怒りのブログ別館

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安倍総理靖国参拝の余波

一応、各国の反応などが出揃ってきたようです。


在日米国大使館の声明から、今度は米国の国務省見解としても「失望」と報じられていました。


昨日、アメリカにお伺いを立てているに違いない、ということを書いたわけですが、やはりそうだったようです。


http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000018674.html


安倍総理大臣の靖国参拝を政府が直前にアメリカ側に通告していたことが分かりました。アメリカは控えるよう求めていましたが、参拝を強行したことに対し、「失望した」とする異例の声明を発表しました。7年前の小泉元総理大臣の参拝に対して、当時のブッシュ政権は「口出ししない」としていました。この違いの背景には何があるのでしょうか。

 (新堀仁子記者報告)
 小泉元総理の時との大きな違いは、ブッシュ前大統領との関係です。2人の間には個人的な関係がすでにありました。2人は靖国問題についても直接話せるような間柄で、小泉元総理は自分で説明し、ブッシュ大統領もそれ以上は何も言わないという関係でした。しかし、安倍総理はまだ今、信頼関係を作り上げようとしているところです。もう一つは、現実主義のオバマ政権にとって、中国が今、アメリカ経済の回復に欠かせない大事な国になっているということです。第二、第三の経済大国、日中が争って経済を悪化させてほしくないという強い思いがあります。そうしたことから、今回はアメリカのメディアの論調も一様に厳しいものです。「アメリカとの関係にダメージを与える恐れがあり、安倍総理が経済再生をおろそかにして国粋主義的な課題へ重点を移しているのではという懸念をもたらしている」などと伝えています。1年前に安倍政権が発足した時に持っていたアメリカの懸念を1年かけて払しょくしたはずが、また振り出しに戻ってしまった形です。

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この記事から判ることは、「アメリカは止めたんだ」という安倍政権との共犯関係ではない、ということなどではありません。


事前に示し合わせておくなら、日本が強行、けどアメリカは止めた、ということで、役割分担ができるからです。その程度の芝居ならば、これまでにも色々と行われていても不思議ではありませんので。


そうではなく、安倍総理の行動として、仮に「こうしたい」ということがあっても、「事前通告しなければできない間柄になっている」ということが確定的となった、ということです。


こんな靖国参拝レベルのことですら、アメリカさまのご判断を仰がねばダメなんだ、ということですよ(笑)。どんだけ支配されているんだ、という話ですな。よくある、「箸の上げ下げ」まで顔色を窺わねば実行できない、行動できない、それが日米関係の姿である、ということです。


つまるところ、御主人さまであるアメリカに「こうしてもいいですか」と許可を求めなければ、日本は何一つ独自にはできない、という意味ですわ。


参拝するかしないか、という程度であってでさえ、許可をもらわないと「何一つ日本で決定できない」ということなんだわ。それが確実に判明した、ということですので、他の重要事項については推して知るべし、ということだ。


さて、今回の米国側の「失望」表明には、いくつかの見方ができるかもしれない。


一つには、安倍政権の支持基盤及び背後にあるものというのは何か、ということだが、オバマ政権とは距離のある「アメリカ勢力」ということである可能性、ということだ。具体的には、ポストオバマすなわち次のオバマ後大統領・政治勢力の存在を匂わせるもの、ということ。その勢力とは、具体的にはTPP積極推進勢力であり、軍事企業関連、グローバル多国籍企業国防総省ないしマリーン寄り(擁護)勢力、共和党or南部中心勢力、といったことがあるかもしれない。安倍総理が訪米した時に会った人々や立ち寄った場所や講演した場所などから考えると、どういう「お友達」なのかは察しがつくのではないかな。


安倍総理・政権がオバマ大統領の不興を買ってまでやり遂げたいと考えるとすれば、「自分のケツ=政権基盤そのもの」の利益に直結するから、ということであり、それがオバマ政権中枢部とは別の存在の可能性が高いと考えられる。


まさか、安倍政権を支えるのが、日本のウヨとか遺族会のような勢力であると本気で考えている人は極めて少ないであろう。ネトウヨ連中がどんなに過激に騒ごうとも、彼らは所詮マイノリティーであり、圧倒的少数派に過ぎない。また、靖国参拝を願う勢力であっても―よく言われるのが日本遺族会などであるが―、人数はかなり少ない(多くは高齢で死亡してきたからだ)し、戦没者遺族は必ずしも靖国肯定派でもないからである。

そうした、非常に少数派でしかない人々の願いを聞き入れて、靖国参拝を実行するほどに安倍総理
官邸等政権中枢も愚かではないだろう。そこまでバカなら、これまでにも大きな失敗をしてきたはずではないか。これはあくまで計算による、というのは疑う余地は少ないだろう。


もう一つには、やっぱりオバマ政権・米政府からの指示に従ったまで、という、ベタな「プロレスごっこ」という見方であろう。安倍政権が主体的に動けるほどの存在でない、というのが、元々の見方なのだから。無下に扱われるのが慣れっこになっている安倍総理にとっては、決して逆らえない相手ということであると、「米政府が止めたにも関わらず制止を振り切ってまで参拝」などという無謀なことをするとも思えないからである。


シナリオ通り、ということであると、まあ普通の反応だろうな、とは思う。



分かることは、どちらの場合(オバマ政権と別勢力の支配下オバマ政権との協調で小芝居)であっても、日本は隷属ということである。参拝していいですか、という程度に、言いつけを守らされている存在である、ということ。


答えは、どっちにしても「逆らえない」。
そして、日本の自立、独立自尊など、到底夢のまた夢である、ということだな。