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溝口善兵衛財務官の為替介入は何の為だったか

これまでにも幾度か言ってきたが、03年末〜04年初頭にかけて行われたと言われる、小泉政権下での大規模為替介入はどういうものだったと思うか?



外資の連中が日本の株式に資金投入を続けると、自動的に「円買い=円高」となってしまい、それでは購入資金がたくさん必要になってしまう、と。だが、ここで政府に介入させれば、円売りで中和されることになるから、為替変動は抑制され必要となる外貨は少なくて済むことになる(介入がない場合に比べて)。



03年12月1日〜04年1月30日まで、東証の海外投資家の買越額は1兆6520億円だった。国内勢はほぼ全部が売り越しであり、海外勢とごく少量の投信資金だけが買いを引き受けていた、という構図だったわけだ。

叩いて弱らせた日本は、外資にとって御馳走だった。
まんまと買い進まれた、ということなのさ。


さて、12月のドル円の為替はどうであったか?
12月15日には、1ドル107円60銭程度、31日でも107円程度だった。
年明けの1月5日には106円10銭程度、1月15日でもほぼ同じ水準であった。

この間に、海外勢が大きく日本株式購入などに資金投入を行い、恐らくは短期国債なんかも買っていたのかもしれない。要するに、円高要因であったはずなのだが、これを回避する為に介入が行われた、ということであろう。


日経平均は、12月10日の9910円から、30日には10676円と大きく値を上げた。海外勢が買ったから、だろうな、やっぱり。その後も上がり続け、04年の年明け1月20日には11103円となった。3月31日には、11715円となっていた。


金融ゲームで博打をやっていた外資が大きな顔をしていた期間だった。グリード連中の演出効果抜群で、日本の株式市場での大収奪作戦が展開されたわけだ。


為替投機でハゲタカファンド勢の「円高作戦」を封じた、とかいう讀賣記事なんかが04年当時にはあったわけだが(例の、黒川茂樹の書いた記事だ)、そんなもんはほぼウソと言ってよいだろう。何故なら、年末年始での動きはそう大したことがなく、2月に入って以降の初旬に付けた105円台が円の高値だった。


もしも、本当にファンド勢が恐れをなして退散するなら、買い進まれた円は大きく売られて、ドル円は巻き戻ってしまっていたはずだ。ところが、介入をやめてしまった後に、さらなる円高が進んだということは、もっと別な理由が考えられたはずだろう、ということ。


溝口財務官とやらが、一体全体どういう意図で谷垣財務大臣を動かしたのかは不明だ。
アメリカサイドからの、何らかの働きかけや要求があったものとしか考えられず、そのアメリカというものの正体も不明だし、特定金融機関とかグローバル企業群か外資系ファンド勢なのか分からないけれども、意図的に円を安くして、海外投資家たちの株買いを手助けした、ということにはなるだろう。


日本は直接投資を受け入れないから成長できないんだ、とか出鱈目を言うクズ連中の言い分通りのことが、財務省と国民の金を大量に使って実施されてしまったのだろう、ということだ。



そして、昨年末〜年初に見られた円安ドル高局面というのは、財務省の金ではなく、別の正体不明の売り手によって行われたものであるようだが、30兆円や40兆円という程度では済まないくらいの大量資金が必要だったはずだ。そんなに円を売れる人間というのは、一体どこにいるだろうか?


10円の円安を実現するには、加えて日本に数兆円規模での資金流入超となる中(円高要因に逆行しなければならない)で、どうやって50兆円規模の円売りができたのだろうか?


貿易赤字が年間数兆円出たくらいでは、とてもじゃないが、全然足りないぞ(笑)。


このカラクリを仕組んだヤツらはどこにいるのだろう?
どうやって、円売りをこれほど大量に行えたのだろう?


謎だ。