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TPP参加の振り付け〜大企業軍の攻勢

安倍総理は、オバマ大統領と並んでの共同会見さえ拒否されたようだ。


つまりは、日本の総理なんて、ものの数には入らない、ということである。少なくとも昨年の韓国李大統領に対する最大の賛辞と厚遇に比べれば、問題外であるということだ。


とは言うものの、オバマ政権にとっての「TPPコアリション」の面々は非常に強力な「政治勢力」であることに違いはないので、日本への「TPP参加」を促す共同声明は出さざるを得なかったわけである。安倍総理の「演出」にお付き合いせざるを得なかった、ということだ。


共同声明を見ることとしよう。
以下には、日経新聞のネット記事から引用する。



 日米両政府は、TPP交渉に参加する場合には、全ての物品が交渉の対象になること、及び、日本が他の交渉参加国とともに、2011年11月12日にTPP首脳によって表明された「TPPの輪郭(アウトライン)」において示された包括的で高い水準の協定を達成していくことになることを確認する。

 日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに2国間貿易上の微妙な点が存在することを認識しつつ、両政府は、最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであることから、TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税撤廃をあらかじめ約束するよう求められるものではないことを確認する。

 両政府は、TPP参加への日本のあり得べき関心についての2国間協議を継続する。これらの協議は進展を見せているが、自動車部門や保険部門に関する残された懸案事項に対処し、その他の非関税措置に対処し、TPPの高い水準を満たすことについて作業を完了することを含め、解決すべき作業が残されている。

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内容を当方の理解でまとめると次のようなことである。

①基本原則としては、「全品目が交渉対象」かつ「TPPアウトライン」に沿うもの
②日米ともセンシティブ領域が存在する(ことを認識している)
③一方的に全関税撤廃を予め確約させるものではない
④結果は、交渉で決まる
⑤2国間協議を継続する
⑥自動車、保険分野に懸案事項に対処
⑦非関税措置に対処



まず、文言としては、日米とも国内向けの反対勢力に配慮したものとなっている。
一定の農産品とは、代表的なものが「コメ」であり、一定の工業製品とは「自動車」である。つまりは、こうしたsensitiveな分野についての「例外規定」については「将来の交渉次第」という含みを持たせた、ということである。


原則は、当然ながら①のままであり、日米以外の参加国10か国に配慮したものとなっている。基本を堅持する姿勢は崩せませんよ、と。

また、交渉参加の前提条件として「全関税撤廃を約束せよ」ということを事前に「日本に求めることはできない」ですよ、という、これも当たり前のことを言っているだけである。交渉参加を決めるのは、日本である、ということを言っているに過ぎず、交渉結果が出る前に「全関税撤廃」という約束を取り付けることを入口での条件とはしない、ということ。


交渉で決まる、という結果についても、別に新しいことは何もない。どんな場合でも、常にそう言えるだけ。逆に言うと、日本が自分勝手に「必ずや聖域は確保できる」と思いこんで参加してきた場合でも、交渉結果次第では全関税は撤廃します、ということが決められてしまうかもしれない、ということでもある。


自動車と保険分野の懸案事項というのは、両分野の企業からの厳しい意見や要求が出されているからで、それら企業へ米国政府が「配慮しました」という姿勢を見せんが為に入れられた文言である。


恐るべきは、非関税措置に対処、という部分であり、真の狙いはここにある。
日本へ米国産農産物を「輸出したい」といった、生温いものではない、ということだ。金額が余りにも小さすぎる。本当の目的は、もっともっと大きな金額の部分なのだよ。


今回の共同声明では、オバマ大統領から日本に対し、或いは安倍総理に対して「是非ともTPPに参加してくれ」という明確な要求という形が見られなかったはずであろう。


面と向かって日本に参加しろ、と求めると、それは政治的圧力と受け取られることを回避したから、であろう。また、オバマ支持層であるところの、全米自動車団体や労組などに対する気遣い、とも言えるかもしれない。

ただ、オバマ大統領は次の選挙と支援を考えずに済むので、どこの政治勢力を最も重視し優遇するかは、オバマ大統領の腹ひとつである、とも言えるかもしれない。政権基盤が大きく失われるようなことがなければ、自分の考えを優先させられることもあるだろうから。



ただ言えることは、日本がTPPに足を突っ込めば、足抜けなどできなくなることは目に見えている。
安倍を下支えする為に、「円売り、日本株買い」をやってアシストしてきた連中がいて、彼らの狙いは安倍の支持があるうちに「TPP参加」と言わせることだろう。


日本をカモにする為にわざわざ仕組んだものを、日本自ら火に飛び込みたいんだそうだ。
狂ってる。


交渉結果は、特別のステークホルダー以外、知らされることもないんだぞ。
4年間は秘匿されるんだぞ。
どうして秘密にしなければならないのか、分からんのか?


餌食にする為だろ。
カモが暴れて騒いだりするのを防ぐため、だろ。


米韓FTAの批准の大騒ぎを見なかったか?
ああいう感じで、生贄に暴れられたら困るから、だろう?
何らかの対策を立てられたりしても困るからな。


日本解体を目論む狂気の連中が、いま必死でTPP参加を推進しているのだ。


唯一の理由が、それがアメリカさまのお役に立つから、だ。


この国は、本当に終わっている。
売国連中に、全てを支配されてしまっているのだ。