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【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

デフレ論争とは何だったのか〜無能の証明 その1

異次元緩和が始まって、2年になろうとしている。

黒田日銀がバランスシート拡大に努めた結果、遂に300兆円規模にまで膨らんだ。当預残高も178兆円、日銀券は93兆円と空前の規模に拡大。マネタリーベースは12月末残で275兆円となっている。さすがに、この規模まで増大することは、当方でも考えてはいませんでした(笑)。


さて、これまでの金融政策の効果としては、どうだったのだろうか。
少なくとも、持続的な物価下落の流れというのは止まった。11月以降の減速はあるが、それでもプラス圏に保っている。マイナス圏での推移が当たり前だった時代とは異なり、プラス圏を維持してはきた、ということである。


http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf


さて、かつては「何も起こらない」とか「ハイパーインフレになる」「国債が暴落する」と言っていた人たちは、この状況をどのように説明してくれるのだろうか。


事実は、マネタリーベースを拡大したら物価は上昇した、ということではないかな。消費税増税の影響を除いたとしても、増税以前から物価上昇が観察されたこともあるし、プラスには作用したと理解している。
すなわち、デフレ脱却には無効ではなかった、というのが拙ブログでの見解である。


ただし、消費税増税というのが失敗だった。減速をもたらした要因としては、増税インパクトが大きかった、ということであろう。
大体、財務官僚というのは、税収をもぎとることだけを考えており、運営のバランス感覚なんか持っていないのだ。どうせ引き上げるんだから、さっさと5%でも上げろ、という分捕り思想しか持っていないのだろう。もしも一気に5%も上げていたなら、更なる大きな失速を招いたことは想像に難くない。


日銀の金融緩和の目的というのは、デフレ脱却なのだから、まずはその効果を確かめ地盤固めをやるのが先決であろう。増税は、勢いがそこそこついてから、というのが調節・運営を考える人間の発想だろう。だから、拙ブログでは以前から予告しておいたのだ。


2010年3月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/181df2a32c66b7a04527c140651037b4


(再掲)

①名目成長率が4%(とりあえず、この水準ということで)を達成したら、消費税を毎年1%ずつ引き上げ(乃至2年毎でも可)。引き上げ開始は、半年以上前に事前に予告。
最低賃金を年率1〜2%程度、毎年引き上げる。
③日銀はコアCPI(それともコアコア?とか)が2%以上を複数年連続で持続できるまで国債買入償却を現行水準のまま継続する。
④インフレ率がX%を超過しないよう、金利引き上げを考慮する(Xに入る数字は議論があるかもしれない。最近の話題はむしろ4%をキープ、というものだ。日本ではどうであろうか?)。


早すぎたのだよ、増税のタイミングが。しかも、上げ幅も大き過ぎたのだ。風呂釜もコントロールできない連中には、経済の見立てなどできない、って何遍も言ってきたでしょう?


増税を決める前の時期にも、警告したはずだ。

2012年2月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/bcfe436d4f0e157f7c9ac45675961539


増税には条件がある、って言っているのを聞かずに失速を招いたのだ。これは明らかな失敗なのだよ。しかも、十分に予想できたものだった。防ぐことのできたミスだ、ということ。何故、日本の経済運営担当者たちというのはこれほどまでに愚かでいられるのか、不思議でならない。



拙ブログを始めた2004年10月より以前には、当方は経済学なんて全く知らなかった。ましてや金融政策の論争なんてものも、知る由もなかった。ただ、ネット上でのやり取りを目にする機会があって、日銀と所謂「りふれは」たちの罵りを知ることとなったわけである。


この過程において、確信に至ったことがある。
それは、日本の経済学者と称する人々の、あまりの無能さを知った、ということである。経済学を名乗っていても、多くは理論を知らないとか、実務を考えたこともないとか、現実の経済政策について有益な考え方を持っていない、といったことである。一体、何の為の学問や知識なのであろうか。


同時に、経済評論家とかエコノミストとか、そういう周辺の肩書を有する人々の無知無能についても知る処となった。時流のネタに飛びつくだけで、政治に近い人々たちですら、満足な解決策を提示するということがなかった。

政治家たちも同様であった。策を授ける人間がダメなのだから、それも仕方のないことなのかもしれないが。財務省とか内閣府の官僚たちについても、日銀の人たちについても、やっぱり圧倒的無力であった。

マスコミはより一層無知無能であったのは言うまでもない。伝播力が強い分だけ害悪の方が大きかった。ウソを広め、間違った知識を植え付けるという、マイナス面ばかりが目立った。


日本が何故これほどの長期に渡ってデフレに苦しみ続け、経済沈没の憂き目に遭ったのかと言えば、揃いも揃って間違いを言い続ける無知無能たちにより支配されていたから、ということである。普通の庶民が悪いのではなく、政策決定の周辺にいる「高学歴の、頭のいい、高給取りの偉い人たち」が全く役に立たなかった、ということなのである。当方が何となく思い描いてきたエリート層への信頼のようなものは、全くの幻想に過ぎなかった、ということを思い知らされたのである。

そして、現実世界の事に対しては、経済学という学問の人々が日本においては殆ど役に立たないのだ、ということに驚かされた。たぶん、よく知りよく考えて、きちんとやってくれているのだろう、というような漠然とした信頼感は、完全に裏切られたのだ。
これほど無能な人々が政策決定に関わり、何となくやっているだけなんだな、と。偉そうに能書きを垂れる連中の多くも、やっぱり間違い続けてきただけなのだな、と。

ブログを書き始めたお陰で、日本国民は、こういう無知無能な連中に振り回され、苦しめられてきたのだな、という事実を知った。
これは原発事故の対応でも同じ構図だった。学者連中の多くは役に立たないこと、多分きちんとできるだろう・やっているだろう、というのは単なる幻想でしかなかったということだ。

(つづく)