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【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

愚かなるTPP

物事を表面的にしか見ることのできない人間というのがいる。その典型例が、上限金利問題で「経済学に基づく主張」をしていたような人間たちだ。勿論、ACCJも入っていた(笑)。
金利は価格のようなものなのだから、「規制するのはおかしい」という理屈なのだそうだ。まあ、ある意味においては、正しい。現実世界の一面的な部分だけしか考えの及ばない人間だと、そういう意見に簡単に騙されるわけである。本当に金利の決定機構が正しく機能している場合であれば、規制など必要ないかもしれないが、実際の商売の上では戯言に過ぎない。


さて、韓国が米国とのFTAを先行締結したことで、慌てているとか羨ましがっている連中がいるようである。5年後、10年後の韓国を見てから決めてもいいのではないかと思うね。米韓FTAのお陰で、韓国国民は本当に幸せな未来が待っているだろうか?

メキシコの農業と同じ運命となることがあるのではないか?
世界規模での冷害とか干ばつとかで、大凶作となってしまった場合、本当に食糧が平等に分配されるだろうか?生産国が出荷制限を行ったりしないと言えるか?
経済学の教科書には、そうした手口や手段については書いてないぞ?(笑)
中国がレアアースの出荷を一時停止したように、相互依存は効率を高めたり経済連携を推進してくれるが、一方で「生殺与奪権」を相手に握られてしまう、ということもないわけではない、ということである。
これが食糧であった場合、生産力の急回復は極めて困難であり、一時的に我慢して凌ぐ、ということも難しいので、交渉力や主導権を握られる可能性を常に警戒しておく必要があるのだ。

さて、米韓FTAによって、オバマ大統領の弁では、米国側の輸出が110億ドル増加する、ということのようだ。これは、おおよそ韓国の米国に対する輸出超過分に相当する。米国側からの輸出を増やす先として、韓国はこの「輸入分」を人質に取られたも同然、ということになるだろう。韓国の対米貿易黒字が解消されるだけに終わる、ということだ。


愚かな連中は、米国が輸出先として望む相手国、というものがどういうものなのか、基本的に理解できないのであろう。米国製品なり、米国農産物なりを買ってくれる相手、というのは、それなりにお金を持ってないと、買えないものが少なくないのである。GEの冷蔵庫やフォードの車を買う人たちというのは、全世界中で見ても、購買層としてそう多いわけではないんじゃないか、ということだ。そこそこ金を持ってないと買えないであろうな、と。すると、所得水準がある程度の高さになっていることが必要。そうじゃないと、「米国製品を買え」と求めることが難しいからだ。

だからこそ、韓国は選ばれた。
豪州は、元々米国の輸出超過国だから、これまで以上に輸出を増やすというのが難しいかもしれない。韓国ならば、それなりに金を持っており、米国製品を購入できるだけの所得もあるはずだ。だから、米国から見て、輸入超過分を韓国側に是正してもらおう、ということだな。
だが、本当の狙いは、日本のマーケットにある。

日韓というのは、張り合うことが多々ある。経済活動だけではなく、文化面でもそうだ。スポーツもそう。
日本企業にしても、サムスンヒュンダイやLGに怯えるが如く、心理的に「慌てやすい」ということがあるのである。これを利用しない手はない、ということだ。産経新聞のような書きぶりを見ていれば、そうした心情というものが手に取るように分かる、ということだ。

ここ数日の米韓FTAに対する論調を見ていても、遅れをとったと感じているものが多い。これこそが、米国にとっての最大の狙いなのだ。日韓を競わせる、そうすると、必然的に米国に有利になるように働く、ということだ。

米国はかつての「腰ぎんちゃく日本」が使えねーな、と見れば、中国に声をかけたり、韓国を持ち上げたりと、色々と手を考えるわけである。だから、何度も言うように、在沖海兵隊は韓国に出て行ってくれ、ということだ。


更に、米国などの先進国にとって、自由貿易が本当に死活的に重要なことなのであれば、どうして他の先進国と協定が締結されていないのか、疑問に思ったりはしないのだろうか?

例えば、米英間での自由貿易協定というのは、何かあるのかな?
特別な関係、のイギリス相手でさえ、米英のEPAとか、聞いたことがないけど。英語で統一されているから、多少法規制に違いがあっても、障壁は低いということかもしれない。だとしても、関税は別な話なのであろう?
何故、米英の強力なFTAなり何なりが存在してこなかったのであろうか?


米国の貿易赤字額で見れば、韓国よりもドイツやフランスの方が多い。こうしたG7の中でさえ、米国が自由貿易協定を締結していないことの理由が全く不明だ。経済学の教えというものが、日本と欧州では異なる結果ということなのか?(笑)

独仏がTPPに参加して来ないのは、それなりの理由があるから、ということだ。実際、英仏独の参加表明だの、参加検討だのは聞いたことがない。イタリアもそうだ。カナダは昔からNAFTAがあるので、除外するとしても、何故「日本だけが」TPPに参加せねばならないと考えるのか?

つまりは、「腰ぎんちゃく争い」を繰り広げる、ということくらいしか、あまり意味はない、ということである。
そういう立場には、英仏独伊は勿論、なりたがるわけがない(笑)。
まあ、「虎の威を借りてた連中」だの、従米派の犬だのといった、売国奴くらいだ。


本当に自由貿易が何よりも大事で、世界共通の経済学の常識ということならば、G7はこぞって全員参加しない方がおかしいし、G8のロシアだって仲間に入れてくれと言ってくるはずだし、貿易黒字額の世界一の中国にとっては死活問題ということになってしまうから、参加は必然でなければならないだろう。それらの国々にとっては、経済学の教科書に書いてあることが違う、というのかもしれないが(笑)。
後から参加すると不利になる、というのなら、現時点で「参加させてくれ」と英仏独中露、等々の国々は行列でも作ってなければおかしいだろう。そういうことならば、日本も率先して参加すべき、と言えるだろう。そりゃあ、参加した方がいいでしょうな。

だが、世界中で「TPPに参加しないと孤児になる」などという妄言を言ってるのは、日本のおマヌケどもくらいなんじゃないですか?


要するに、米国さまの歓心を買いたい、寵愛を受け続けたい、みたいなことがあるだけ。
ジャイアンにとっての、スネオ的ポジションには韓国が立候補しました、ということだろう。今後、米韓同盟の強化、ということで、韓国には様々な優遇が与えられるであろう。米国さまの家来になりたい、ということなのだから、番長(米国)だって「目をかけてくれる」ということになる。

それはそれでいいんじゃないか。
何も、そのポジションに日本が戻る必要はない、ということだ。

ということで、在沖海兵隊は直ぐにでも韓国に出て行って下さい。これで万事解決じゃないか。韓国、万々歳。
09年12月>沖縄の海兵隊は韓国に置けばよい

10年12月>延坪島砲撃事件が安保理決議に回されない不思議