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東電の需給逼迫に関する無理解

よく知らなかったのですが、関東圏では大雪だったようで、交通網なども大混乱だったみたい。


で、東電管内では停電もあったらしく、それは「原発停止で需給逼迫だ」のといったデマを拡散している連中がいたみたいです。
まあ、考えない、調べないという人たちが大勢いるのは仕方のないことかもしれません。


参考例がこちら。
http://togetter.com/li/627021?page=2


まず、いくつかの論点について、個別に見てゆくことにしましょう。


①大雪の影響

寒いことによる需要量が増大するのは事実でしょう。昨年同等日に比べて、ピーク時需要量が増加したのは、大雪と気温低下の影響ということです。しかし、停電理由については誤解が多いように思います。東電の公式発表が見つけられなかったので正確には分かりませんが、ニュースなどからすると、停電原因は「倒木」によるものと見られています。雪で電線が断線した、ということは、ちょっと考えにくいのでは。

  大雪積もる→電線に着氷→重みで断線

といったことではないということです。


木に雪が積もって、重さで枝が折れるとか木が倒れることで、近隣の電線に引っかかるなどして断線原因となったものではないかと。電線にかかる力だけで考えれば、雪の重さよりも台風などの風の影響の方が断然大きいものと思います。

需要量増加は積雪や気温低下が影響していますが、断線や停電は別問題でしょう。



②東電の予備率が低かったワケとは

需要量が事前の見通しよりも多かったことで、供給量と需要量の差である予備率が低かったことは事実でしょう。けれども、そこにはそれなりの理由というものがあったと考えられます。


直接の原因というのは、土日だったので「いくつかの火力発電所が停止していた」為である、ということかと思います。
過去の運転の仕方を見てくると、大体そういう運用が行われていたりしますので。どこの発電所が停止されていたのかは不明でしたが、供給力が減らされていたことは分かります。

今月の供給力の予定では、火力が4308万kWとなっていますが、昨日は多分3433万kWしかありませんでした。つまり、火力分だけで875万kW分が減らされていたわけで、これが入っていれば5%以下の予備率となることはなかったものと考えられます。緊急時の広域融通もある中で、それが行われた様子はなかったので、東電管内の自社火力を追加することはしなかったし、融通を緊急で要請したということも恐らくなかったものと思われます。中部電力北陸電力東北電力などにおいて、融通不可能なほどに逼迫がなかったはずなので、


大雪となる前の1月の供給力データでも探してみれば、土日祝日などにおいては停止できる火力が供給量から削減されていることが分かるはずです。


要するに、数字の中身をよく考えてみるべき、ということです。