怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

「市場の期待」という表記は止めるべきでは

特に、混乱を招きやすそうなのが、この「市場の期待」という語である。


経済学用語としての「期待」と異なっているので、混同を生じ易いかもしれないですね。
「インフレ期待」みたいな時の”期待”と、マーケットが期待している、というのとは違う、ということです。


市場の願望(笑)、とか、別な語を当てるように変更すべきでは。


http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPTK063786720130321


(一部引用)


<13:05> ドル/円もみあい、黒田総裁会見は緩和の具体論・臨時会合めぐる発言が焦点

 ドルは95.96円付近でもみあいが続いている。

 市場では、きょう午後6時から行われる黒田東彦日銀総裁の就任会見に注目が向かっている。三菱東京UFJ銀行・市場企画部の内田稔チーフアナリストは、資産買入基金の増額規模や購入する国債の残存年限、購入資産の種類について、具体的にどれだけ踏み込んだ発言がなされるか、臨時会合の可能性が示されるかといった点が焦点になると指摘した。

 そのうえで、ドル/円が100円方向を目指して上昇するためには「日銀の緩和策で結構なものが出てくるという期待感、ないしは実際に出てきたものが市場の期待を上回るということが(黒田総裁のもとでの最初の日銀金融政策決定会合が終わる)4月4日の段階で必要だろう。その翌日発表の米国の雇用統計で(非農業部門雇用者数の前月比増加幅が)もう一度20万人を超えるという材料がそろえば、100円というところは視野に入る」とした。

 
 内田氏は、きょうの会見で金融緩和策について具体的な示唆がなされなくても、失望感で大きくドル/円が下がる展開は見込みにくく、4月3―4日の日銀会合までは金融緩和への期待が持続するとみている。

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気持ちは判らないではありませんが、市場の期待を上回る云々、とか言われたら、そんな「日銀総裁は市場関係者たちをあっと言わせる発表を行わなければならない」、というような、トンデモない状況を待ち望んでいる、ということになってしまいますよ。


そういう、売買で金が儲けられるゲームの参加者たちが希望しているような、「こうだったら、もっと大儲けできるのにな〜」というようなことが、中央銀行総裁が「オレが総裁になったから、やっちゃうもんねー!!」みたいに実行されたら、それはヘンでしょう?

参加者が「驚いて腰を抜かしました〜」とか、サプライズにもほどがあるんじゃありませんかね?

参加者の平均的に考える政策を上回る、もっと「超ビックリ」政策をやっちゃうよん、とか、どう見ても普通じゃないでしょう?


いや、そりゃあ、驚かすだけなら、例えば「今後CPI2%まで、ドル円はペッグで150円にしまーす」とか言ったら、まあ、間違いなく腰を抜かす人が続出するかもしれんわな。或いは、100兆円分のドルを買います、とか発表したら、それもまた驚愕の発表、ということで、かなりの混乱要因になってしまいますわな。

競馬で言うなら(全然よく判らんのだが)、最強参加者で胴元であるところのJRAが、馬券のオッズと全参加者の買ってる状況を把握した状態で、自分だけ参加者の投入資金をはるかに上回る馬券を買って、配当予想やオッズなんかを大幅に変動させる、というようなものだ。胴元自身の行動が撹乱要因になってしまう、というようなことである。


だから、市場の期待、とか呼ばずに、市場参加者の「願望」といった、別な用語を当てるように記事の書き方でも統一してくれるようにお願いすべきでは。



黒田さんの就任会見があるそうですが、4月4日まで、というのも微妙だな。
日銀の新入に総裁挨拶があるはずではないかと思いますので、その時の発言は当方としては注目するんじゃないかな、と思いますね。


当初の大幅な変更というのは、そうそう急激には発揮できないんじゃなかろうかと思っています。
だって、基本的に多数決ですもん。そんな急ハンドルだったら、整合性が疑われるでしょう?

これも前に言ったんですが。

2月27日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/9b39e6c692c06b76b1c5a77d4b618edc


最初っから、そんなに飛ばしては、長丁場のマラソンなんですから、バテますって。
ペース配分というのは、大事。入りを飛ばし過ぎると、後で苦しくなるから。

あと、岩田規久男副総裁は、『今まで自由に話すのが癖なので、慎重に対応したい』と述べたそうな。

http://jp.reuters.com/article/JPbusinessmarket/idJPTYE92K02N20130321


まさか、当方の「お口にチャック」が向こうの方まで届いたわけでもありますまいが、早速のコメントに出るということはかなり「気にかけておられる」ということの裏返しであるものと思いますので、どこからかの「アドバイス」という”苦い薬”がかなり効いているものと思います。


ま、新体制の方々ですので、気合いを入れて、是非とも頑張って頂きたいと思います。