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【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

続・誰が”円”を売ったのか?

東証株価指数を見た理由は、東証1部の買い越し額がどのくらいなんだろうな、と思って調べてみたら、謎が出てきたというものだ。そもそもは、昨年12月からの円安相場がどのように起こってきたか、というのが大変気になるわけだ。


先日も書いたが、円を売るには、そもそも「円を持っている人」じゃなければならない。円を持つには、国内で円資産を持っているか、円を借りる必要があるわけだが、何十兆円も売りポジションを構築するには、かなりの資金調達力がないと無理だ。
例えば、持ってるドル資産を担保に円を借り入れるとして、貸し出す金融機関なんかの円資産が大幅に取り崩されることになるので、銀行が10兆円を貸すとなればその分の国債売却や貸出金回収が伴う、ということになる。


なので、直接円資産を持っていようが、借りて先物の円売りを立てていようが、円資産はどこからかやってこなければならない、ということである。それがどこなのか、というのが気になるわけだ。


日本国内の資金が海外に出て行く、これは直接投資の場合もあるかもしれないし、海外債券を買うかもしれないし、貸し出す場合もあるかもしれない。外貨投資の投資信託やFXなどかもしれない。いずれの形を取ろうとも、資金が国内から海外に流出すると、それは「ドル買い」や「ユーロ買い」となる。海外旅行先で両替してもそうだし、お土産を買うのも同じ。


日本全体で見れば、日本国内の家計や企業は海外に投資をしている。近年は毎年海外投資を行っている。だから、資金循環で見れば、海外に流出超となっているわけである。これは、海外勢が日本国債を買いにやってきた、という総合計よりもずっと多くの金額が海外に投資されてきた、ということを意味する。

そうすると、毎年、日本から円資金は外貨に換えられてきて、言うなれば巨額円売りが行われ続けてきた、というわけである。資金循環統計の海外の資金過不足で見れば、毎年海外は需要超過であった。だから、確実に毎年円売りが行われ続けたということである。貿易収支だの経常収支だのという金の動きも全て含んだ上で、ということだ。フローでは確実に円売りである。


個人の持つ外貨建投信なんかを解約する時だと、海外資産を取り崩して円資産に置き換えられるので、通常は金融機関の預貯金などの形に置き換わる。これは資金循環として動きが出てくるわけだから、家計資産の一部が銀行等資金へと振り替わるということになる。海外を介する資金であっても、円買い(外貨投信を売り円の現金に戻す)が行われた結果は資金循環の流れに表れる、ということである。


さて、2011年の動きを見ると、海外は約9.5兆円超の資金需要超過であった。日本から海外に資金がそれだけ流出してしまった、ということだ。投資の形が多いと思うが、いずれにせよ外貨が買われたはずであろう、ということだ。
しかし、11年1月4日のドル円は81.987円だったが、12月30日時点では76.987円だった。5円の円高達成、ということだったわけだ。普通に考えると、円売りがこんなに行われたのに?、とは思う。フローで見ても、海外の資金流入は大したことがないので、いかに海外勢が国債を買ったと言っても、それ以上に日本の海外投資が進んできたなら円資金は海外に流出するだろう。


なのに、円高、と。
過去3年(09〜11年)とも海外資金需要超過だったのに、段々と円高が進んだわけだ。その分の円売り外貨買いが行われたはずなのに、だ。


海外子会社の収入を円資金に転換して配当資金なんかに振り向けても、円資金に置き換わった時点で、誰かの口座に配当金なんかの形で移るだけなので資金循環の流れに乗ってくる。資金移動のやり取りが海外と行われたら、全く見えないということはないだろう。それも、数兆〜数十兆円という規模であったら、分からないはずがない。


2011年の円高は何故起こったのだろうか?資金流出だったのに、だ。

12年12月の円高局面でも、海外に出たと見られる資金量は僅かに2兆円程度だったようだ。安住大臣の円売り介入9.1兆円規模からすると、余りに過少ではないかな?


よくニュースなんかで出てくる「ミセス・ワタナベ」という架空の投資家の話があるが、あれも都合よく生み出された話ではないかな、と思える。現実に、日本の家計全体が持つ外貨建資産は40兆円にも届かない規模でしかない。FXなんかで外貨を買い持ちしている人がいても、円売りを伴えば資金移動が流れとして表れる。家計保有の全外貨建資産と同額の「円売り外貨買い」を行っても、10円もの円高が達成できるかどうか、ということだ。
財務省の介入は効果が乏しく、ミセスワタナベが行えば効果絶大だと?


そんなわけない。
外人が売れる円なんか、そうそう持ってない。数兆円くらい売っても、これまでの円売り介入効果はほぼなかったじゃないの。


それとも、ドル円の為替の数字自体が、全くのウソであるとしたら?
誰かの都合良く数字が作られているとしたら?

為替の取引結果は全世界中のシステムに反映されるわけだ。それは、一体どこで誰が集計し管理しているのだろうか?アメリカでやっているのか?
だとすると、そいつが不正を働いていないかどうかは、誰がどうやって分かるのだろうか?取引結果全体を見たことがある人間なんかいるか?
本当に正しいかどうかは、全取引の結果を全部突き合わせてみないと分からないんだよ。


資金循環は数字を拾って集めてくるから、静的データとしてそこそこ信頼性がある。即時的ではないが、信頼性は高い。円という通貨の売買結果全部は、日本の内外での資金移動に反映されているから、円資金流出超過であるのに円高が起こるとすれば、数十兆円規模のヤミ資金でも存在するか、為替計算結果に偽造があるか、ということくらいしか思い浮かばないわけだ。ニセ帳簿みたいなものだな。
帳簿操作や粉飾決算などを繰り返してきたアメリカが、そうした粉飾をやっていない、などということは、そう簡単には信じられない。


それは、東証株価指数の算出結果が不可解である、ということと非常によく似ている。「かんぽの宿」の承継財産の価額が異常だった(http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/6c8f0ce5618fbdc3953c1a30e1fff721)のとも、よく似ている。誰かにとって都合のいい数字を作ることは、そう難しいものではない、ということだ。


アメリカが為替決済システムの特権を失うことを恐れているはずだ、と記事に書いたことがある(http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/bb0575b55d715a44fa9b14075503cd88)。それゆえ共通通貨単位も潰そうとする、ということも。もしも都合良く数字を作るのだとすれば、カラクリがバレてしまうから、それは絶対にダメだと言うに決まっているだろう。


世界中から金を収奪する仕組みを作ったのだとすれば、悪魔のごときペテンだな。


共通通貨単位>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/50d76c535dc9995b44b92e29a8c1817d