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【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

株高といっても、大したことない

安倍政権になって、円安、株高が達成されて良かったね、的な論調が多いが、まあ、確かにちょっと改善してはいるものの、そんなに喜べるほどでもないのでは。


主に買っているのが「外国人投資家」らしい。
データ的には、買い越しているのが、外国人だということのようである。


もし、そうだとすると、若干の疑問というか、気になる点がある。


例えば、当方は日本在住で、日本円資産を殆ど有するわけであるが、海外投資する場合―とりあえず米国企業の株式としますか―には、まず外貨を買う必要性が出てくるわけである。

つまり、円→ドルという資金転換が行われて、そのドルで米国企業株式を購入する、ということである。このような取引が行われた場合には、ドル高に作用し、尚且つ株式価格上昇ということが起こるわけだ。「新しい買い資金」が外国から投入された場合には、そのようになるということである。


ところが、である。

円安なのは、どうしてなのだろうか?
それは、株式購入資金に投じられた「外国から入ってきたお金」以上に、海外投資へ向かう資金が多い、ということを意味するはずだ。円売りドル買い資金量が、円買い=株式購入資金よりも多い、ということなわけだから。


そうすると、外国人投資家たちは主に「ドル売り円買い」を行って、その新たな資金で株式購入を行ったものではないのではないか、ということだ。むしろ、元々持っていた円資金で日本株式を購入しつつ、円売りを行っている、ということになるわけだ。勿論、円売り主体と、株式購入主体が別々であるなら、単に資金量の比較ということに過ぎない。

だが、円が売られて、株が上がる、というのは、外国人投資家たちから見た場合には、あまり意味のあるものではないだろう、ということだ。


それが証拠に、株高だ、と喧伝している割りには、ドル換算の平均株価は対して上がっていない。
11月1日の時点での日経平均をドル換算すれば、約112ドルである。現時点で、10400円/86.5(ドル円為替)と見れば、約120ドルということで、7%ちょいくらいの上昇に過ぎない。

元々、短期国債で円買いを行っておいて(=円高方向に作用)、円資金を確保しておいて、その一部を売却して株式購入に充てたとすれば、円資金内での移動というだけなので、1〜2兆円程度の株式購入資金は日本国債購入残高から見れば、微々たるものだろう。
どうして短期債をそんなに持っておくのかといえば、例の「日本国債破綻を演出したい」という連中とか、円高に持っていくことで利益を得る人たちとか、そういう連中が海外保有比率を「どうにか10%以上に持っていきたい」と考えていたのかもしれんから。


ま、ファンド勢がどういう動きをするのかは、判らないですが、円売りを行っているのは確かだろう。
それは、ドル買いを行うことで、ドル信認を支えたいということの裏返しでもあるかもね。


というわけで、株高は、そんなに言うほど外国人投資家達にとって、「超ラッキー!」というほどでもないのではないか、ということ。下がるよりはいいのは確かなんですがね。動きには注視が必要かと。米国の財政断崖で大きく巻き戻して、素人衆から巻き上げる算段ということなのかもしれないし。