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東証の株価指数は信用できるか

ここ最近の値動きに、疑問を感じないわけではない。どうも謎が多いような気がするのだ。


例えば、買い越し主体は海外投資家であるらしく、個人、金融機関などは売り越しがあるようだ。1.5兆円も買い越したのなら、海外からの新規資金投入でも良さそうなのに、円高にはならなかった。いくら貿易赤字が大きかったとて、単月の赤字額なんて大したことない。海外投資家が持つ日本国内の円資金を株式に移動しただけなんだろうか。円安相場だったから、円買いが1兆円超規模で行われたとも思えないわけだ。


昨年11月30日からの上昇局面を見ても、東証1部の買い越し額は約320億円でしかない。その間、日経平均は9446円→10395円と949円も上がったのだが、時価総額に対する買い越し額はほんの微々たるものでしかない、ということだ。これは、日経平均株価という、ちょっと偏りのある数字を見るからなのかな、と思って、今度はTOPIXを見てみた。


すると、面白いことが分かった。11月30日の781.46から12月28日の859.8まで78.34ポイントの上昇があったわけだが、この買い越しがたったの320億円だった、ということである。
参考までに、10月31日から11月30日までの上昇では約221.64億円の買い越しで、指数は29.37ポイント上昇だった。つまり、投入資金がはるかに少なくても、指数は大幅に上昇しているように見える時も存在する、ということである。

指数を構成する企業群の入れ替えとか、同じ買い越し額であっても、時価総額変動への影響度が銘柄ことで違う、ということなのかもしれない。が、合成されたTOPIXという指数が上下するということによって、一般の参加者たちは「上昇相場か、他の大勢も参加して買っているのか」といったことを判断するわけだ。

ところが、実際には、大して買われていもしないのに、数字だけどんどん大きくなっているとすれば、それはどうなのだろうか?という話だ。市場に投入される金額にほぼ比例するような形で指数が変動しないと、普通の人は個別株価の上昇と同じようなイメージを持っているはずなのに、それとは全然違うというのはおかしいのではないかと思う。


株価指数というのは言うなれば「価格」のようなものなので、その表示が公正でないなら、市場参加者は判断ができなくなるではないか。しかも、指数算出方法が事後的に他者から完全検証できる形なのかどうか、という疑問がある。数値を勝手に捏造できるというような仕組みであると、実際に算出される指数が妥当なものかどうかは判断できない。


参考までに、今回の上昇相場以外の時期も見たんですよ。すると、更なる謎が生じました。
2012年の1月4日から暫く上昇相場が観察されていたわけですが、売買代金との比較だと、疑問としか思えなかったわけである。

・1/4〜1/27:買越257.46億円、TOPIX 18.14上昇
・1/30〜3/2:売越268万円、指数76.69上昇
・3/5〜3/30:売越95.18億円、指数16.53上昇
・4/2〜4/27:売越316.27億円、指数50.08下落

1月の上昇分は大したことがなかったわけですが、もっと謎なのは売り越された2月に何倍ものTOPIX指数上昇が見られていること、です。今回の320億円で78ポイント以上の上昇の方がまだマシに見える、と。
基本的に株式購入に投入される資金が入ることで価格が上昇し、時価総額が増えるということからすると、こうした資金の出入りが殆どないのに指数(価格)が大幅変動するという算出方法そのものに問題があるとしか思えないわけだ。


これは、投資家を騙しているのと同じ。指数を好きなように操作したり、陰謀でいじったりしているのと見分けがつかないから。


指数の水準で投入資金への反応度が変わるかもしれないと思い、別な時期でも見てみたんですよ。
03年4月30日にはTOPIX指数は796.56だったが、上昇相場によって6月27日には903.06まで上昇(+106.5ポイント)でした。年末上昇の相場と近い水準ですわな。800を挟んで上昇、ということですので。この上昇には845億円の買い越しとなっていました。

2012年1月4日始値の742.99から3月30日の854.35までの+111.36と似たような上昇幅だったわけですが、03年には845億円買い越しだったものが、12年1月〜3月では「162.25億円買い越し」でしかなかった、ということです。


これらから分かることは、株価指数といった数値は信用できない、ということです。単なるコンピュータの中のゲーム式世界で合成された数値であるかもしれない、ということです。事後的に全銘柄のデータから指数算出過程が検証できないなら、出鱈目数値があたかも「公正な数字」であるかのように信じ込まされているだけかもしれない、という疑いは払拭できないですね。

その後の上昇相場では、04年11月29日に1103.60だったTOPIXは、12月には1298億円もの大幅買い越しとなっていたわけですが、指数は僅かな上昇に留まり1140.19と約37ポイントしか大きくなっていませんでした。

日々の各株価から算出される時価総額と算出式に用いられる数値が公表される必要があるだろう。その全銘柄の合計値からTOPIXが計算できるはずなので、任意の日のデータが事後的に計算でき検証できる必要がある。今はブラックボックスのままなのではないか。調べてみたが公表データは見つけ出せなかった。式があるだけ。
100近くも指数が上昇(12年1月30日〜3月30日)しているのに、売り越し額がはるかに多いというのは、明らかにヘンな指数算出方法であるとしか思えない。