに、今回は節炭器管の「2本破孔+30本もの減肉」が僅か1年足らずで生じた、ということですわな。

事業者点検の意味がないんじゃないの?
だって、「エロージョンが起こるんだ、だから破損するんだ」という言い分は、蒸気配管なんだから、当然に想定されているはずでしょう?
ならば、定期点検で薄い配管は交換されるはずだし、そうしなければ検査の意味がないのではないですかな。検査のミスか、2年未満の短期間でこれほどダメになる配管そのものに原因があるか、ということでしょうかね?

いずれの場合でも、電力事業者としての落ち度があったものと考えざるを得ない。


具体的な点検水準が分からないですが、例えば、節炭器管の基準には次のようなものがある。


・ボイラー構造規格

http://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-10/hor1-10-1-1h2-0.htm


(煙管等の最小厚さ)
第三十五条 第二十条の規定は、煙管の最小厚さについて準用する。
2 第九条の規定は、水管、過熱管、節炭器用鋼管等内部に圧力を受ける管の最小厚さについて準用する。
3 第九条の規定は、給水管及び吹出し管の最小厚さについて準用する。この場合において、同条中「最高使用圧力」とあるのは、「最高使用圧力の一・二五倍の圧力又は最高使用圧力に一・五メガパスカルを加えた圧力のうちいずれか小さい圧力」と読み替えるものとする。


(煙管等の厚さの最小値)
第三十六条 煙管及び水管、過熱管、節炭器用鋼管等内部に圧力を受ける管の厚さの最小値は、次の表の上欄に掲げる管の外径に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以上としなければならない。

 ※表における具体例:管外径が127.0mmを超えるもの→管厚の最小値4.0mm




苫東厚真4号機が、このボイラーに該当しているかどうかは知らない。けれども、通常の考え方であれば、配管の厚みが薄くなっている(=減肉)ことが想定されるのだから、厚みを点検するに決まってるだろう。しかも、1本や2本じゃないのだぞ?

火力発電所のトラブルの事例では、節炭器管の異常(減肉、破孔)が報告されてきたのであれば、当然にその対策が講じられるべきに決まっている。当たり前の話であるが、定期事業者点検項目として、節炭器管の肉厚測定があるはずだ。

経済産業省が出している「平成23・01・28原院第3号」の通知においても、その旨が書かれていた。『電気事業法施行規則第94条の3第1項第1号及び第2号に定める定期事業者検査の方法の解釈』という無駄に長いタイトルの文書だな。これによると、次のように書かれていた。


外観点検・肉厚測定
a 過熱器管、再熱器管及び節炭器管の外観点検を行う。
b 油焚・ガス焚・黒液燃焼ボイラー以外のボイラーにあっては、エロージョン対策を行っていない場
合、過熱器管、再熱器管及び節炭器管の触手点検を行う。
c 油焚・ガス焚・黒液燃焼ボイラー以外のボイラーにあっては、エロージョン対策を行っていない場
合、過熱器管、再熱器管及び節炭器管の代表点の肉厚測定を行う。



さて、苫東厚真4号機がこの通知に該当する発電設備かどうかは分からない。しかし、考え方というのは同じだろう、という話である。


12年の定期検査で肉厚測定をやったのか?
やったのに、破孔を生じた原因・理由を解明しなくていいのか?


どんだけいい加減なんだよ。
どちらにしろ、出鱈目なんだわ。
わざと検査を長くやったり、出力の大きい4号機を供給力削減の為に利用したり、ということなら、点検そのものに問題がなく設備に問題がなくても、事業者としては問題だ。


それとも、本当に破孔だったなら、点検の意味がないだろうに。肉厚測定に過誤がなかったにも関わらず穿孔を生じたなら、その理由を説明できなければならない。


結論としては、益々信用ならない組織である、ということだな。
これは、誰の差し金かね?
それとも、自らの意思でそうしたのかな?


しかも、今シーズンは節電効果が昨シーズンよりも一層効いてるからな。
これまでの最大需要は、1月10日の522.2万kWに過ぎない。

2010年シーズン(11/1/12)の579万kWと比べても、ずっと少なく済んでいる。ただ厳冬期はこれからなので、最大需要がもっと行くかもしれないけど。これまでの所、昨年(13/1/18、552万kW)よりも更に少ない。苫東厚真4号機がこのまま動いてなくても、需給は可能だったわけだ。融通が微々たるものでしかなくても、だったしな。



コイツら、ホントどうしようもないな。
日本人の劣化は、ここまで来てしまっている、ということか。騙そうという魂胆だけは、ミエミエと。それが専門の人間がやることか。