怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

経済学理論バカへの挑戦状

タイトルは釣りである。

この「バカ」というのは、悪い意味ではなく、経済学の知識や理論について高度に精通・通暁している、ということを言っているものである。なので、気を悪くしないでいただきたい。


今回のTPPを巡る議論で、改めて感じたことは、経済学を無闇矢鱈と信奉している連中が、どうしてこれほど多いのか、ということである。

しかも、その信心の度合いが、ハンパじゃない(笑)。
相当堅固な自信と、疑うことを知らないという方々が専門家に多いのだ。経済学理論の頑健性はまあ、そこそこあるだろうが、そんなに言うほどの絶対的原則なのだろうか、と、当方なんかであるとやや「半信半疑」な部分は残るというのが、個人的感想である。

そこで、いくつかの疑問を述べておくことにする。
まあ、これまでにも書いてきたようなことなので、繰り返しに近いのですけれどもね。クルーグマンのようなノーベル賞級の学者だろうと、誰だろうといいので、答えを知ってる人間がいるなら、是非とも教えてもらいたいものです。


参考①>http://gendai.ismedia.jp/articles/print/1572

自由貿易のメリットは、経済学理論でかなり明確に示されていることが多い。うん、当方自身も、殆どの場合では、メリットが大きいと思っているのは同意。ただし、疑問があることはある。


問1:

A、Bの2カ国がある。AからBに小麦を恒常的に輸出しており、Bでは小麦輸入が必須であるとする。貿易の財はこれだけである。自由貿易がなかった場合よりも、小麦価格は低下するとして、AがBに輸出を継続すると、両国の為替レートはどうなってしまうだろうか?

同一通貨であると、為替による価格変動はないだろう。しかし、通貨が異なるならば、為替レートは変化するであろう。両国の他の経済活動に変化がなく、資本移動もないならば、B国の通貨は下がるのではないか?A国は、恒常的に小麦代金を受け取り続けるのだから、通貨高となるのではないか。

すると、いずれ輸入価格というのが、B国での自国生産価格を超えていってしまうのでは?需要量を減らして、価格上昇を抑制するとしても、為替レートの変化がある限り、価格上昇は止まらない、ということになるのでは。
実際に、そんなことは起こらないはずで、輸入量を減らして、自国生産を増加させる、ということになってゆくであろう。つまり、輸入するという誘因は、いずれ消えてしまう、ということになるのではないか。

価格を変動させないために、為替レートが一定となるように、A国からB国への投資を継続するといったことが可能なのだろうか?
それとも、ただ単に獲得外貨だけが貯蓄として積み上がってゆく、ということになるのだろうか?



参考②>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%94%E8%BC%83%E5%84%AA%E4%BD%8D

今度は、サービスを含む場合を考えてみよう。

問2:

A、B2カ国があり、仕事は農家と教師の2つだけだとする。
A国では、農業が優位でBに農業生産物を輸出するとしよう。で、Bでは、農家が殆どいらなくなる、ということになり、相対的に教師の仕事に就くことになるだろう。

つまり、A国からは農産物が輸出され、Bからは教師か教育サービスの輸出が行われる、ということになるであろう。教師の輸出というのが、妥当な表現かどうかがわからないが、教師が出向いていって、そこで教えた代金を受け取り、自国であるB国に送る(結果的に輸出代金を受け取る、というのと外形的には同じ)か、A国の学生たちがB国に留学して、そこで教育を受けた代金を払う、といったようなことになるだろうか。

そうすると、A国では教師が農家に転職し、B国では農家が教師に転職しなければならなくなる、ということなのだろうか?

もしそうならば、農家が教師に転職する時のコストというのは、どのように考える(計算する)のであろうか?(教師から農家のコストも同じく計算できるであろう)
まさか、単純なモデルみたいにコストがゼロである、と言い張るつもりなのだろうか?

それから、教師の教育サービスが効率化されたとして、その結果価格が変動するとか需要が増大するといったことが観察されるのであろうか?
これが、教育サービスではなく、医療サービスであったなら?

全体として、自由貿易による効果で、余った労働力はどこの市場に移ってゆくのだろう?農家か?教師か?それとも、ただの失業か?
移動先は、国境を越えた移動なのだろうか?その時のコストは?
そういうのを勘案しても、自由貿易が正しい、と主張できるか?


まあ、自由貿易は正しい、比較優位モデルは正しい、とか言う連中には、あまりに簡単すぎる問いであろうな。


finalventなんかも「タレブのブラック・スワン」なんて、全くズレた話を出すくらい(なので、すぐに答えられるはずだろう。彼の言う「モデルの洞察」が何なのか、全く理解できないけどな(笑)。
中学生でもわかる話、ということらしいから、きっと誰でも答えられることだろう。

http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/9fdd20edc629742f06edeab00b6dfca9

http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/7640553f2a96434abfc026a81f80ee8d


それと、最後におまけだが。

よく金利は需給で決まるのだから、制限するな、とか、需給曲線上で余剰分析と同じような手法で「厚生損失」を論じていた連中がいたわけだが、そういう「経済学かぶれ」の人間というのは、きっと、今のギリシャの債務問題についても、正確な答えを知っていることだろう。

ギリシャは、何故借入れできないのだろうか?
ギリシャ国債金利水準なんて、案外と大したことなよな?
消費者金融のかつての40.03%という上限金利に比べりゃ、そう大袈裟に言うほどでもないよな?29.3%と比較してもいいんだけどさ。

貸せば、破綻しない、という論理の連中が大勢いたろう?
需要があるのだから、貸すのが正しい、ということになるんじゃないのか?(笑)世界中の投資家たちは、経済学理論を知らない、とでも言うつもりなのかもしれんな。

経済学理論バカにとって、ギリシャ問題で債務を棒引きとか、そういうのが需給曲線上の金利とか何とかで、正確に説明・記述できることであろう。
是非ともお願いしたいね。

経済学理論バカが信奉する、経済学理論とやらで、ギリシャの現象を説明してみてくれや。

まさか、できない、なんてことはないんだよね?
世界中の経済学者や経済の専門家たちというのは、案外こんな簡単なことさえ理論的に説明できない、わからない、ってことなのですか?

需要がある限り、供給できない、ということはないわな。だって、無限に高い金利じゃないしね。
ギリシャ国債金利には上限が存在しないわけだから。なのに、貸せないって?ヘンですなあ。

大笑い。