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【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

イラン制裁に見る米国の独善

例によって例の如く、腰ぎんちゃくの安住財務大臣ガイトナー財務長官に「イラン産原油の輸入削減」を伝えたそうだ。この大臣は、本当にお調子者というか、米国の言いなりになるのがお好きらしい。

少なくとも当方にとっては、今回のイランへの制裁というものの根拠がよく判らないのである。イランは一体何をしたのだろうか?彼らは何かの暴虐やテロを働いたのか?
日本人でこの問いに答えられる人は、かなり少ないであろう。もっと具体的な根拠の説明がなければ、誰にも理由が判らないのではないか。


①イランのウラン濃縮が問題なのか?

どうも色々と言われているのが、これらしい。
http://www.asahi.com/international/update/0110/TKY201201100065.html

(以下に引用)

イランの最高指導者ハメネイ師は9日、「帝国主義者ども(欧米)はイラン政府と国民を制裁で脅しているが、我々は決めた道を歩み続ける」と述べ、核開発の放棄を拒否する姿勢を改めて示した。国営テレビが伝えた。

 ハメネイ師は「すべての政府機関が断固としてこの原則を守り、脅しに屈することはない」と強調した。米国が制裁のレベルを引き上げ、欧州連合(EU)も追随の動きを見せるのに対し、イランは原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖を示唆している。

 一方、ロイター通信によると、国際原子力機関IAEA)は9日、イラン中部コム近郊のフォルドゥに建設された地下式ウラン濃縮施設が稼働したことを確認した。IAEAの監視下で濃縮度20%のウランが製造されている。

 20%ウランの必要性について、イランは「民生用のテヘラン研究炉の核燃料を作るため」としているが、米国などは「核兵器製造を意図したもの」と疑っている。(テヘラン北川学

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反米主義者的なハメネイ師の言い草がいかにも、ということで、ご立腹なのかもしれないが、彼はテロの主導者とかでもないなら、別に何か悪いわけでもないのでは。

イランが核施設を持っていること、核開発をやっていること、これは事実である。その上、元からの”素行”がよくないとか、他にも色々と怪しいことをやっているとか、それはあるかもしれない。

だからと言って、イランが極悪人かといえば、必ずしもそうとは見えない。いずれ大それたことをやりかねない、という虞はあるかもしれないが、今そうなのかというと、そうとは言い切れない。
少なくとも、イランは特別な違法行為を行っているのかといえば、そうではないのではないか、ということである。

当方から見れば、「まあ、そういう危険に見える行為は止めておいた方がいい、もっと状況が改善するまで研究用であっても控えるべき、慎重にしておいた方がいい」とイランに忠告しておきたいとは思う。だからといって、「イランは危険なので即刻逮捕するべき、牢屋にぶち込むべき」とまでは言えない。


②手続的に問題ないのか、法的問題とは何か

仮に、イランが悪だ、ということであるとしよう。
イラン側の言い分としては、

・医療用アイソトープとかの研究炉用だ
IAEAの監視及び査察を受け入れている

ということはあるだろう。
それなのに、何を理由に罰せるという主張を欧米はするつもりなのだろうか?
イランは何かの法を侵したか?
国際法違反の事実はあったのだろうか?

そういう理由が示されないのに、どうしてイランに重い罰を与えなければならないと主張するのだろうか?

それが全く判らない、と言っているのである。
法治国家とか、法の支配とか、綺麗事を並べる割には、違法行為が確認できないのに、「お前は見るからに怪しいから、ブタ箱に放りこんでやるぜ」的な、超法規的「保安官」の行為と見分けがつかないということである。


③米国のダブルスタンダード

イランは核実験を行ってはいない。が、米国は震災後でもやっていたらしいな(笑)。

イランはNPT加盟国だが、常任理事国であるところの米英仏露中は、核兵器国ということでありとあらゆる制約から逃れている。イランよりも、これら5カ国の核兵器保有国の方が危険性は高い。

もっと酷いのは、インド、パキスタンイスラエルは加盟国ではないことだ。これらの国々の核開発に関しては、文句を言わないというのが、極めて異常事態と言わねばなるまい。

米国にとって、パキスタンはアフガン戦争の協力国だったわけである。同盟関係にあったと言ってもいい。核開発はずっと以前から続けられてきたし、北朝鮮からの技術供与等でも問題とされてきた。なのに、パキスタンの核疑惑には、何らの禁輸措置もせず放置。
インドだって、これも昔から核実験を繰り返してきており、米国とインドの核協定まで締結しているわけだから、えこひいきがはっきりしている。
インドの経済封鎖でも行うべき、ということになるんじゃないのか?



※注記:

いきなりですが、バックアップで消えてしまったかと思われた記事が残っていたようです。
ヘンだなあ?

本館に書く前には、「記事を書く」を選んでも、記事は全く出てこなかったし、下書きの記事にもなかったのだけれどもねえ。
どうしてそうなったのか、不明。

後から書き直したのは、こちら>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/e89f0e45dd2acdf7d26125fd0e39114d


参考までに載せておきますわ。