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【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

在日米軍に法は全く通用しないのか

これまで、長きに渡り、日本人は騙され続けてきたのである。

外務省とか防衛庁なんかの、くだらない従米派官僚たちが己の特権的地位を守らんが為に、インチキを延々と続けてきたのだ。これを支えたのが、砂川事件の判決を出したような最高裁だったわけである。


要するに、こうした大変ご立派な、学識もあるであろうはずの、最高裁裁判官とか外務省官僚とか、そういう連中によって、日本国民は騙されてきたのである。日本の法学というのは、一体全体どうなっているのだ?


当方も不勉強であった為、全然知らないことがたくさんありました。先日書いた記事でも、間違ったことを書いてしまっていました。申し訳ありません。
米軍基地というのは、まるで大使館のようなものに近くて、国内法が通じないのかなと勘違いしてきました。

http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/f36a474ff9a17d163224b3ed74488fdf



でもそれは、正しくはありませんでした。当方もやっぱり簡単にペテンに引っかかってしまっていたということです。



まず、よくある通説というか、在日米軍には日本の法律は関係ない、みたいな言い分について例示します。




昭和48年7月11日 衆院内閣委員会


運輸省航空局技術部長 答弁

○金井政府委員  私どもが外務省から聞いておりますことは、米軍に対しては、地位協定の原則に従ってすべて原則として適用除外である。地位協定特例法によって適用するものは適用すると書いてあるけれども、原則としては全部適用除外であるというふうに理解しております。


外務省アメリカ局長 答弁

○大河原(良)政府委員  地位協定の問題、私から御説明させていただきます。一般国際法上は、外国の軍隊が駐留いたします場合に、地位協定あるいはそれに類する協定に明文の規定があります場合を除いては接受国の国内法令の適用はない、こういうことになっております。したがいまして、地位協定の規定に明文があります場合には、その規定に基づいて国内法が適用になりますけれども、そうでない場合には接受国の国内法令の適用はないわけでございますが、一方、一般国際法上も外国の軍隊は接受国の国内法令を尊重するという義務を負っております。地位協定の中にも、その点を明確にするために国内法令尊重の義務をうたっている規定もあるわけでございます。


○大河原(良)政府委員  この点につきましては、私の了解しているところでは、政府は従来一貫いたしまして、ただいま私が御説明申し上げましたように、一般国際法上、地位協定並びにそれに類する協定に明文の規定がない場合には、派遣国の軍隊は接受国の国内法令の適用はない、こういうことを御説明申し上げているわけでございますが、ただし、派遣国の軍隊は国内法を全く無視してよろしいということにはならないわけでございまして、国内法を尊重する義務を負っているわけでございます。現在の国内法の地位協定の規定もまさにそういう趣旨で立てられているわけでございまして、先ほどたとえば戦車の輸送について御指摘がございましたけれども、これは、地位協定第五条の規定に基づきまして、米軍といえども交通に関しまする国内法令を順守しなければいけないという明文の規定に基づいて、ああいう措置がとられているわけでございます。



運輸省の官僚も、やっぱり外務省に騙されてしまっていたわけである。
原則として全て適用除外である、と。


外務省の大河原アメリカ局長が言う、「一般国際法上、軍隊には接受国の国内法令適用がない」というのは、一面的には正しい。それは、米軍に日本政府の指揮とか命令とか、そういった権原がないから。国際法上、他国の軍隊には領域国の法令が適用されるというものではない。だからといって、米軍は無法無敵の存在とか、米軍は日本国内でどんなことをしても違法を問われないか、というと、それは違うはずである。”占領”ですらないのだから。




それから、最高裁の考え方が反映されているのが、次の判決である。

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/258/052258_hanrei.pdf


外国国家に対する民事裁判権免除に関しては,いわゆる絶対免除主義が伝統的な国際慣習法であったが,国家の活動範囲の拡大等に伴い,国家の私法的ないし業務管理的な行為についてまで民事裁判権を免除するのは相当でないとの考えが台頭し,免除の範囲を制限しようとする諸外国の国家実行が積み重ねられてきている。しかし,このような状況下にある今日においても,【要旨】外国国家の主権的行為については,民事裁判権が免除される旨の国際慣習法の存在を引き続き肯認することができるというべきである。
本件差止請求及び損害賠償請求の対象である合衆国軍隊の航空機の横田基地における夜間離発着は,我が国に駐留する合衆国軍隊の公的活動そのものであり,その活動の目的ないし行為の性質上,主権的行為であることは明らかであって,国際慣習法上,民事裁判権が免除されるものであることに疑問の余地はない。したがって,我が国と合衆国との間でこれと異なる取決めがない限り,上告人らの差止請求及び損害賠償請求については被上告人に対して我が国の民事裁判権は及ばないところ,両国間にそのような取決めがあると認めることはできない。




国際慣習法上、民事裁判権が免除される、ということらしいです。まあ、確かにそうだ。
これについては、後で見ることとする。




1)合衆国軍隊には日本の国内法は全く無効なのか?


ここが一番の問題。結論から言えば、否、であろう、というのが拙ブログの見解である。

どうしてか?
それは、日本の従米派外務官僚とかがそう言った、というだけであり、米国政府とか、司法省や国務省がそうした見解を明らかにした、という事実を見つけ出すことができなかったから、である。日本の官僚や裁判所の言い分は、必ずしもアテにはならない。



それに、以前の国会答弁では、そういうことになっていなかった。


昭和35年6月12日 参院 日米安保条約委員会


外務省条約局長

○政府委員(高橋通敏君) ただいま御指摘の点でございますが、新条約の第六条に、アメリカ合衆国は「日本国において施設及び区域を使用することを許される。」、すなわちわれわれといたしましては施設、区域というのを米国に使用を許しておるわけでございます。すなわち施設、区域というのは、日本が米国にその軍隊の使用に供することを許可した施設並びに区域であるというふうに考えております。従いまして、これは一般に考えられますような租借地だとか、また治外法権的な地域であるというふうには考えておりません。すなわち、われわれが施設、区域を使用に供するわけでございますが、その使用に供された施設及び区域はあくまで、当然のことでありますが、わが日本の主権のもとに立つ地域でございます。従いまして、原則として日本の法令がここに施行されるわけでありますので、これは日本の法令から、全く適用から除外された租借地であるとか、また治外法権的な地域であるというふうには考えていない次第でございます。従いまして、ただここに施設、区域を使用に供しました次第でございますので、その施設、区域を運営するに必要な措置、これはとることを許しておる、こういうふうな状況にあるわけであります。
 また第六条の場合においては、「基地」という言葉を使っておりますが、これは施設、区域が戦闘作戦行動のための基地として使用されている、すなわち施設区域が戦闘作戦行動のために使用される場合、このような使用の形態というものはまさしく基地としての使用であろうと考えております。従いまして戦闘作戦行動というようなもののためにこれが使用される場合においては、特に基地としての使用ということを入れたわけでございます。



このように、日本の法令下にある施設及び区域なので、日本の法令が適用される、ということである。租借地的とか治外法権的なことにはならない、ということである。いわゆる属地主義ということになるのである。基本的には、日本の国内法が適用される、ということだ。



更に、同日の答弁から。



外務省アメリカ局長

○政府委員(森治樹君) 新協定と旧協定との間におきまして、施設における米軍の管理権の実体的な内容については相違はないわけでございます。これは第三条の合意議事録にも、米軍のとり得る措置につきましては列挙をいたしておりまして、この合意議事録につきましては、旧協定と新協定との間に差異はないわけでございます。ただ旧協定ではあたかも米軍が治外法権的な権能を有しているかの誤まった印象を与えるおそれがあるのでありまして、アメリカ軍における管理権と申しますのは無制限に認められるものではなくて、その米軍の使命達成上必要な限度において認められているのでございます。従いまして新協定ではそのニュアンスを出すために、アメリカ軍は「必要なすべての措置を執ることができる。」という実態に即するような表現といたした次第でございます。


○政府委員(森治樹君) ただいま申し上げましたように、米軍の施設内における権利については法的な実際的な差異はない。ただし施設外におきましては、先ほども申し上げましたように、従来の協定では米軍は必要のある場合に限って日本側と協議をして、第一次的にアメリカ軍が措置するという書き方になっているわけでございますが、今度の協定におきましては、日本側がまず必要な措置を法令の範囲内においてとる、そうしてアメリカも権能を有しているけれども、その権能の行使にあたっては、必要に応じてでなく、常に日本側と協議の上とらなくちゃいけないことになっております。従いまして、施設外におきましては、大いに従来と実体的な相違があるわけでございます。




アメリカ軍が治外法権的というような誤解を与えるおそれがあったので、そうではないという協定にした、と述べられているわけである。必要な限度においてのみ管理権が認められる、ということであって、それ以外は日本の国内法が適用されるのである。

また、施設および区域の範囲外においては、日本が国内法令の範囲内において措置をとるのであり、アメリカ軍は軍隊としての権能は有してはいるものの、無制限の能力が与えられているものではない。



そもそも、国際慣習法の一般原則として、軍隊だからという理由だけでどんな法令も適用されず不法行為も許容されるといった特別の法的地位が与えられている、と信ずるに足る根拠はない。


戦時国際法でいう占領であっても、占領軍は領域国の法令を尊重する義務がある。日米地位協定においても同じく、合衆国軍隊は日本の法令を尊重しなければならない義務があるのである。施設及び区域内における軍隊の行為に対しては、接受国の法令が必ずしも適用されるものではないかもしれないが、域外においては当然に制限がある。


例えば、米海軍の軍艦は、日米地位協定でいう「合衆国軍隊」ではないのか?


そんなはずはないだろう。
たとえ米海軍の軍艦であっても、軍艦内は不可侵権及び治外法権国際法上確立されていようとも、日本の港の出入りなどでは日本国内法令に従う義務があるはずだ。またカボタージュについても同じく、沿岸国の法令によるはずなのだ。無制限の自由が軍隊に与えられているわけではない、ということだ。



もしも本当に米軍に何らの制限もなく国内法が無視できるなら、特別法の制定そのものが不必要となろう。
今の辺野古埋立にしても、無条件で埋立できる権能を有するということになるぞ?

日米地位協定3条の合意事項には、そう書かれているではないのか?
浚渫や埋立ができる、ということになっているであろう?



どうして公有水面埋立法の手順を踏まなければならないか、というと、米軍には制限が課されているからだ、ということになろう。
何ら制限がない、と嘘を言っているのは、日本の外務省とか裁判官なのだ。