怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

東電の資金繰り問題〜1

最近よく見るニュースは、猪瀬都知事の無担保無利息5千万円融資という、ハメられた報道であるが、これと同じようなことは他でも起こっている。ケタ違いだけどな。

東電さんの資金が底を尽くので、「1兆円ばかり用立てしてくれや」ということで銀行団に無担保で貸せ、と要求をしたんだそうです。


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE9BA04W20131211

[東京 11日 ロイター] -東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)と政府の原子力損害賠償機構が取引金融機関に対して、来年1月以降、新たに借り換えを迎える融資や追加融資について、一般担保を解除して実行するように要請していることが分かった。

福島第1原発事故の処理に国費が投入されるなかで金融機関も相応の負担をすべきとの国会の議論に配慮したかたちだ。複数の関係筋が11日、明らかにした。

主力取引銀行の三井住友銀行など金融機関は、震災前に実施していた融資を延長する際、通常の債権よりも返済が優先される一般担保付の私募債の形式に順次切り替えている。そのほか、昨年以降の新たな貸出も一般担保付としており、事故前は発行がなかった私募債残高は2013年9月末時点で8156億円に増加している。

国会などでは、私募債スキームは銀行融資優遇だとの批判が出ていた。自民、公明両党の東日本大震災復興加速化本部による原発事故支援提言にも、東京電力の経営再建をめぐり「関係者を含めた東電全体が責任を果たす」と明記しており、無担保融資に切り替えることで取引金融機関にも一定の負担を求めたい考えだ。

東電と賠償機構は主力取引行に対して、来年1月から私募債への転換をやめ無担保融資とするよう今週要請。生保や地銀など他の金融機関に対しては2015年度から無担保への切り替えを要請する方向だ。

12月下旬に実行する融資5000億円分のうち、民間銀行団が実施する約2000億円は一般担保付私募債スキームとなる見通しだ。

=======


少し前に、みずほ銀行がやたらと叩かれていたことがあったでしょう?ああいうのって、何かウラがあるのかな、とついつい気になってしまうんですよ。金融庁検査で「こってり絞ってやるぜ」という行政権力をここぞとばかりに振るう時ってのは、他の意図があるからだというのは、官僚みたいな嫌味なエリートにありがちなイジメ的手法だわな。
(喩えて言えば、増税に反対してる論者の所には税務調査が厳しく入る、といったようなことを元財務省官僚で有名な人が言ってたようなものですな)


そして、実際に過去にも使われてきた手法だったはずだろう。これはまあ憶測なので、いいか。


以前にも拙ブログ記事で書いた記憶があったのが、コレだ。
11年6月1日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/ad69e76c7d6123f539cea939e87e90e9


当時にもみずほ銀行がシステムトラブルで金融庁から大目玉を食らったんだった。で、今回も似たような展開なんだが、当時と決定的に違うのは「暴力団融資」問題という、あまり目立った失点ということでもなかったのに、どこからかほじくり返されて、頭取が国会にまで参考人招致させられてしまったわけだ。まあ、言うなれば「狙い撃ち」だわな。


そうすると、スズメたちなんかは「アレ?ひょっとして東電への”ゾンビに追い貸し”問題で、首を縦に振らなかったもんだから、痛めつけられたのかな?」なんて、痛くない腹を探る、というようなことがあるわけです。通常の審査を経ない貸出なんてできない、とか、これまで貸出の厳格審査を謳ってきた金融庁方針はどうすんの、みたいな、超「痛いところ」を衝いたりしたのかな、と。だって、無担保で1兆円貸せ、と要求するって、それはどんな暴力団ですかってな話だわ。まあ霞が関なんて、形を変えた暴力団と何ら違いがないんでしょうけどね。


当時、松永経産次官の要請で「事実上の政府債務保証」という出鱈目に応じたわけだから、その時からの”霞が関という名の暴力団”が新たな強請りをしてきても、文句も言えんわな、という話。一度付け込まれると、また、次の要求に応えざるを得なくなる、というのは、暴力団の常套手段だろう?(笑)それと同じようなもんじゃないのかね、ということだ。


そもそもは、安易に銀行団が緊急融資に応えてしまったばかりに、その後の東電処理問題というのがこじれることとなったのだ。本当に「銀行は政府の支配下にある企業ではない」と、原理原則を曲げなかったのなら、資金繰りという点で東電は破綻処理を行うよりなく、マーケットの論理というのを金科玉条に掲げるならそうすべきだったのではないのか。

それを後になってから、銀行は責任ない、政府の言いつけに従っただけ、ということで責任転嫁を行ったに過ぎない。そういう言い草を続けるなら、銀行が債権放棄なり1兆円単位の巨額無担保融資なり、またしても政府の言いつけ通りにやる、ということなんだろうよ。暴力団との腐れ縁は、そう簡単には断ち切れない、というのと何ら違わないようだな。



3条但書の論点に関しては、次の記事で述べる。