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【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

米国の国防費削減構想

以前から懸案になってきたカネ喰い虫「国防総省軍団」への切り込み、ということになるでしょうか。オバマ大統領の身がちょっと心配になってしまいます(いや、軍産複合体フィクサーから狙われる、といった陰謀論、笑、冗談ですからね)。


http://japanese.joins.com/article/084/147084.html?servcode=A00§code=A30
(一部引用)

オバマ米大統領は3日午前、ハワイでの休暇を終えホワイトハウスに復帰した。彼はこの日午後、唯一パネッタ国防長官を執務室に呼んだ。 オバマパネッタ国防長官、バイデン副大統領とともに苛酷な緊縮予算時代を迎えた米国の新たな軍事戦略を最終点検した。午後遅くに米国防総省はパネッタ長官とデンプシー統合参謀本部議長の5日の記者会見日程を発表した。ホワイトハウスのカーニー報道官は、「オバマ大統領が昨年9月から6回も軍首脳部に会い、特に12月には任期中初めて世界に派遣された戦闘司令官全員を呼んで意見を交わした。今後10年間に4890億ドルの国防予算縮小に合わせた新しい戦略が発表されるだろう」と予告した。

米国の新しい軍事戦略は▽ヨーロッパ地域軍縮小▽アジアでの安保軸移動▽海空軍統合戦力強化▽果敢な人件費・退職手当て縮小などを含むと伝えられた。ニューヨークタイムズなど米国の主要メディアはこれと関連し、「オバマ政権が、米国が長く維持してきた“二つの戦争”戦略を事実上放棄するだろう」と評価した。世界の2カ所で在来式戦争が起きても地上軍を派遣して同時に勝利するという「2つの戦場同時勝利戦略」が国防予算削減で22年ぶりに岐路に立ったということだ。米議会では5000億ドルの国防予算を追加で削減する案も議論中だ。

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日本の報道では、ここまで記事が書かれていないので、参考にならない。日本の新聞は、もっと内容を詰めて書くべきでしょうね。中央日報さんの記事の方が何倍かためになります。

前置きはこれくらいにして、本題に入りましょう。

米軍の「二正面戦略放棄」みたいに一部報じられたりしていますが、そんなに目新しい考え方でもないでしょう。”QDR2006”の時点で、過去に踏襲されてきた「二正面戦略」は既に過去のものという扱いに変わっていました。前回の”QDR2010”でも2つの作戦に対処する戦力、というふうに一部触れられていたように記憶していますが(http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/8b48ff65223080386f55da92e7e5be3b)、旧来型の「(同時発生の)大規模地域紛争」に対処する能力ということではなく、非国家型脅威等(平たく言えば所謂「テロとの戦い」ですな)を含めて2つ、ということだったはずです。つまり、国家間の大規模紛争と非正規戦力への対処能力ということで、昔風に言えば「対ソ連戦」を戦いつつ、同時に「中東ゲリラやテロ」に対処(鎮圧等)する、というようなことです。ソ連と戦いつつ、もう一方で日本と戦う、みたいな2つの同時国家間紛争に勝つということではありません。


従って、QDR2006やQDR2010においては、既に「二正面戦略」は実質的に放棄されていたものと思います(現実にはイラクとアフガンで二正面作戦を展開していたように見えるわけだが)。
もっと具体的に削減案を示そう、というのが、今回のオバマ大統領の発表ということではないかと思われます。恐らく、一つの大規模地域紛争への対処能力は確保、その他の低強度紛争については統合的な対処(軍以外にもCIAの能力活用といったものがある)とするものではないかと思います。軍関係であれば特殊部隊活用や海空戦力の機動的かつ統合的運用で小規模戦力でも対処可能だから、ということがあるかと思います。スポイラーでもいい、ということならば、裏表の手段(またまたCIA?www)が色々とあるはずだから、ということもあるでしょう。

なので、米軍の戦略が180度転換しました、みたいな大袈裟な話ではなく、これまでの(QDRに示されてきた)戦略転換の流れに沿ったものであり、より「予算削減」姿勢を明確にしたものと考えられるのではないかと思います。


ちょっと追加ですけれど。
国防総省にもいよいよヤキが回ってきたようで何よりです。タカリやカツアゲの手法がバレてしまって、予算削減を米国国内的に実施してもらえるようになったのかもしれませんね。

http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/43d84f9b877cfd744af439002c14be1d

http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/32d1b787c3e0f3820b1b548fd827dcc5

http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/53ed1f81ec071569354df916c2c81369

そのしわ寄せで、もっと日本側に「金よこせ、この野郎」と厳しい取り立て&カツアゲになってしまったりして。いやだよ、そんなの。