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【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

自主規制という名の敗北〜TPPで繰り返す愚

経団連をはじめとする日本企業経営者たちの愚かな行動は、全く理解不能である。

TPPで日本を差し出せと脅迫されたら、自分は助かりたい、というだけで「さあどうぞ」と首を差し出すんだそうだ。


かつては、戦う姿勢を政治家も官僚も、そして企業経営者たちも持っていた。企業群は一致団結して、「決して譲るべきではない、最後まで戦ってくれ」と政治家や官僚たちを鼓舞したものだったろう。


ところが、今やどうだ。
カブレ野郎どもが、率先して、売り渡しに加担するわけである。
従米派を強力に援護し、日本の国益ではなくアメリカさまの利益を最優先に考えて、日本人なのにアメリカさまのご意向を実現するべく行動する連中が、権力中枢に巣食っているのである。


何と愚かな国であることか。


72年の沖縄返還に伴って、かねてからの貿易摩擦問題となっていた繊維交渉は、日本側が大幅な譲歩を受け入れることで決着することとなった。

自由貿易推進」国家であるところのアメリカが日本に要求した、日米繊維協定だ。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%B1%B3%E7%B9%8A%E7%B6%AD%E4%BA%A4%E6%B8%89



笑わせる。
スミス以来の世界の常識(by 竹中平蔵)とやらは、アメリカには通じないらしい。


アメリカは、戦後ずっと日本に不当な要求を繰り返してきた。そして、今もまさに同じことをやってきているのがTPPなのだ。


沖縄返還交渉は、それ以前から続けられていたわけであるが、日本が世界第二位の経済国となった60年代終わりには、日本の輸出というものが目の敵にされていたわけである。


欧州は、途上国なんかであるはずもなく、日本よりもずっと前から先進国だったが、日本からの輸出については厳格な制限を設けていたわけである。それは今でも似ているものであり、EUへの輸出には日本よりも高い関税率が適用されている。


68年当時であると、日本の輸出先の殆どが北米市場であり、対米輸出が主力であった。中でも、最大の輸出額を誇っていたのが鉄鋼であった。
対米輸出額40億ドルのうち、8億ドルと2割を占めていた。この最大輸出品目である鉄鋼が貿易摩擦問題として取り上げられ、政治的にどうにかしろ、と要求されても政治家や通産省は簡単には折れなかったわけである。

ただ企業側としては商売に支障が出るのは困る、ということから、業界団体の自主規制という形をとり、アメリカ側が輸入制限法制定やGATT提訴をちらつかせて脅すのを未然に防ぐ、ということにしたものだ。


アメリカ側は鉄鋼以外にも輸入制限法の法案提出までは行っており、対日圧力を強めていたことは確実だった。対米輸出品として、自動車(!、産業としては未熟と思ったが、2倍以上の急激な伸びで足がかりを築きつつあった)2.2億ドル、ラジオ2.3億ドル、テレビ2億ドル、テープレコーダー1.6億ドル、と自動車や電気機器が主力であった。今と似てる気もする。


日本の対米輸出が増加していたことから、輸入制限を課すべしという論調が多くなり、ダンピング防止法が制定されるに至った。その調査と称して11件が68年時点で対象とされていたようである。


逆に対日輸出を制限すべし、という品目もあった。それは、木材である。日本は米国からの原木輸入が大幅に増加していたが、日本が輸入することで米国内での木材価格が高騰する原因になっている、と非難された。その結果として、日本への輸出数量を制限することが立法されたのである。



さて、45年後の今、何が変わったであろうか?


アメリカが『自由貿易の国』へと生まれ変わったか?(笑)


そんなのは全くのウソだ。出鱈目である。
アメリカが不公正な国のままである、ということは何ら変わってなどいない。

http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/3e06e8a884d8c22dfaa7b6ef02e0d499



マスコミがアメリカの代弁者となって、日本の政治家や官僚を攻撃する、ということも、昔も今も全く同じだ。


変わったことは何か?


それは、日本だ。

かつて、交渉で一歩も退かなかった政治家や官僚という人たちは、今では誰も残っていない、ということだ。


構造改革という名の破壊は、日本の人材や権力中枢をも壊した。
結果として、従米派たちだけが残った、ということだ。


アメリカといえども、以前ならば何でも簡単には意向を通せなかった。
だが、今は簡単だ。
要求しないことまでも、日本人の裏切り者どもが忖度して勝手に進めてくれるからだ。ご主人さまのご機嫌取りを競ってくれるようなものだからだ。


昔なら、原潜が寄港する、ということさえ、そう簡単ではなかった。
今では、オスプレイが勝手にどこでも飛び回れる。
昔なら小笠原返還ができたのだが、今では普天間基地一つすら返還されない。



狂気の国である。