怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

出口なきTPP賛成論

また、チャレンジャーが現れたな。
生命保険会社の偉いシャチョさんだって。
まさか、拙ブログのフランス人称賛の「国語」記事読んで、こんにゃろ、と思ったわけでもないとは思うが(笑、偶然だ)。


http://diamond.jp/articles/-/14765


議論の仕方がおかしい、というのは、部分的に同意、だな。
推進派の挙げてる理由というのが、「開けばよくなる」とか「遅れをとる」とか、意味不明の精神論的なものばかりだったので。殆ど唯一に近いのが、「GDPの10年0.54%」という、具体的な数字、だ。
が、これも、「貨幣供給量1%減少」を改善する効果の方が、恐らく「政策効果が高い」ということには、抵抗できないであろう、という話だ。


さすが、生保会社の社長さんだけあって、「命の値段」も数字ではじき出せる、という信条なのかもしれない。まあ、交通事故の逸失利益の計算方法とか、現実問題としては、あくまで数字だからね。

しかし、何でも数字で答えが分かるなら、誰も苦労はしない。
この社長さんの論説の馬鹿げている所は、数字で解決できる、答えが分かる、ということなら、既に簡単に決着がついているだろうに、ということに考えが及ばないことである。
誰かが、正解の数字を示せばよい。正しく分かる人間が、その数字を提示できるでしょう、と言っているのだよ。

だが、推進派の挙げる数字というのは、0.54%(/10年)である。これをもって参加すべきだ、ということならば、「国語否定」「算数肯定」という社長さんの短絡思考が明らかとなる。


恐らく、出口社長ならば、答えられるのだろう。
例えば、牛肉価格が低下することで、日本での消費量が増大するとしよう。その結果、増加した牛肉生産に伴う温暖化効果は、どのくらいのコストとなるであろうか?
それとも、牛肉飼料消費量増加で、貧困国における食糧需給の悪化はどのくらいの損失を招くであろうか?
農業生産劣位国において、農業従事者が離農した場合の失業に伴うコスト増加というのは、どれくらいであろうか?それとも、自動車産業の雇用増(笑)で吸収できるのであろうか?

数字で語る、というのは、そういうことだ。
是非とも、語ってくれ、と言っているのだよ、出口社長。
算数が得意なんだろうから、きっと国語を必要とすることなく語れることであろう。

少なくとも、「反対派の意見は根拠に乏しい」、と主張する人なのであれば、賛成の根拠となる数字を、提示するべきだろうね。



今度は、国語で語ってみようか?

「この生命保険に加入すべきだ」
と保険会社の営業マンがしつこく加入を勧めた時、
「内容がよく分からないので、入りたくない」
とこちらが断っているのに、「加入を拒否する根拠に乏しい」とか言う保険会社の社長さんが世の中には存在する、ってことなのかもね。

加入すべき、という根拠を示して下さい、商品の内容をきちんと説明して下さい、と要求すると、入る方が得だ、としか言わない、みたいなもんだ。

じゃあ、数字を出すから、と営業マンが言うので、確認してみたら、こんなのだ。

・10年間の払込額よりも、受取額が0.5%多い

たったこれだけ?そんなに勧めるのに、これっぽっち?

しかも、本当に0.5%多いかどうかは、運用実績次第です、って、それは不確実な数字なんじゃないのか。予定の利率、みたいなもので、途中でいくらでも引き下げられたり、マイナス運用になったりするんだよね?
過去の運用実績を見せて、と求めても、情報がないとか答えは分からん、みたいなことを言うだけ。こんな勧め方あるか?
だったら、他の商品とかの方がよくないか?と思って、「じゃあ、いいわ、いらない」と断ると、数字で断れ、ときたもんだ。

だって、長年払い続けるわけだし、途中脱退も大損だろうから実質抜けられないわけだよね。今後、他の使い道が必要になるかもしれないから、この生命保険にそんなに資金を投入できないわ、リスクがあるもん、と断っても、根拠に乏しい、と言われると。

過去に、保険商品で酷い目にあった事例があった、だから用心しているのだ、と言っても、カナダや豪州の件はたまたまだ、韓国の件だって関係ない、と営業マンは言い張るわけだ。
「保険会社が一緒だから、怖いんだよ」というこちらの意見を、社長さんは理解できないんだそうで。算数じゃないから、認めん、と。そうですか。

そんな保険商品は、クソだろ、いらねえんだよ、って話。
勧誘してる営業マンは、ペテン師なんじゃねえのかよ、っていう、「国語」だな。

ああ、算数ではないから、ダメな議論、ですか。