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【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

小幡博士のトンデモ経済学

某所にて、発見。
これまでにも幾度か目にしてきましたが、この人は本当に経済学の勉強をしてきた方なのでしょうか?
大学の先生らしいのですが、どうしてこういう論説が堂々と恥ずかしげもなく出せるのか、本当に不思議です。

http://www.toyokeizai.net/money/investment/detail_column2/AC/b52c0897bff917f3b12d4310acefb903/page/4/

(以下に引用)

普通は、名目金利を下げるのが金融緩和政策である。名目金利を引き下げれば、期待インフレ率は一定だから、実質金利が下がる。これが普通の状態だ。

 しかし、名目金利はすでにゼロあるいは下限に張り付いてしまっている。実質金利を下げることが目的だとすると、前記公式から、名目金利がゼロで一定なら、期待インフレ率を上げるしかない。そこで、人々の「期待」に、中央銀行が働きかけて何とかしようとしているのである。逆に、期待インフレ率を上げてほしい人たちは、中央銀行に対して、「何とかしろ」と批判しているのである。

 しかし、それは無理な話である。なぜなら、これまで金融政策が有効であったのは、金融政策を動かしても、短期的には期待インフレ率は動かないことが前提にあったからだ。にもかかわらず、ゼロ金利下という金融緩和政策が決定的に限られてしまっている中で、突然、サーカスのように、あるいは魔法のように、期待インフレ率を変えることができる、いや、そうしろ、と議論したり、要求したりすることは、明らかな論理矛盾であり、現実に起こりえないことなのだ。

 中央銀行はインフレを起こすことはできない。起こすことができないからこそ、これまでは金融政策が有効だったのだ。その金融政策の担い手である中央銀行に、今度はインフレを起こせ、というのは矛盾しているし、不可能なことなのだ(そして、本当は副作用が大きいのである。副作用の話を今日はしないことにする)。

 したがって、「インフレターゲットにより期待インフレ率に働きかける」と主張している中央銀行があるとすれば、私はそれをペテン師か無責任か、どちらかと思わざるをえないのである。


もうね、笑い過ぎて、腹が痛いです。この方は、何をそんなに力んで言ってるのかな、と思いますけれども、標準的な経済学の知識が欠如しているのではないかとしか思えないわけですが。

「期待インフレ率は一定」って、そんな大原則か経済学理論があるんですか?

学生以下、ですか?
日本の経済学界の方々、こういうのをよく見るといいですよ。これが世間で通用してしまっている、日本の経済学というのは、どんだけ低レベルなのですかね。素人以下ですわな。

名目金利がゼロになってしまうと、それ以上は引き下げられないから、金融政策としての政策金利変更はできない、と。まあ、そうでしょう。
そうすると、小幡博士が言う「期待インフレ率が一定だ」ということになると、実質金利は常に一定、ということになるということを主張ないし肯定する、ということですね?
だって、名目金利=0、であると、
 実質金利 = −期待インフレ率
ですもんね。

小幡式経済学理論に従うと、実質金利は一定になってしまうよ、と、そういうことですな。彼は本物の●●ですか?

日銀がほぼゼロ金利になった期間をご存じか?
その間、期待インフレ率は一定不変であったのか?
実質金利も同じくほぼ一定だったか?

まあ、計測が困難、ということがあるから、実際のところどうなのかは言うのは難しい面はあるかもしれない。けれども、推計値だろうと、こうしたデータを見る研究やペーパーなんかはきっとあったはずでしょう。それをただの一度も見たこともないと?(笑)

もうね、本当に終わってますわ、日本の経済学というのは。そこそこ有名人であっても、こんなんばっか。肩書きが、それなりに付いてるのに、このレベル。海外留学しても、こんな有様(爆)。なんじゃ、こりゃ。

期待インフレ率の変化は連続的なものであるはずで、金融政策変更に伴ってそれがある方向性を持って変動してゆくことにはなるであろうが、経済主体が多く存在し、それらが個々に判断を重ねてゆくから、そうした変化が直ちに顕れてくるかどうかは分からない、といったことを考慮したりするのではないのか。
それは実体経済の変化が起こって生じる判断の変化でもあるから、という意味もあるはずである。物価上昇のトレンドを実感し出す場合には、将来見通しの変更が行われるのは当然なのである。08年前半くらいでも、そうした変化はあった。

中央銀行はインフレを起こすことはできない」
そんな命題は初めて知ったわ。
あれだ、岩本東大教授あたりに、そう言ってやれよ。ハイパーインフレだの何だの言ってた連中が他にも大勢いるぞ(笑)。


まあ、期待インフレ率が直ちに大きく変動する、ということはないかもしれないから、名目金利を引き下げると、実質金利が下がる、というのが間違いというわけでもないだろう。ただ、これが持続するとか、期待インフレ率が一定になってしまって動かない、なんてことはないはずで、金利引き下げ或いは引き上げといった政策変更がなくとも、期待インフレ率は変化するはずである。

仮に、今後10年は金利引き上げを行いません、とか中銀が宣言してしまった場合には、インフレになってしまうものと予想されるわな。
今のうちに住宅ローンを組んでおいた方が得ではないか、と思ったりする人たちが続出する可能性が高くなるから、である。それとも、今のうちに短期資金を借り入れて、投資に回そうという人も多く出てくるかもしれない。そういうのが実体経済に波及してくると、超過需要となってインフレ亢進が推測される。更に、金利引き上げが行われない、ということが予測できていると、「将来時点では今よりもっと物価が上がるかもしれない」と判断する割合は多くなってゆくであろう、ということだ。

中央銀行金利引き下げを行わなくとも、金融政策変更によって「期待インフレ率が変化する」であろう、というのは、誰でも直ぐに想像がつきそうなものではないか?
それとも、中央銀行通貨供給量を3倍に増やします、その為の国債買入を今から半年間実施します、とか宣言して、その通りに実行した場合には、政策金利がゼロに張り付いたままであっても、インフレになってゆくであろうと推測できうるわな。それが引き締められないままであると宣言されていれば、はやり為替下落などを通じてインフレ期待が上昇する可能性が高い、と思うのではないですかね。


ま、ヨソさまをペテンだのと批判する蛮勇は結構だが(よく恥ずかしくないね)、経済学に詳しくない一般人を騙しているも同然な論を披露するのなら、あんたが一番のペテンじゃないんですかね?

笑える。


疲れたので、日銀の話とかは、また別の記事に書きたいと思います。