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【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

玉井克哉東大教授のTPP推進論は間違い

また、玉井東大教授でした。

この人は、自分が「USTRの交渉担当官から聞いた」という、一般国民の知り得ないような情報を開示していた人でしたな。
特定の利害関係者として認められなければ、米国国会議員といえども知らされることのない交渉の中身について、どういうわけだか交渉参加国でもない日本の、しかも、TPP交渉に何らの関連も有しない一介の学者に対して、なんとなんとUSTRの交渉担当官が、交渉内容についていちいち教えてくれたんだそうですぜ。

コレな>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/ad0bfc5e37244063269f30df508d60b3


非常に珍しいこともあるもんですな。
アメリカの、USTRの交渉担当官は、どうして、こんな「玉井教授」なんぞに、4年間も秘匿しておかねばならない義務が課せられた交渉の中身について、教えてくれたんでしょうな。秘密漏洩事件でもあったか?(笑)
それとも、「使える手駒」として、工作部隊を送り込んできたのですかな?
よくわからんが、まあ、過去の話はおいておく。


今回は、こちら。

https://twitter.com/tamai1961/status/305167964687171584


甲国と乙国の間でFTAが成立し、相互に関税を撤廃した結果、甲国から乙国への特定品目の輸出が増える反面、協定非加盟の丙国から乙国への輸出が減少した場合、甲乙両国にとっては改善だが世界市場全体から見れば市場の効率性を害する、といったことがありうるとの想定です。


何とかして、TPP参加の正当性について、一般人相手に説得工作をやっている、ということなのかもしれん(笑)。

しかも、絡みがノビーと来たもんだ。この人も、関係ないからどうでもいい。

問題は、発言の中身である。


玉井教授は、一応東大教授なんですよね?
しかも、慶応のSFCとかに教えに出張したりなんかしているみたいなんですよね?授業が東大以外にしかない、というのもヘンな話なんだけど、まあいいか。

で、仮想の3カ国があって、加盟国の甲と乙、非加盟の丙、ということだね。
乙への輸出が、甲からは増えて丙からは減ると、それは世界市場全体で見ると非効率となっているのではないか、そうするとFTA締結は世界市場全体にとって非効率化の手段となるので良くないのでは、ということですかな?

ならば、FTAをやめるのが妥当、ということでは?(笑)
もしも効率性の問題だけで考えた場合、甲乙丙のいずれも関税撤廃を行わないより、甲乙2国間FTAが締結されたことで丙の貿易に歪みが生じ、結果としてFTA締結以前の甲乙丙の状態より経済厚生が悪化するなら、FTAは悪、と呼ぶよりないわけだ。

玉井教授は、これを想定している、と言っているのですよね?
そうなのかもしれない。

ならば、どうすればいいのか?
日本が乙国であった場合、どう対処するのが妥当なのだろうか?


それは、FTAそのものの加盟をやめること、ではないのか?(笑)

すなわち、加盟・非加盟国に対して差を設けない、要するに全関税撤廃として相手国を選ばずに「自由貿易」を行えばいい、というのが結論になるんじゃないですかな?


玉井教授は、本当に東大教授なのか?
ブロック経済化はよくない、というのであれば、TPPのような多国間交渉であろうとも、貿易圏のブロック化となって世界市場全体の非効率を招く、という可能性があるなら、妥当な選択ではない、ということだ。

そもそも貿易相手国を選ばずに自由化するのが最も効率的世界市場に近づくわけであり、ならば日本が単独で「明日から関税を全部撤廃します」と勝手に宣言して、相手国を選ばずに自由化するべきだろう。

「TPP参加」と言っている時点で、自由貿易推進と経済厚生や市場効率性云々と言うなら、大間違いということではないか。参加する必要性なんぞない上に、自国(日本)が関税撤廃と宣言すれば済む話である。



少し遡ると、玉井教授はこう言っている。


FTAプラス・サム。つまり加盟国すべてにとってプラス。だがそのプラスが、非加盟国にとってプラスかどうかは保障されない。というより、たいていは非加盟国にとってマイナス。そのマイナスを避けるには、自らが加盟国になるほかない。と理解してますが、誤りがあったら教えてくださいませ。

自由貿易が肯定される理由というのは、2国間モデルではどちらにもメリットがあり、厚生が改善するから、とされる点であろう。すなわちプラス・サムが達成される、ということだ。

となると、自由貿易を宣言する国にとっては、相手国がどこであろうとも、必ず「自国にはプラスにしかならない」ということだ。その必ずプラスにしかならないはずの自由貿易は、どうして先進国では圧倒的大多数において相手国を選んだ、限定的なものとなっているのだろうか?

EUは域内では自由化の程度は高いが、ブロック圏外の日本などには関税が日本よりも高いのだろう?
自由貿易がメリットしか存在せず、常に経済厚生が改善することだけしかないなら、誰もが「反対」と言うはずもなく、どの国を相手にする場合でも自由でいいに決まっている。プラス・サムしか存在しないのが「貿易自由化」なのであろう?


なのに、世界はそうなっていない。
世界中の偉い人たちや学者たちが、みんなバカだからか?(笑)
本当にメリットだけならば、自分の国だけでも完全自由化に踏み切れば済む話なのだから。相手国の対応や状況は無関係に達成できるぞ。


日本も、TPP参加などとケチなことを言わず、相手国を問わず、どこの国相手であろうとも「プラス・サム」しか存在し得ないので自由貿易宣言をすればいいだけだろう。なぜ、それを主張しないのだろうか?TPP推進論者たちに見られるのは、ほぼ同じ。TPPに参加しろ、とは言うが、世界中に向かって自由化しますと言え、とは言わないわけだ。



この玉井教授という人の脳みそは大丈夫か?

前の時もそうだったが、彼は自分が何を言っているか矛盾がないかどうかが、全く分かっていないように見える。これでも東大教授さまなんだそうだ。

甲乙丙の3カ国で言っていた話は、乙国が甲と丙の加盟・非加盟を区別するから生じた市場の非効率なのであろう?だったら、乙国が常に甲と丙に対して自由貿易としておけば済む話ではないか。効率性も加盟の有無に左右されず、乙から見れば丙との間でもプラス・サムとなるはずだろう。


となると、玉井教授が言うべきは、「TPP参加」ではなく、日本の貿易完全自由化宣言、だろう。


相手国側に関税が残っている場合であろうとも、価格はその状態で決まるわけであり、比較優位はその状態に応じて決まるはずだ(勿論、相手国側も関税撤廃が本来望ましい)。


だが、世界がどうして完全な自由貿易となっていないのか、玉井さんとやらは考えてみるとよいだろう。効率化の結果起こる問題とそこに対処する為のコストが発生する(通常は失業に伴うものであろうか)のであって、自由化のメリットとそれにより発生するコストの比較が均衡していれば、自由化は必ずしも「起こらない」ということになるのではないのかな。


いずれにせよ、玉井教授は自分の立論から導き出されるであろう意見というものが、本当は「TPP参加」ではないはずのものを、結論ありきで「TPP参加」と肯定せんが為に、適当に世界市場の効率性がどうとか加盟国のプラス・サムだとか言っているだけに過ぎない。


当方から見れば、TPP偏執狂にしか見えない。
参加すべし、なぜならメリットがあるからだ、他の選択肢はない、他国もFTA締結・TPP参加してるぞ、みたいな脅しか決めつけを言っているだけに過ぎない。


でも、そういう主張には、穴だらけ、と。
こんなんで、東大教授なんだってよ。
日本は、終わってるな。