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【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

「聖域」なんかない〜安倍政権のペテン

安倍総理一任を取り付けて、自民党内の反対派はあっという間に沈黙させられた。


マスコミは、焦りに焦っている。
アメリカさまの「財政の崖」が本当に来てしまったから、だ。


これで、まずは軍事費の圧縮が確定的となっただろう。ヨキコトカナ。

懸案のTPPだが、先日の安倍総理の訪米で「我々は聖域を獲得したんだ」みたいな、ありもしない宣伝をやって、自民党内の反対派を押し切り、ヤラセ同然の公明の「総理一任」となって、後は「交渉参加」宣言を待つばかり、となっていたわけだ。


安倍総理は、国会答弁で「我々は民主党が2年かけて得たことを、2カ月で獲得したんだ」的なことを言っていたらしいな。

どこから、そんな出鱈目が?(笑)


民主党政権下でのTPP参加国から得た、ご意見というものをみてゆくと、次のようになっていた。

24年2月>>http://www.meti.go.jp/committee/summary/0003410/014_01_01.pdf


アメリカさまがそう言った、とか、確約した、なんてことはほぼデマみたいなものである。
オバマ大統領が安倍総理にそう言ったor約束した、なんていうのも、ウソ同然だろう。日米両政府からの、公式の文書として公表されたことに違いはないし、そのこと自体は事実であるけれども、書かれている内容というのは、何も最近になって判明したことでもなけりゃ、新たな約束とか言質が得られたというものでもない。

ずっと以前から、分かり切っていたことであった、というだけに過ぎにない。


審議会の資料から切り取ってみる。


・包括的で質の高い自由化へのコミットメントを交渉参加の条件として9カ国で同意しているわけではない。

・事前に除外を求めることなく、全てを交渉のテーブルにのせ、包括的自由化にコミットすることが参加の条件である。

・包括的で高いレベルの自由化へのコミットメントは交渉参加の前提条件ではないが、交渉参加国間で共有されている野心を共有することが求められる。

・包括的かつ高いレベルの自由化へのコミットメントについては具体的な判断基準はない。

・包括的かつ高いレベルの自由化の水準にコミットすることは、参加のための基準である。

・TPP交渉の広い範囲や、TPP交渉の高い水準を受容するとの基準を満たせるかに関心がある。


日本側から、「交渉参加の条件」というものがあるか、と尋ねたところ、そういうものはない、と各国が答えていたわけである。上記6項目を要約すれば、先日の日米共同声明と同じ内容になってしまう、というだけのものに過ぎない。


先日の共同文書の一部を再掲する。
日米両政府は、TPP交渉に参加する場合には、全ての物品が交渉の対象になること、及び、日本が他の交渉参加国とともに、2011年11月12日にTPP首脳によって表明された「TPPの輪郭(アウトライン)」において示された包括的で高い水準の協定を達成していくことになることを確認する。


全品目を対象(交渉テーブルにのせる)、「包括的で高い水準の協定」達成とは、TPP参加国の「共有されている野心」ということであり、交渉参加はこれにコミットすべす、ということだ。米国に聞くまでもなく、ハナから分かっていたことである。安倍総理が、訪米してオバマ大統領に直に確認するような内容でも何でもない、ということ。子供の使いパシリみたいな程度の話でしかない。



では、聖域とされるであろう、センシティブ品目についてはどうであろうか。審議会資料から再び切り取ってみる。


・センシティブ品目の扱いは合意しておらず、最終的には交渉次第である。

・全交渉参加国がセンシティブ品目を有しているが、最終的には交渉分野全体のパッケージのバランスの中で決まる。

・除外を認めるべきではないとの合意の下、交渉を進めているが、交渉の最終結果として除外があるか否かは予断できない。

・関税撤廃について特定品目を除外してもいいという合意はない。

・国内産業保護を目的とした除外を得ることは困難。

・現時点で除外を求めている国はない。

・例外なき関税撤廃を実現し、種々のセンシティビティへの対応として7年から10年の段階的撤廃により対応することが、基本的な原則としてすべての交渉参加国で合意されているが、本当にセンシティブな品目の扱いについては今後の交渉を見極める必要がある。

・センシティブ品目への配慮は段階的関税撤廃で対応すべき。

・関税割当は、過去に議論されたことはあったが、もはや議論されておらず、現在の議論の対象は関税撤廃をどれだけの時間をかけて行うかである。

・除外については議論していない。

・除外はTPPの目標と一致しない。


これらから判ることは、例外品目というのはほぼあり得ない、ということである。あるとしても、完全自由化までの「時間の長さ」が焦点となるだけであり、いずれはゼロとなるのはほぼ不可避であろう。除外を求める国もない、ということなんだし。

つまり聖域に該当するものというのは、ほぼ想定できない、ということだ。


上記の各国意見にある通り、除外品目なんかは「決まってない」(=どうなるかはこれから、ということ)けど、要するに「交渉次第である」ということだ。除外を言う国はほぼなく、高い水準の自由化という共有された目標(野心)とも合わないから、そもそもセンシティブなので聖域化してくれなんて言う国はないよ、ということになる。


先日の共同声明を再掲する。

日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに2国間貿易上の微妙な点が存在することを認識しつつ、両政府は、最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであることから、TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税撤廃をあらかじめ約束するよう求められるものではないことを確認する。


こうして見ると、日本文というのは、かねてより存在してきた政府内の行政文書の焼き直しに過ぎず、用いられる文言や言いまわしのようなものも、ほぼ踏襲済みである、ということだ。

聖域は「交渉次第」、つまり、事実上聖域なんぞ存在しない、ということである。だって、そういうことを言っている国は、どこにもないから、だ。


米国側に24年2月に日本政府側が言った内容は、次の通り。


2010 年11 月の「包括的経済連携に関する基本方針」が我が国の経済連携に関する基本的な考え方であると前置きした上で、包括的経済連携への対応について、同方針に基づき、センシティブ品目について配慮を行いつつ、すべての品目を自由化交渉の対象とし、交渉を通じて、高いレベルの経済連携を目指す旨を説明した。


日米共同声明と、特段の変化は見られない。
安倍総理の、日米首脳会談で得られた、という説明は、ペテンである。

自民党だから、安倍政権だから、そういう答えが得られたんだ、安倍総理が交渉したおかげで「聖域を獲得した」んだ、何て事実はない。全くの出鱈目である。

こんなのは詐欺同然ではないか。
霞が関文学、官僚の作文術というのは、ほぼ一緒ということだ。


いいですか、農業関係者のみなさん、JAの方々、その他TPP反対派の皆さん、これが、自民党政治であり安倍政権の正体です。これを、さも大成果のように喧伝するマスコミ、まるで戦時中の大本営発表みたいなもんですかな。
大戦果を大袈裟に書き立て、政権の手柄自慢、と。勝った、勝った、また勝った、と。アホだな。


愚かにも程がある。
日本は、まるで前進していない国なのかもしれない。


日本はマスコミも権力層も霞が関官僚も、ほぼ押さえられてしまっているので、安倍政権を止める手立てがありません。


米国の良識ある方々、良心と正義と公正を信じる方々、どうか米国議会に働きかけをお願い致します。TPAがなければ交渉できなくなります。日本の交渉参加を認めなければ、TPPでの掠奪的条約締結は阻止できうるものとなるはずです。日本参加がなければ、豪、加、墨くらいの経済規模が対象となるので、NAFTA以上の自由化インパクトは回避できるのではないかと思います(加、墨は既に多くが自由化されているので)。