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疑似科学ニュースのメカAG氏の論説に疑問〜補足編

最後にする、と言ったのですが、やっぱり書くことにしました。あまりに残念な意見だったから、です。


http://nebula3.asks.jp/104433.html


メカAG氏は、何について議論しているのかが、勘違いでもされているのではないかとしか思えないですね。

今更、メカAG氏に「揚水発電は世界中で用いられている」みたいなことを言われてしまうとは。当方は、揚水発電はおかしい、とか、揚水発電を用いることは間違い、とか、そんな主張を一度たりともしたことはないわけですが、揚水発電はいらないだの揚水発電を用いている電力会社は陰謀、とか、そんなことは言ってません。


根本的な指摘をしておきます。

「関電の事前の説明はごまかしがあった、不誠実であった、隠し立てしていることがあった」のではないですか、ということを、言っているのです。

最も重要な点は、事前の説明と、現実の今の状況・データが乖離している、その理由としては、事前説明が出鱈目だったから、ということを言っているのです。


メカAG氏は、そういうのを総称して「陰謀論」と決め付けているのではないですか、ということです。


さて、当方が例示しておいた、大阪府市に提出された資料の3月分をメカAG氏が読んでみましたでしょうか?

5月にも挙げていました>http://d.hatena.ne.jp/trapds/20120522/1337676937


記事中にリンクありますから、お読み下さいね。
ご自身が関電の説明がコロコロ変わっていない、と主張なさるなら、それはそれで結構ですよ。誰しも自分の意見が覆されることに否定的になりたい、という傾向はあるでしょうから。


当方も関電も需要量というのは、ある水準に固定的である場合に、原発を再稼動させた場合とさせない場合、という風に考えているものと思います。メカAG氏は、水平線の「揚水以外の供給力」の意味を理解できていたとは到底思えません。


最大需要となる日の想定されるロードカーブにおいて、

原発を供給電源として追加すれば、水平線の上方シフトとなるので、揚水発電量が増加

し、結果として最大需要をまかなえる、というのが関電の説明なのですよ。


この説明自体には、間違いというわけではない、しかし、他の手段があるし揚水発電の見込み量が「200万弱〜225万kW」という事前説明は妥当性を欠くのではありませんか、という話である。妥当性を欠く理由としては、いくつか指摘してきたわけだ。そこには、揚水発電の用い方もあれば、他社からの夜間電力融通を増やすといったこともあるかもしれない。それとも、供給電力としての火力の稼動方法もあるかもしれない。

そういう細かい部分は、データを持ってるのも運用方法も電力会社しか分からないから、外部からは見えないし指摘が難しいに決まっている。


揚水をうまく使えば火力発電所が2箇所で済む、という例示ですが、当方の見解は若干異なりますね。それは火力発電の調節性が殆どない、すなわち原発と同等程度の場合なら、そういう例示はあてはまりますね。

ロードカーブに対して、水平線がほぼそのまんま、という運転状況の場合、です。原発はそういう運転ですよ。出力を上げるのにも数週間がかかるし、下げるのも日数がかかる。一旦下げたら、次に素早く立ち上げるのは困難ですから。

だから、運転状態としては、24時間のグラフで考えれば水平になっているでしょう。そういう発電所ばかりの場合なら、需要量に対して調節性がないので、ロードカーブの形状には無関係に水平になるだけです。関電の説明などで出される水平線の意味は、最大供給力をフルで使った場合、ということになるので(減らして調節という意味がないから)100%の運転状態であっても「原発なしでは届かない」という図になっているわけですから。


けれども、実際には火力の運転はそれなりの調節能力があるわけです。恐らく調節能の順では、

ガス>石油>石炭>>>原発

ということだと思います。


「火力を停止」してまで、毎日揚水発電からの供給力を300万も400万kWとか使うのは、殆ど考えられない、と言っているのですよ。経営的にあり得ない、と言ってるんです。揚水発電という設備を使ってることを問題になんかしていない、と言ってるんです。


揚水の供給力の小さい電力会社とかは、実際に火力の出力調節で対応しているわけで。現実の揚水からの供給は「時間が短い」「出力も小さい」ということになってるんですよ。そういうことを理解していない。メカAG氏は本気で毎日数百万kWの供給を行っていると信じているのかもしれないが、現実にはそんな運用はしてないはず、といっているんです。まあ、関電の説明が正しく、こちらの説明は「揚水発電を理解してない」と断じる人には、何を言っているかさえ判らないのかもしれませんが。


メカAG氏は揚水発電の量が日によって増減するのは、ロードカーブが変わるからだ、と決め付けていますが、毎日のロードカーブを見ていましたかね?

僅か1日や2日で、ロードカーブの形状がそんなに大幅に変わるとでも?(笑)それは、最大電力量がほぼ同一である時、ロードカーブの形状は誤差範囲程度の相似形でしかないと思いますよ。メカAG氏には、そういうことが受け入れられないのかもしれませんが。


原発稼動前と稼動後の比較でも、需要量はほぼ同じかやや増であるのに、「原子力が追加された」だけで揚水発電量が50万kWとか増加するのは、何故だと思いますか?

それは、火力がロードカーブほどではないにしろ運転状況を出力調節を行って(24時間水平線の状態=一定出力ではない、ということ)、山と谷があるカーブを作っているはずであり、それはどうしてかといえば一定で昼夜運転を続けても無駄だから、です。揚水に回すより、火力の出力調節を行った方が、燃料費は得だから、だ。


参考までに、原発の動いていない、他の電力会社の揚水発電の供給量を観察したことがありますか?
もし知っていれば、メカAG氏のような説明は、関電の事前説明や評価を正当化できる理由になる、なんてことは考えないだろう。


水平線は揚水以外だから原発だのに関係ない、と言っていますね。


その関係のない原発と火力が代替されただけで揚水の供給力が変わるのはおかしい、と言っているんです。メカAG氏はそれを「ロードカーブが変わったからだ」と決め付けているが、そんなことは立証されない。最大需要量が同じ位なら、ほぼ近似的だ、と言ってるんだわ。そんなに形状が大きく異なる、というのなら、メカAG氏に習えばそれを「データで示してみよ」となるね。



最大需要電力量が同じくらいかむしろ増加で、火力を減らして、揚水発電を優先使用することなど、普通では考えられないと言っているのです。


そもそも、火力が全部一定出力で運転している、という想定がほぼ信じられない。石炭とかのベース電源としているのは一定出力で運転しているでしょうが、全部をそういう調子でフル稼働している、などということは考えられませんわ。火力の稼働率から見ても、そう。


しまいには、揚水の話で「原発に関係ない話」と言い切る、と。
それは、関電の事前説明がウソだった、ということを認定ということでいいですかね?


原発を稼動すれば、(火力をそれ以上に止めても)揚水発電量が見通しの2倍以上になり、供給力が増す、と。
関電が事前に誤魔化していた、すなわち電力会社の陰謀論が肯定される、ということになるわけです。


メカAG氏の解説では、関電の正当性は「何一つ説明されない」という出発点に行き着くわけです。


ああ、疲れた。

もう説明のしようがないわ。