怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

続々・辺野古沖第一水域に関する防衛大臣告示は違法

続きです。
1)〜5)では、日本国政府の違法について見てきました。今度は、アメリカ合衆国の責任について、考えてみます。


6)アメリカ合衆国に責任はないのか

前項2)でも触れたが、合衆国軍隊からの「国有財産提供のご提案」さえなければ、本件手続は開始されることはなかった。「ご提案」とは表の話であって、実際には不当要求に類するものだ。宗主国であるところの、アメリカさまには逆らえない、というだけ。

日米合同委員会での承認や、協定締結がなければ、こうした事態は生じなかった。業を煮やした米国海兵隊が、無理矢理に着工の既成事実を作り出したのだ。

日米合同委員会の時点でも、協定締結時点でも、アメリカ政府の法律顧問団がきちんと検討したりすれば、本件のような国家による違法活動は避けられたはずだ。だが、合衆国政府は、そうはしなかった。
日本に不当要求を押し付け、安倍政権に邪魔立てする存在がないことをいいことに、これに便乗して国防総省の都合最優先で辺野古の工事を進めたんだろ。米軍再編の進捗状況が芳しくない、という理由だけで、だろ。


百歩譲って、日本の安倍政権と取り巻き官僚たちが無能で愚かだったので、彼らが「国有財産提供ということで制限区域を設定しましょう」とか持ちかけたものであるとしよう。刑事特別法適用で脅せばどうとでもできます、などと調子のいいことを言ってきた、と。

仮に、そうであったとしても、合衆国にも相応の責任があった、と言わざるを得ない。

米国は、常々中国なんかに偉そうに言ってきたろう?
「海洋のルールを守れ、国際法を守れ」とか。

そういうお前らは、どうなんだ?
日本国政府が設定した制限区域は、あくまで日本の国内法であると言うのかね?

違うだろう?
協定の締結なのだから、合衆国政府の責任でもあるのだよ。


日本国政府が「刑事特別法適用だ」と主張するということは、その「施設及び区域」の管理権限は合衆国政府にあるものだ。日米地位協定第三条を見てみるか?


第三条
1 合衆国は、施設及び区域内において、それらの設定、運営、警護及び管理のため必要なすべての措置を執ることができる。日本国政府は、施設及び区域の支持、警護及び管理のための合衆国軍隊の施設及び区域への出入の便を図るため、合衆国軍隊の要請があつたときは、合同委員会を通ずる両政府間の協議の上で、それらの施設及び区域に隣接し又はそれらの近傍の土地、領水及び空間において、関係法令の範囲内で必要な措置を執るものとする。合衆国も、また、合同委員会を通ずる両政府間の協議の上で前記の目的のため必要な措置を執ることができる。


日本の政府が日米地位協定「第二条第一項」に基づき、海保が即排除だ刑事特別法だと息巻くということは、当然ながらその区域は所謂治外法権としての区域であり、合衆国の管轄権が適用されるだろう。
上記第三条第一項にある通り、「合衆国は、区域内において、設定、運営、警護及び管理の為の必要なすべての措置」を執ることができる、とされているではないか。


要するに、その区域内とは合衆国内とほぼ同等であり、合衆国の法規が及んでいるのと同等なのではないのか?


では、お尋ねしよう。
合衆国では、海の通航を不当に制限して、民間人の往来や遊泳を勝手に禁じることが行われているのか?政府が一方的に宣言すれば、それが有効とされるのか?


「公共信託法理」というのがあるだろう?
合衆国においては、(河川や湖等)水上や海上の権利関係というのは、その法理に基づくのが基本的考え方なのではないのか?

政府は、あくまで国民(住民)に公共財を信託されているのであって、その管理は住民利益を損なわないように行う義務があるのだ。日米地位協定第三条を見ても分かるように、主語は合衆国であり、区域の「設定」及び「管理」は合衆国の憲法に従わざるを得ないはずだ。


少なくとも、合衆国は「公共信託法理」に反するような協定締結はできないはずだし、日本政府や防衛省官僚がどれほど愚かで無法な提案をしてこようとも、合衆国政府だけは「法令違反」を回避する義務があるはずだ。

再度、お尋ねしよう。
合衆国の管理管轄権が及ぶ辺野古沖の「第一水域」について、住民の往来や通航制限を行うのは、妥当なものか?
公共信託法理に照らして、違法性はないと言えるか?


「合衆国」には、海上の侵入制限や交通制限や遊泳禁止といった、住民の権利を大幅に制限する根拠が、本当にあると言えるか?それは、合衆国憲法違反なのではないのか?
Public waterであるはずが、どうして政府によって不当に制限されねばならないのか?


合衆国憲法に反することを、日本ではやっていい、ということか?
そうであるなら、そのように大声で主張すればいい。


我々アメリカ合衆国国民たる合衆国海兵隊は、合衆国憲法違反だろうと何だろうと、おかまいなしの暴力無法集団であり、法の支配など受けないので、問題ない、と。
そういうことか。
こういう国を、無法者国家と呼ぶに相応しいのではないのか。


海洋法条約の締約国なんかになってしまうと、米国の傍若無人な振る舞いが違法と糾弾されてしまうものなあ。国際法違反だ、条約違反だと騒がれたら、海での不法行為ができなくなってしまうから。
日本にpublic waterをpublicではないものにするよう強要する合衆国に、遵法精神などあるわけがない。ヤクザやマフィアなんぞ比じゃない、真の無法集団だ。