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「大きすぎて潰せない銀行」の世界番付

世界の金融事情と言いますか、銀行の重要度が垣間見える記事がありました。


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8A007U20121102?sp=true


[1日 ロイター] 金融安定理事会(FSB)は、世界の大手銀28行への自己資本上乗せについて、シティグループドイツ銀行HSBC、JPモルガンは最も高い2.5%が必要との見解を示した。

4行はリスク資産ベースで銀行自己資本比率規制バーゼルIIIでの7%に加えて2.5%が必要となる。メキシコ市で4─5日に開かれる20カ国・地域(G20)財務相中央銀行総裁会議を前にして公表された。

4行に次いでバークレイズとBNPパリバは2%、バンク・オブ・アメリカゴールドマン・サックスなど8行は1.5%が必要としている。

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で、他の記事なんかも参考にしてみますと、次のような感じになっているということのようです。

参考>http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCU6RD6K50YQ01.html



カテゴリー

 5(3.5%) なし

 4(2.5%) ドイツ銀、HSBCJPモルガン、シティ

 3(2%)  バークレイズ、BNPパリバ

 2(1.5%) MUFG、バンカメ、ゴールドマンサックス、クレディスイス等 8行

 1(1%)  みずほ、三井住友、ソシエテ・ジェネラル等 14行

(※カッコ内は上乗せ率)



つまり、世界の銀行で重要度の高い「ビッグ4」は、カテゴリー4に分類された4行ということでしょう。これは、単に総資産の大きさなんかで評価しているものではないでしょう。資産だけなら、三菱系とか、ヘタすりゃゆうちょ銀も上位に来てしまいますよね。


多分、金融システムの基幹部分を担う銀行・金融機関ということで、取引形態、取扱商品の多さ、取引先の広範さ、支店の展開国数、などといった別な指標も評価されたものであろうと思います。それだけ多くの銀行や金融機関との取引が多ければ、潰れるとか深刻な危機に陥った時に影響を受ける範囲が広がるということになりますから。


病院で言えば、3次医療機関のような、重大な基幹病院みたいものでしょうか。
日本の銀行は、下位グループの1と2だけですので、さほど重要ということでもないという見方でしょうか。


で、上乗せというのが、7%に対して、ということですけれど、こんな感じだそうです。

http://www.fsa.go.jp/policy/basel_ii/36.pdf


バーゼルⅢの基準というのが上記の通りで、Tier1のうちでも普通株自己資本というのが重視される、ということになるわけです。


ロイター記事中にあった、「7%」というのは、普通株等で基準となる4.5%+資産保全バッファー分2.5%を確保せよ、ということでしょう。


これに加えて、上乗せ分がカテゴリー1〜4では、1%〜2.5%の上乗せ分ということになりますので、合計すると、8〜9.5%の自己資本比率が必要ということです。それも、Tier1のうちでも普通株等の「その他」には分類されないもの、ということです。恐らく「中核的自己資本」というのがそれなのかな、と思います。


影響度が大きく、取引が広範多岐にわたる「ビッグ4」には、資産保全バッファー部分を多く取れ、と、そういうことでしょうというのが当方の理解です。