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猪瀬直樹東京都知事は何故排除されたのか〜1

当初の目論見通り、遂に猪瀬知事を討つことに成功したようである。猪瀬知事は自ら辞任へと追い込まれた。これを願い、シナリオを進めてきた連中が存在したはずである。そうでなければ、猪瀬知事を失脚させるだけの、これといった理由は思い浮かばないから、だ。
一体誰なのか?
どういう目的だったのか?



余りに哀れな幕切れであった。
猪瀬知事を支持したことは過去一度もなかったけれども、彼がこういう追われ方をすることになろうとは思えなかったし、まるでメディアスクラムと呼ぶべきリンチまがいの「猪瀬の首狩り」手法に、辟易すれども賛同などできないものだった。


こうした失脚劇は、これまでにも目にしたはずだ。小沢一郎が幹事長だった時にも、同様だったであろう?
違ったのは、小沢の時には特捜が先頭に立ってマスコミと一緒にやったわけだが、猪瀬の時には「特捜は目立ち過ぎる」ということで側面支援(徳州会ルート攻め)に徹し、猪瀬を追い込ませたのはマスコミと都議団だったというだけ。

都議連中にしてみれば、これまで何らの脚光も浴びることなどなかったが、今回の件では大はしゃぎになっており、得意満面といったところだろう。最大会派の自公だけではなく野党連中にしても同じ。


猪瀬さんの当初の反応が、素人目に見ても、あまりに狼狽の極みであることが見てとれたわけで、あの震えと動揺具合を見た人は、到底猪瀬知事の話す言葉など信じることができなくなってしまった。毒に塗れた、ふてぶてしい悪人であったなら、何と言われようともポーカーフェイスを貫けたかもしれない。が、猪瀬さんは心底からの悪人なのではなく、むしろ純な偽善者であったのだ。汚れ方が、政治の世界では足りなかったのだ。そういう点において、未熟とか「アマチュア」と言えるかもしれない。もっと穢れていたなら、動ずることなく誤魔化し通せたかもしれない。


1)猪瀬さんは何故徳田家との接点を持ったのか?

これは恐らく石原慎太郎の口利きがあったものと想像する。石原慎太郎徳田虎雄の関係は、周知の事実だったから。石原が「今度、猪瀬君の面倒を宜しく頼むよ」とか紹介すれば、面会もかなうことだろう。猪瀬さんは、初めての選挙で不慣れだったはずで、とりあえず「徳田さんの所に挨拶に行ってこい、オレも昔から色々と面倒みてもらって大変世話になった人だから」となどと石原が言えば、その通りにするに決まっているもの。猪瀬さん自身にそうした人脈が存在していたものとは思われない。その通りにしてしまったら、今回のような結果を招いてしまった、ということであろう。


2)資金借入は12年11月に把握されていた

猪瀬知事に5千万円が渡った、というのは特捜部が2日後には把握していた、ということだった。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131124/trl13112412410000-n2.htm


これが問題になるということなら、もっと早くから事件化していてもおかしくはなかったろう。慎重に内偵をしていた、ということらしいが、タイミング的にどうなんだろうな、とは思う。要するに、切り札を取っておき、泳がせておいた、ということではないのか。しかも大騒ぎになる以前に返済しているわけで、マスコミに叩かれたから返した、ということでもないように思う。


3)徳田(徳州会)マネーが問題視されたのは何故か

発端は不明である。青木理氏の「トラオ」本は単行本として11年11月には発行されており、週刊ポストへの連載は同年春くらいから続いていた。これまで報道されている徳州会関連の内容というのは、本に出ていたレベルの域を殆ど出ていない。当時から選挙関連のネタは知られており、それは長年手付かずできた、ということだ。
もしもこれが特捜部ネタとして問題視されるなら、石原慎太郎あたりが真っ先にお縄となってもおかしくはないだろう。だが、エージェント石原は安全なのだよ。以前にも指摘したが。石原慎太郎は、どんなことをやったって、何を発言したって、マスコミに抹殺される心配などないのだ、ということさ。

特捜部にしたって、ASLの徳田虎雄氏を本気で起訴し有罪確定としてみたところで、警察病院で全介助の超特級の囚人をどう扱えばいいのか、どう服役させるのかという問題が発生するだけだろう。だから、収監する意味など、殆どないようなものなのだ。言葉は悪いが、徳田氏は既に「脳の牢獄」状態に置かれているようなものだ。十分に閉じ込められた状態に等しい。


だから、本気で徳田虎雄氏の身柄を取って取調べ→起訴→有罪、なんて線はハナっからあり得ないのである。残るは徳田毅氏の公選法違反容疑くらいである。話がとても小さい。


そもそもターゲットとして選ばれたのは、徳田家を直接狙ったものではなく、そこから派生している議員連中の弱味を探し出すためのものだったのではないか。
何故そう考えるかと言えば、今回の徳州会事件が表沙汰で報じられる以前に、亀井静香議員が2000万円を返還していた、ということがあるから、だ。それは12年の夏頃〜解散・衆院選の前までの時点で、だったはずだろう。

当時、野田政権であり、増税の賛否とTPP問題、原発問題で日本中が「割れそう」な状況下にあったから。当時の政権はなりふり構わず、反対派粛清のネタを調べるべく、公安や検察権力をフル稼働させたに違いない。行政権力もそうだ。喩えて言えば「銀行に対する金融庁」のような、行政権の圧力を使えるものは全部、ということだ。反対派を潰せる材料はくまなく調べられていたのではないか。


そうすると、どうやら徳州会マネー関連に警察捜査の手が密かに伸びている、ということが分かれば、火の手が上がる前に返還することも考えるはずだろう、と。亀井議員が先んじて返還していたのには、相応の理由というものがあったはず、ということだ。そして徳州会の動きなどをマークしていたからこそ、特捜は僅か2日後には猪瀬知事側にカネが渡った情報が素早くキャッチできたものと思う。副知事だった猪瀬が噛んできたことは、ただの偶然の中で知ったのでは。


もう一つ、徳州会での内紛劇というのがあったらしい。どういう経緯で着服がバレたのかは不明だが、カネの動きを追っていた警察筋からの情報が入って、金庫番が使途不明金を多額に出しているかもしれない、ということが判明したのかも。そうすると、徳田家側としては「解任」という話にもなるのであり、その結果が内紛ということになってしまったのかもしれない。徳田家には、石原との繋がりというのと同じく、何らかの情報網を持っていても不思議ではないわけだから。


(続)