怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

日銀の政策効果はどうなっているか

当方は、以前からバランスシートを拡張せよ、長期国債買入を増額せよ、としつこく主張してきました。日銀が現実にそうした政策を実行してくれたわけですから、時折振り返ってみる必要があると思います。当方の反省もかねて、書いてみたいと思います。


具体的には、例えばこのヘンに書いていました。


10年4月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/e2ecc6dc5c0c8ad66b3adb532341ee93

10年10月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/a3054232a8ab932d5802ef540c54df8c

09年3月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/53921c05d13b88d64294044476e0f385


日銀のバランスシートは大幅に増大し、国債保有高も倍の水準にまで増加しています。
まさしく当方が記事に書いてきたことが実行された、ということです。


さて、当預残高を増加させてもデフレ脱却効果は得られなかったじゃないか、というかつての量的緩和政策批判というのがあったわけだ。当方も、もっと国債買入を増やさなかったからだ、というような意見を持っていた。


10年3月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/dbde02567bdebbe3892934be9b6c205b


だから、当預残高に何十兆円も積んでみたって、資金需要はそうそう増大しないし、物価にだって直ぐに効くというものでもない、ということは、頭から否定してはいない。

ただ、例えば10年債指標金利が低い水準を維持する限り、借入需要には効果をもたらすはずだし、銀行が国債保有高を漸減させてゆくであろうことを予想していたわけである。


日銀の政策効果により、金融機関が国債保有高を減らして別な部分に資金を振り向けたのだとすると、それは「金融政策による効果」なのではないか、ということだ。それは事前予測に適合する。


どうして日銀が国債買入を増大させるか、といえば、銀行から国債を「引き剥がす」ということをもたらすからだ。それは今年にも書いた。


13年4月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/a4d28c16b8213b7eb0fb57fb0d2536f5

(再掲)
今後は、国債価格が反転して、金利上昇局面となってゆくことが起こらなければならないわけで、それは「銀行から国債を引き剥がす」ということでもあるわけだ。
日銀が競合して国債を買うことで、銀行は別な資金の振り向け先を探さざるを得なくなる、ということだ。当預残高の上乗せというのは、ある種の「飽和攻撃大作戦」のようなものであり、金融機関と国債の結合度を低下させ、国債買いに銀行資金が向かうのを阻害する、という機能が期待されるだろう。
だから、国債買いに資金が集まらなくなっていかないと、マネーストックの増加率があまり伸びないということになる
。』


国債をたくさん持つのではなく、銀行が他に資金を振り向けることができるように仕向けることが必要ということだ。類することは、何度も書いてきた。そして、最も重要なカギとなるのは、「賃金」である、ということも、だ。

09年1月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/362bf17fa7f3fff3a021cd547fba83f8


当方が主張してきた政策のうち、いくつかは実現されたわけであり、それについては日銀に御礼を申し上げたい。現状、成否は何とも言えないけれども、予想された結果が出てきているのであれば、それは政策効果とみてもよいのではないかと考えている。