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福島第一原発の15条通報はいつだったか?

東電ばかりではなく、政府側の罪もあるはずだ。
情報隠しを行った事実があるからだ。
何度も言うが、官邸HP上で公開されていたPDF文書は、事故から1週間〜10日後くらいには、何故か隠されたわけである。

問題は、3月11日当日の発表だった。
10条通報に関しては、15:42で、官房長官会見や公表文書中にも記載が割と早い時間帯から存在していた。だが、16:45の15条通報に関しては、当初記載されていなかった。


20時前までの公開文書では、10条通報後の記述が増えたのは、警察庁を情報源とするものだった。それは、1Fのオイルタンクが流出した、という「外見上の記録」だった(どうして警察管轄だったかというと、個人的推測では「警備上の理由」というやつでは)。15条通報という記述は、ずっと記載されなかった。

その後も、福島県知事の災害派遣要請、2Fの施設周辺の崩れ(防衛)、17:38の女川のタービン建屋地下の火災(消防庁)、東海第二のプール水Hi-Lo警報で水張り開始、17:35の2Fの10条通報、といったものの記述が順次書き加えられていったわけである。このような、割と些細な出来事でさえ報告が上がってきており、整理されて記載されていた、ということを意味する。

ところが、15条通報に関して、16:36に判断、16:45に通報という記述が登場したのは、菅総理が非常事態宣言をした後から、約1時間半経過した20:30だった。


つまり、それまでは情報がつかめていないとか、きちんと連絡体制ができていないとか、東電の保安院の間でのみ「おおごとにしないで、こっそり処理」しようとしていたか、何らかの事情があったものと思う。官邸に情報が上がってきて、これはヤバいぞ、となったのが、18時過ぎとかであったとすると、恐らく1号機では燃料棒露出が始まっていたかもしれない、という時間になっていたということだ。手遅れということが、この時点でほぼ確定的だったのかもしれない、ということ。


それから、電源車の記述に関して、これも政府発表が消された。
重要なのが、電源車の手配が最も早かったであろうと推測されるのが、警察庁だったのではないか、ということである。対テロ警備などの理由から、警察管轄が定点カメラ映像とかを持っていても不思議ではないし、そうであれば外見上の変化を常々観察できるから津波の映像とかタンク流出の事実なんかをいち早く知ることができたとしても、当然だと思えるから。

で、警察庁からの情報では、17時には電源車が出発、18:25分には現着となっていたはず、ということだ。電源が到達していたはずなのに、それから、何をやっていたのだろう?繋ぎこみに時間がかかった、とか、ケーブルが存在してなかった、といった不手際などが上げられていたわけだが、ヘリでケーブル空輸とかを速攻で要請すればよかったはず。

他にも、東北電力手配、保安院手配、東電手配の電源車がそれぞれ現地に行っているはずで、高圧と低圧車が向かっていたわけである。これら電源というのは、結局どうだったのか、ということだ。


疑問に思うのは、15条通報に関して記述が初登場した時間が遅い(20時30分)、非常事態宣言の17時3分まで、どうなっていたのか、ということだ。これから国会事故調の報告書を読んで確認していこうと思うのだが、官邸の公表文書からは、これら記載が全て隠された。

本当は、15時半以降から、16時くらいまで、どうする、どうなってる、なんとか穏便に東電と保安院で処理しよう、とか、隠しだてをしていたのではないのですか?電源車が出発したとされる17時には警察庁が知っていたとなると、下の方でごにょごにょやっていて、それらは結局手遅れを招いた遠因になったりしたのではありませんか?

もう手に負えない、本格的にマズくなってはじめて、「ヤバいです」と上の方まで報告が行った、とかではないんですか?

福島県災害派遣要請というのが、16:47だったので、これは15条通報が官邸の上の方まで達する以前に、福島県側には連絡が行っていたということなのでは?


結果論的になってしまいますが、18時までに1号機をどうにかもたせられていたなら、後の展開は違っていたかもしれない、と思わずにはいられません。


それから、東電社員の2名がタービン建屋で死亡していたと報じられた件についてだ。

http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/a8ebcbafc093b2266bb448ad0483cce3


これも、本当に謎なのだけれど、発表された死因が「出血性ショック」だったことだ。津波浸水で溺死というならまだ分かるが、外傷起因の出血死なんて、ほぼ想定し難い。これも真実が解明されているとは言い難いのである。こうした記者発表を行っていたのは、少なくとも電力会社では無理なはずで、警察とかになるのではありませんか?

そうすると、これら発表に加担しているのは、警察組織ということになるんじゃないですか?


政府発表の遅れも、電源車のことも、死亡した若い社員2名についても、謎があるし、事実が隠蔽されたままなんじゃないのか、ということだ。電源車の電力が尽きて、3号機だったかのHPCIが停止して冷却できなくなった、という朝日の記事があったようにも思うが、それも真偽の程が分からぬままになったようにも思う。疲れて居眠りしたからだ、といったような記述だったように記憶していたが、本当のところはどうだったのだろう、と。
現場の人間を責めたいわけじゃないよ。死ぬかもしれないという覚悟で、1号機が爆発した横で必死の冷却作業をしていたのだから、責められないさ。でも、つぶさに明らかにしてゆくことは、事故の全容解明に役立つから。