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【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

続々・玉井克哉東大教授のTPP推進論は間違い

玉井さんのツイートは、まだ続きがあったみたい。

どうしようもないコメントが更に続いていたぞ(爆)。


https://twitter.com/tamai1961/status/308811932134174720

メディアの動向などと関係なく、またTPPの成否とも関係なく、米欧とのFTA締結は不可避だと私は思います。


なんか、宗教か何かの狂信者を見るようです。「TPP交渉参加」病でしょうか?

玉井式理論によると、米欧とのFTA締結は不可避、と。
その理由を問われて、言えない、ってよ。

笑うわ。オイオイ、これが東大、慶応SFCの教官のレベルですかな?終わってるわ。日本の大学教育の劣化は、酷いもんだな。教官がこれじゃあな。
専門が法学だそうだが、何の立論にもなっていないことが当人は気付けないらしい。


不可避の理由は、「わたしが(そう)思うからだ!」だってよ。


これまで、日本は経済活動を行い、貿易も行ってきましたが、これまで米欧とのFTAはあったか?


ない、ですね。
事実として、米欧とのFTAは存在してこなかった、ということです。
それで、日本はどうにかなったか?


じゃあ、EU(乃至ドイツ、フランス、イギリス)は米国とFTA締結があったか?

ない、ですね。
英独仏が米国とのFTAを締結することなく、EUもないわけだが、それで彼らはどうにかなったか?
TPPに入れてくれ、と列でもなしているか?


いずれも否、ですわな。
米国の貿易相手国の上位で見て、EUと中国・香港・台湾の合計が占める割合を考えたことがあるか?
玉井せんせいあたりだと、思いつかないし考えたこともないのかもしれんね。


その上位国が入っていないTPPなのに、どうして、極々僅か5%程度しかない相手国である日本がFTA相手国として重要なのか?
中国、EU以上に?
大爆笑。

別に、FTAを締結してないEUや中国は、どうにかなったわけもないし、日本だって米欧とのFTAがないままやってきたが、何かがどうにかなったということでもない。まあ、日・EUFTAの作業が進められるなら、EU側の関税率が特に工業製品において高いものが多いから、やっていった方がいいだろうね。


いずれにせよ、玉井せんせいの言うのは、何の立論にもなっていない、せいぜいが「私が思う」という主観のみ、であり、客観性のある理由を示していることなど「何一つ」ない、ということが分かるだけ。


ところで、つい先日見た報道がこれだった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130305-00000098-san-pol

薬害防止を目指し医薬品行政を監視する第三者機関を創設するため、今月下旬にも超党派議員連盟が発足することが4日、わかった。議連は今国会中の関連法案提出を目指す。薬害C型肝炎訴訟の和解に伴い厚生労働省が設置した「薬害肝炎検証委員会」が平成22年、監視機関の創設を提言していたが、民主党政権は棚上げしていた。

 議連は、自民党福岡資麿厚生労働部会長や薬害エイズ訴訟の原告だったみんなの党川田龍平参院議員らが呼びかけ人。会長は自民党尾辻秀久厚生労働相で調整している。

 薬害肝炎検証委は「最終提言」で、薬害の再発防止を目指すため国を監視するための第三者機関の創設を求めていた。監視機関は、国家行政組織法8条に基づく厚労省所管の「審議会」形式で、医薬品行政を扱う行政組織への調査権を与え、必要に応じて提言・勧告できる。

22年、当時の長妻昭厚労相は薬害肝炎全国弁護団との協議で「24年の通常国会に政府提出法案として提出できるよう制度設計を進めたい」と明言。23年7月には細川律夫、同年10月には小宮山洋子厚労相(いずれも当時)が同じ方針を示したが、法案提出に至らなかった。

 福岡氏らは今年2月から議連設立に向けて動きを開始。自民党内では同月下旬、厚労関係議員が監視機関に関する勉強会を始めた。

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この話題って、一見すると「大変よいこと」のように見せて、実は裏がありそうなものなんですよね。
国境なき医師団のTPPに関する文書でも出てきた、特許リンケージという話がある。彼らの文書から引用すると以下の通り。


特許リンケージ条項とは、薬事所管局が既存の特許権を侵害する可能性を判断し、新薬の承認を拒むことを認めるものだ。

薬事所管局は本来、薬の安全性、品質、効果の評価を行う部署である。これに特許の監督権を与えようというのだ。医薬品の許認可権に特許の審理を組み合わせる特許リンケージ条項は、ジェネリック薬の市場参入を遅らせる恐れがある攻撃的な要求だ。



上記の議連が設立を目指す監視機関というのが、こうした薬事行政に介入できるものとなった場合、参入阻止を恣意的に行えるようになりかねない、ということがある。まさにリンケージ条項と近いものなのだ。


件のC型肝炎訴訟問題の時、被害者側が出したものに「PMDAの人員強化、審査時間短縮」などが要望として入れられたはずだ。これは、偶然に入れられたものではないはずだ、ということなんだよ。連日、みのもんたが薬害肝炎、薬害肝炎ともの凄く取り上げていたことには、それなりの理由があった、ということなのだよ。アメリカ側が要求している内容と、ぴったり一致しているから、だ。


特許期間の最大5年延長が認められているのは、玉井さんの言うように85年から実施済みだが、これとは別に審査事務に関連する時間について、アメリカ側要求というのは以前からあったわけである。
日本の医薬品承認の期間については、海外医薬品は「また一から」手続及び審査が行われる為、長くなりがちということがあった。海外での臨床試験結果を代用できるとなる以前では、日本国内において新たに臨床試験をやり直さなければならず、それが「非常に面倒」であり承認期間が延長する理由となっていた側面があったのは事実だろう。


それが若干は改善されてきたものの、市場投入までの審査事務に係る期間というものが比較的長い(米国での14年以上の実質的特許期間保護に比べ、5年延長でも14年未満になってしまいがちといったことである)為に、要求としては「さっさと承認しろ」ということなわけだ。特許期間が相対的に短縮されると、ジェネリック薬が投入されてくるから、その分は「独占期間が短縮される」ということになり、儲けが減るわけだ。

(大抵の場合、経済学者とかは市場独占はよくない、と言うのに、医薬品の独占市場については文句を言わないのだろうか?このヘンは謎だ)


で、日本に(というか、厚労省に)対しては、承認期間をもっと短くしろ、PMDAを増強しろ、薬価改定の価格維持をもっとやれ、といったことを要求してくるわけだ。薬を高値で売れ、と。できるだけ長い期間、と。


ま、TPP問題のおかげで、どうして過去の「薬害エイズ」問題とか、「薬害C型肝炎」問題というのが、あんなに連日マスコミ―特にワイドショーみたいなのだ―を賑わせていたのか、ということが、ちょっとは理解できたような気がしますわ。



玉井さんの話に戻るが、日本の特許保護期間延長、なんて論点はない、みたいな話は関係ないんだよ。例によって例のごとく、また「USTRの交渉担当官から聞いた」と自慢しているみたいだが、そういう問題じゃないんだよ。どこまで不勉強なんだよって感じ(笑)。


玉井さんがやるべきは、「米欧とのFTAが不可避」ということの立論を正確に行う、ということだな。まずは、ここからだ。そんな意見でいいなら、「TPP参加は必要ない、英仏独中露はじめEUも参加してないし、私がそう思う!から」と言えば済むわな。


不可避と考える根拠は、と問われて、言えない、なんてのが通用するなら簡単だわな。論理でも何でもない、だだの思い込みとか主観的断定に過ぎない。愚かってのは、楽でいいな。


追記:

まとめが出ていたようなので、こちらで玉井大せんせいの発言をご確認下さい。

http://togetter.com/li/467147