怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

遂にタネ切れ?TPP推進派の言い分

御用学者、おっと、それは、一体誰のことなのかって?
いやいや、そういう話ではござらん。

新たな動きが。
コレ>http://www.sankeibiz.jp/business/news/111026/bsg1110261124003-n1.htm


さあて、大物の学者を登場させましたよ、ということでしょうか。
伊藤元重東大教授
白石隆GRIPS学長
・本間正義東大教授
と、大変立派な学識経験者が官房長官に直談判に行きました、ということらしいです。そういう偉い人に面会するには、やっぱり肩書きというのが必要ということですね。
TPP推進派がかなり慌てて「スケジュールにねじこめ」ということで、ニュースにしてもらいました、と。

読売新聞の『地球を読む』のコーナーを担当している執筆陣には、伊藤教授と白石学長がおられますな。へえ〜、そうですか。本間さんは、全く知らない。
皆さん、この面子をよーく覚えておくように。

彼らの主張をうかがっても、何を賛成の根拠としているのか、全く不明ですな。
TPPに参加しないと、
「競争上不利」
「改革できない」
「このままでは先がない」
みたいなご意見ですが、どれもこれも抽象的です。比較検討が全くない。これで東大だの、GRIPS(笑)だのですかね?

例えば「改革できない」のは、TPPと何の関係もありません。

もっと笑うのが、こちら。
http://b.hatena.ne.jp/entry/agora-web.jp/archives/1396349.html

この人は、以前から間違ったことを主張(これとか、これも)していますが、今回のは
「日本のデザイナー」ならば「反対しない(ハズ)」
という、学術的でも何でもない、全く意味不明の命題を出しているようです。よく、こういうどうでもいい論点を思いつくな、と別な意味で驚きますね。
因みに、当方はデザイナーwであるはずもありませんから、反対の立場でも勿論OKですわな(笑)。

あと、「ルールを作る側に回れ」、その為にはTPP参加が必須、というような、ヘンな主張もあるようです。
本当にそう考えるなら、日本が中心となって、全く独自の別な協定を立ち上げてもいい、ということには、反対できませんが?よろしいか?
すなわち、TPPである必然性というものはない、という結論に至りますね。

例えば鳩山政権が当初「東アジア共同体」的な経済協力圏を、日中韓3カ国が中心となってASEANや豪・NZにも広げて作りましょう、というような呼びかけを行っていたように思います。アレで良かったんじゃないですか?
参加国が多い、成長著しいアジアを取り込める、ルールを作る側に回れる、ということで、TPP推進派の論点は、ほぼカバーできているではないですか。
EUみたいに通貨統合まで行わずとも、自由貿易圏として、更にはもうちょっと進んだ経済連携まで考えていたかもしれませんが、これで十分良かったんじゃありませんか?どうして、あの当時から「大賛成ー!!」という大規模推進運動が起こらなかったのでしょう?
ああ、「日本のデザイナー」とやらが誰一人として存在していなかったから、ですか。

あの構想と今のTPPとの決定的な違いとは、「米国が入っているか、否か」だ。
鳩山政権での東アジア中心の経済圏構想に対して、「米国を排除するつもりか」「中国にすり寄る気か」などと、散々反対していたのはどうしてなんでしょうかね?
ルール・メイキングが大事なんじゃないんですか?(笑)

それと、アジアでの貿易協定は、前からあって、それは順次進められてきたものがあるみたいですよ。別に、鎖国だ、国を閉じてる、世界の孤児だ、みたいな批判は、それこそ根拠のない「おばけ」だわ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%94%B1%E8%B2%BF%E6%98%93%E5%8D%94%E5%AE%9A

日本・ASEAN包括的経済連携協定
  日・ベトナム経済連携協定
  日・ブルネイ経済連携協定
  日・インドネシア経済連携協定
  日・タイ経済連携協定
  日・フィリピン経済連携協定
  日・マレーシア経済連携協定
  日・シンガポール経済連携協定
○日・メキシコ経済連携協定
○日・豪経済連携協定
○日・印経済連携協定
○日・スイス経済連携協定
○日・チリ経済連携協定
○日・ペルー経済連携協定

というのが既にあるか、考えられてきた、ということでは。
発効前のものもあるかもしれませんが、別にTPPじゃなけりゃ、鎖国だなんて話にはならないわけで。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%83%BBASEAN%E5%8C%85%E6%8B%AC%E7%9A%84%E7%B5%8C%E6%B8%88%E9%80%A3%E6%90%BA

TPPの論点として、アジアの成長云々なんて話は、だいたいが誇張やデマの類かもね。
日本にとっても、アジア諸国にとっても、互いに無理なき範囲で、交渉できる余地はいくらでもある。日本が閉じた国だって?冗談はよせよ。出鱈目言うんじゃないよ。自民党政権下で話は進められていたわけで、今に始まったことではない、というのは確かだわ。しかも、それなりの成果というのが、現時点でも実を結んでいる、ということになる。


結局、アメリカが入ってるか否か、という所に行き着くわけで。FTAAPというのも、あくまで「候補の一つ」としてあるかもね、というだけ。

経団連界隈では、どうしても「アメリカの手下」じゃなけりゃイヤだ、という人たちが大勢いるのかもしれませんがね。経団連ACCJの共同声明の手前、これを推進という執着があるのかも。
http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/f2ed509e550f28fffa9d5d5e8ce3da73



話は飛ぶが。
前にも言ったけど、ペテン師の論法というのは、とても面白いね。
肩書きの偉い人だろうと何だろうと、やる気になれば、ペテン師まがいのことが簡単にできてしまう、という見本は、どこでも観察できるということですな。



追記です:

元通産官僚らしい論者の説ですが、これも参加の根拠というものが、不明確のままですな。

http://b.hatena.ne.jp/entry/agora-web.jp/archives/1395814.html

今まで関心を払ってこなかったお前らが悪い、と言われりゃ、そうりゃあ、情報集めの悪い国民で申し訳ありませんね、無知無能を後悔しているところです、としか言いようがないわな。

だが、この人みたいに通商政策を2000年くらいまで20年も専門にやってきた官僚なんかと同じに、通商や貿易関係の知識なんか、一般国民にあるわけないじゃん、と言っておきますわ。

この論者は「オレは94年のボゴール宣言から知っていたけどねー」ということを自慢したいのかもしれませんが、それの延長線上にTPPが必ずしもあるわけではないですな。

貿易圏についても、母体がAPECである必然性はなく、日本がどの集団で経済連携を拡げるかは、「日本の国益、立場」が政策決定の要点となる。

この論者の出した「FTAAP」が必須ではないし、FTAEPAは必ずしも同一ではない。どの条件を組み込むかは、これも日本と相手国の状況による。ま、この論者が目指したい、というのは否定しませんが、日本国民がそれを受け入れるいわれはない。あくまで、この人の個人的主義主張というだけである。