怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

何のための「ASEAN+6」参加なのか

「TPP交渉への早期参加を求める国民会議」とやらの活動というものが、どういう主張なのか、気になって調べてみました。

参考までに、伊藤元重東大教授のご意見を拝見してみよう。

http://www.imf-jc.or.jp/top_img/tpp_sympokiji.pdf


ASEAN+6」へ参加するかどうかの問題は、目先の利益と損失というような小さな問題ではない。これからの日本という国が開国を前面に出すのか、それとも世界の流れから門戸を閉ざしていくのか、という日本の姿勢が問われる問題であるからだ。
ASEAN+6」反対論者は、「ASEAN+6」によって日本のGDPはどれだけ増えるのかと聞いてくる。大して増えるはずないだろうと言う(もちろんGDPは大きく増えるはずだ)。また、「ASEAN+6」で”中国”や豪州などと自由貿易協定を結ぶより、”米国”などと結んだ方が貿易拡大の利益が大きいとも言う。しかし、日本を開くかどうかというのは、そんな二、三年の利害で論じるべきではないし、ましてや米国と中国を天秤にかける問題でもない。米国との貿易拡大が重要であれば、「ASEAN+6」とは関係なく、米国との自由貿易協定にも取り組めばよいのだ。

=======


元の文を読まれた方は、「ASEAN+6」のところがTPPになっていたことは、お気づきだろう。
そして、中国と米国を入れ替えてみると、あら不思議、何らの違和感もない論説となる。拙ブログで過去に使われたことのある改変のテクニックだった(どこぞの親切な方がコメントで書いてくれたw)ので、それを実行してみた。失礼を承知で行ったことをお許し下さい。

何が言いたいかというと、伊藤東大教授の論説には、TPPでなければならない、という中身がまるでない、ということである。伊藤教授は、何らの論証も行っていないのと同じだということである。


貿易額は、TPPよりも「ASEAN+6」の方が大きい。
TPP参加国と、ASEAN+6の場合の比較で、双方に含まれる国は違いを生じないから、異なる国だけ見ればよいということになる。
仮に、カナダやメキシコが入った場合でも、日本からの輸出額、貿易総額いずれでも、

 ASEAN+3>TPP(9カ国)+加・墨

である。これに印、豪、NZが加わった+6の場合だと、差はもっと拡がる。
その上、メキシコは既に連携協定が発効しており、チリ、ペルーについては、2国間FTA/EPAが進んでいるから、TPPの枠組みに参加せずとも大勢に影響はない。違いは米国とカナダの分くらいしか生まれない、ということである。

更に、香港、台湾といった貿易額の大きい地域について加入する場合、日本はメリットがあるし、中国にとっても「統一的なルール」を適用できることに利点がある。中国にとっても受け入れやすい、ということだ。

数字の上で、TPPは劣っている、と言っているのだよ。

消費者余剰という論点も、特別な違いをもたらすものでない。これにて、TPPは敗北だな。何が言い残すことはあるかな?


どうしても、日米間の貿易交渉が必要と日本側が判断するのなら(アメリカさまは、そもそも興味ない、関心ない、ということだそうなのでw)、直接交渉を求めればよい。そこでこそ、「日本の交渉力」wの見せ場だ。
だよな?>TPP推進派の方々