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企業経営者の業績は、やっぱりただの「運」?

全部が全部ということではないだろうけれど、よほど傑出した人物でなければ、経営者の能力でそう大きく企業業績が変わるわけではないのかもしれない。勿論、歴史に名を刻むレベルの経営者ともなれば、違うのかもしれないんだけれども。


http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MRYHDP6JTSEI01.html


8月22日(ブルームバーグ):労働経済学を専門とする米エコノミスト、マリアンヌ・バートランド氏(43)が大学院在学中に着手した研究は、最高経営責任者(CEO)の報酬に対する株主の反感を煽るきっかけとなった。
現在、シカゴ大学ブース経営大学院の教授を務めるバートランド氏はハーバード大学博士論文提出資格者として取り組んだ研究に基づき執筆した2001年の論文で、米国の石油会社のCEOの報酬について、CEOにはコントロールできない原油の国際価格の変動で企業収益が改善した際に引き上げられていたことを実証した。同氏の調査によると、この種の幸運に基づく報酬引き上げの現象は、多国籍企業では経営戦略より為替相場の変動によって業績が押し上げられた際に見られた。
機関投資家協議会(ワシントン)の調査ディレクター、グレン・デービス氏は「マリアンヌ(・バートランド氏)の研究は、企業幹部の報酬とコーポレートガバナンス企業統治)に関する従来の考え方への挑戦だった」と指摘する。

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殆どの企業においては、経営者の個人的能力により業績が大きく左右されたりするのではなく、例えばエネルギー価格とか国際紛争とか、他の偶然性のある要因によって影響される、というようなことでは。


だって、日本でも、リーマンショックのような大きな出来事があると、どんなに経営者が優秀であっても、大幅に落ち込むのは避け難いんじゃないかと思えるわけで。被害を最小限に食い止めるとか、早く立ち直れるといったことは経営陣に負うところもあるかもしれないが、業績の大部分は経営者の能力で説明できるものではなく、外部要因なのでは、という話だな。


となると、企業経営者がその成功報酬としての巨額報酬を得ることの妥当性はどうなのか、ということが疑問点として浮上する、ということになるだろう。



当方が日本の企業経営者たちに非難をぶつけた記事を書いたことがあるが、直感でも同じく単なる「ラッキー」だったんじゃないのか、というものだった。



08年10月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/852dc7c1b46fda12c0ed3669dc8c9f4d


そもそも、日本の輸出のGDP比は大体17%程度しかないのだよ。実額で約80兆円程度に過ぎない。輸入はこれよりも若干少なかったけれども、純輸出が15兆円程度の時でもGDP比ではたったの3%未満でしかない。今年は原油高の悪影響を受けたので、純輸出はほぼゼロかマイナスだ。なので、外需要因というのは、ほぼ無いだろう。所得収支の減少は影響を受けるかもしれないが、経常収支が大幅なマイナスとなるというわけでもないだろう。


日本を代表する輸出企業のバカどもは、「日本で利益なんか出ない、海外に資金を残しておけば得だ」ということで、ドルやユーロなんかの外貨で数兆円規模の資金を置いてきたんだそうだよ(笑)。それらの評価額は、多分円換算で大幅に目減りしたであろう。欲に目の眩んだ拝金亡者たちが招いた結果に過ぎない。

企業努力で利益を出してきただって?

大企業経営者が偉いから利益が出るんじゃない。経営者が本当に偉いなら、円高だろうが何だろうが利益を稼げるはずだろう(爆)あなた方が人並み外れて優秀だったから、企業利益が増えていたんじゃない。単に経済環境に「恵まれていた」からだ。それはたまたま幸運だった、ということだけだ。

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例外的な経営者が存在するにせよ、企業経営者たちが「自分の手柄」と錯覚するのもどうかと思う。
企業文化や風潮のようなものを形成するのには、それなりの影響力があるのかもしれないが、個人の能力差なんて限られているのかもしれない。相当のバカばかりが取締役に揃っているわけでもない限り、能力依存で業績が大きく変わるというほどでもないのかも。