怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

法も経済学も知らぬ者〜1

日本というのは、本当に不思議な国である。
間違ったことを公言し続けても、恥でも何でもないらしい。そういう人間が蔓延っていても、誰にも止められないのだ。



http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40032?page=2



池田や安念中大教授や諸葛東大特任教授は、『使用前検査』なんて知らなかったのではないのかね?そんなこと、全く言ってなかったろう?(笑)


続々・原子力規制委員会に関する池田信夫の無知〜+諸葛宗男&澤田哲夫編


拙ブログ記事で何度も書いて、教えて差し上げたんでしたよね?(笑)



設置許可をやり直している、と主張していた人間であれば、発電と審査が同時でいい、という意見は矛盾としか思われない。
設置許可のやり直しとは、旧来の許可が失効しており、新規に許可を得るものというのが一般的であろう。以前に例示した公益法人のような場合である。以前の許認可が無効なら、新規設置許可が出ない限り、原発稼働と発電はまさしく「無免許運転」状態となってしまうのではないのか?(笑)


原子力規制委員会に関する池田信夫の無知


この点を攻めても間違っていたので、残された唯一の手掛かりが「法の不遡及原則」というものだろう。

続・原子力規制委員会に関する池田信夫の無知


しかし、これについても、不当な主張を繰り返しているのみである。何度も言ったのに、まだ分からないらしい。


また例で考えてみよう。
昨日頃、カネミ油症訴訟で除斥期間経過で敗訴となっていた、という報道があった。これも何十年にも及ぶ法廷闘争が断続的に続けられてきたわけである。PCBによる汚染や被害というのは、60年代や70年代には解決が困難であったのだ。
PCBの製造会社もあったし、この成分の含有製品を製造している会社も当然多数存在していたはずである。しかし、健康被害が拡大するという知見が得られて以降には、使用禁止へと法規制が行われたわけである。

池田式の論法で言えば、「PCB製造工場を作った時には違法ではなかったのに、後になって規制でPCBが製造できなくなった、どうしてくれる!!」ということらしい。不遡及原則に反する、だから政府が規制するなら賠償せよ、と。


或いは、アスベスト規制でも似ているだろう。
紀元前より使用実績があり、石綿の原料採掘も昔から長年行ってきたのに、使用を禁止するのは何事か、と。製造工場を作ったり輸入して在庫にしていた時には使えたのだから、政府規制で使えなくなった分を賠償しろ、と。後になってからの法規制は憲法違反だ、と。


なるほど。
そういう意見があるのかもしれない。池田は以前から、そればかりを言っていたわけだから。



ばかばかしい。

石綿の法規制のせいで、前は生産できていたものができなくなったのは違法である、違憲立法だ、という主張は、まともな人間が表明する意見とは思われない。


科学技術の進歩、といった視点が皆無である。法は永久不滅の真理などではない。時代により、解釈も変われば運用も変わるかもしれない。社会の変化に応じて、適用も法理も変わるものであるはずだろう。
しかし、論難することを目的としている人間にとっては、ただ単に「攻めることができる点」ということをもって、不遡及原則に反すると言い募っているだけなのである。


新規の知見は、科学技術の進歩によって新たに加わるものである。法と云えども、判断の基礎をなす新たな知見は無視することはできない。過失とか責任という点について検討する場合において、知見に乏しい時代とより詳しく分かっている時代では判断が異なることもあり得る。


そういう視点を欠いたままで、不遡及原則に反する、などという主張は笑止千万である。心底違憲立法であると信じる者であるなら、石綿を食うなり自宅コンロで使うなりしてみてはどうか。
有史以来、使用実績のある石綿であるのだから、最新知見など無視して、自ら使い続けてみればよいのである。法の遡及を自らを通じて阻止すればいい。何なら、カネミ油を食えばいいのだ。
いずれも「以前には違法ではなかった」んだぞ?
それくらい出来て当然だろう?(笑)


(つづく)