怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

ユーロ危機は誰にとって好都合なのか?

ギリシャ問題なんて、1年も前からの話なのに、どうしてここまで大袈裟に取り上げられるのかが、不思議だね。

そもそも、ギリシャ1国がたとえデフォルトになったとしても、前から言っているように、大した額じゃない。

というか、日本が金出すよ、と言えば、それであっさり解決できる話だ。日本の持つ外貨準備のドルを売って、ユーロを買えばいいだけだ。そうすると、
新興国中銀でドル売り介入をした国々にも喜ばれる
ギリシャの破綻は回避できる
・ユーロ圏は小康状態に戻れる

ということで、三方得ではないですか。
日本にとっても、欧州経済がイカれて外需が急激に収縮するよりはいいし、おまけに「世界経済の新たな危機」と大仰に煽られているわけですから、それを回避した方がいいに決まっているでしょう?
世界経済を救うのですから、反対なんて出るはずもないですよ(笑)。
これの何が問題なの?
仮に、アメリカが反対しようとも、世界経済の危機なのだから、それを回避するべく行動する方がいいでしょう?

だったら、ドル売りを拒否できるはずがない。
だよな?
たとえ新興国は自国通貨を防衛する為、とかではなくて、単にドル離れを加速させただけかもしれないとしても、日本のドル売りに文句を言える筋合いなどない。

今回のゼーリック世銀総裁の言動を見ていると、どうも大袈裟。
リーマンショック以前の、ベア・スターンズをはじめとする危機の際には、今回みたいに存在感を示していなかったもの。あまり危険だ、危険だとは言ってなかった、ってこと。まあ、それ以降認識を改めたのかもしれないが、大袈裟に言い過ぎ。

これは何故かと言えば、IMFのストロスカーンが討たれたのを目の当たりにしたから、ということなんじゃないの?

http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/274685b14fb9f5a88e37b647cf1786a2

まあ普通の人間ならば、次は自分かと怖れても不思議ではないわな。IMFに米国のいうことをきかす、と。お次は、世銀が狙いか、と。で、ヒラリーをはめ込む、という噂が流れたわけだよ。ゼーリックを引きずり降ろして、クリントン長官を後釜に据えようか、とな。するとだな、嫌々ながらも協力的にならざるを得ない、と。保身のためには仕方がないよね、と。


他にもいるんだな、大袈裟なヤツが。
それは、日本のド素人財務大臣さまだよ。海外デビューで大変だったろうと思いますが、安住大臣が珍しく「リーマンショック以上の危機」なんて、妙に具体的なことを言ったわけだ。ホントか?
安住大臣なんぞに、経済なんかが分かるのか?マーケットのこととか、ソブリン債のこととか分かるのか?
そんな大臣が、何故か「今の状況は危機的だ」みたいな発言をして、それをアナウンスさせる、と。こんなド素人さんの発言を妙に有難がって報道するのもアレだけど、効果をあげようと思えば、そういうもんなのかな、と。
会議の席上でも、誰も安住大臣の発言になんて注目もしなけりゃ、フムフムなるほど、さすが専門的知識をお持ちでいらっしゃる、みたいなことってなかったでしょう?
それなのに、報道だけは日本の財務大臣発言として大袈裟に取り上げられる、と。ふーん。

ゼーリック総裁の危険水域発言とほぼ同じ効果で、危機感を煽りたい、ということなのかもね、としか見えないわけ。


最後に、IMFの声明な。
これもG20とか、EUの会議とか、そういうのとあまり違いはなくて、中身としては、別にこれといってやることは決まってない、みたいなもんだ。で、欧州の銀行は20兆円からの損失を食らう危険性がある、みたいな、煽りが少々入っていた、と。

因みに、日本の財務省のバカどもは、外為で既に倍の40兆円も為替損を出してるけどな(笑)。それに比べりゃ、御愛嬌。
ユーロ危機って、ギリシャにみんなが「つなぎ融資の金とか、出したくないんだよねー」って言ってるだけでしょう?
自転車操業の零細企業みたいなもので、少しのつなぎ融資があれば倒産せずに済むから、破綻処理になった場合よりもコストが低くすみます、みたいなことだよね。

そんな程度でいいなら、ギリシャかユーロ圏向けの「特別貸出基金」を日本が単独で積んだっていいよ。その代わり、今の市場金利なみの高金利が適用されてしまうから、利払いは大変かもしれないけれども、完全にデフォルトになるよりはいいよね?いずれ、払えるならはらってくれればいい、ということで。どうせ、ドルで無駄に持っていても、日本の損失には違いないので、貸出資金として使っていいよ。


で、20兆円の損失で済むなら、リーマンショックなんかに比べて、全然大したことないわな。08年の危機の時には、広範な債券に及んでいたし、想定された損失額は200兆円を超えていたはず。IMFの推計で、当初1兆ドル(←ちょっと訂正10/1、100億ドルだと1兆円くらいにしかならないもんね、桁が違っていました)規模とかだったが、実際には2兆ドル(←これも以下同文)を超える水準だったように記憶している。それに比べると、20兆円なんて、インパクトは10分の1に過ぎない。だからこそ、安住大臣の言った「リーマンショック以上」ということの基準というか、根拠は何かが知りたいんだよね。財務官僚に言わされただけなら、まあド素人大臣だから仕方ないのかな、と(笑)。


まあ、いずれにせよ、ドル離れを止めたい、という人にとっては、ユーロ危機というのは大変役に立つ、ということですわ。基軸通貨のライバル候補を潰すということさ。そして、ドル回帰を狙う、コレ当然では、ということ。