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【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

白川Qちゃんの反論?

どうやら、白川日銀総裁もカチンと来たらしい。ブチッと何か(例えば堪忍袋の緒)が切れるような音がしたかどうかは定かではない。

日銀総裁、中銀が国債引き受けないのは「国の形」と副作用を警戒 | Reuters

記事から主な主張を拾ってみよう。

①日銀の国債引き受けという想定できるリスクをあえてとるべきだという議論があるのはおかしい
中央銀行国債を引き受けないのは「国の形」であり「ルール」
円高だから日銀はもっと緩和すべきという声があるが、日銀は機械的為替相場に対応しているわけではない
④マネタリーベースの増やし方は先進国で最大
⑤これだけ金融緩和をしても経済が成長していかないことの方が問題
⑥人口減少と高齢化の中で成長力をどう高めるかが課題
⑦日銀の金融政策について、日銀のPRが下手
⑧手探りで追加緩和を模索してきた中でフロントランナーとなっている
⑨日銀が採用した政策はすべて米連邦準備理事会(FRB)が採用している、同じような問題を抱えると中央銀行として同じような思考を経て同じような結論になってくる


ざっと、このようなことのようである。少し疑問や反論などを挙げてみたい。

①に関して:
引受のリスクがあるとして、そのコストと現状のようなデフレ継続及び震災復興の遅れ等のコスト比較で、後者の解消の方が利益が大きいと判断されるなら、少なくとも「おかしい」という議論にはならないはず。

②に関して:
「国の形」とか「ルール」といったものが具体的に何を示すのか定かではないが、代表的な先進国とか金融の発達した国家の「常識」といったようなことなのであろうな、と予想。ただ、思い上がりというか、越権行為的な部分があるのはないかと思わせる。中央銀行は、国会や民主主義の手続をコントロールしたり抑制したりする権限はない。中銀総裁は独裁者気取りか、という話だ。日銀の独善的な姿勢というものが、日本の政治過程を大きく狂わせた。
天皇という存在を絶対不可侵なものとして利用した旧陸軍のエリートたちと何ら違いがない。「通貨」や「ルール」といった虚像を不可侵のものとして利用しているのと同じだ、ということである。ルールを作るのは、日銀の役割ではない。国会の権限である。国の形を決めるのも、日銀の仕事でない。国民の選択である。

③に関して:
「日銀は機械的為替相場に対応しているわけではない」という意見は、「円高なので緩和すべき」の否定になっていない。為替相場に連動しろ、と日銀に求めている意見は見かけない。「日銀の緩和が不十分なので円高を招いている」という意見を否定できるなら、それを示せばいいだけ。円高の一因を作っているのが日銀だ(=緩和が不十分)、ということから、緩和せよ、と求められているのであって、その根本部分には何ら答えてはいない。

④に関して:
どういう基準でそういう主張をしているのか明らかではないが、水分補給を例で考えると分かりやすい。元々200mlの水を与えていて、熱中症予防の為に300mlに増量、という場合、水の供給は1.5倍に増加した、ということになる。
これが、元が以上に少なすぎて、30mlしか与えていなかったものを、150mlと「5倍も供給している!だから、オレは正しい」とか言われても、他は300mlなのに、こっちは150mlと半分しかないことに変わりはない。普通であれば、本来は300mlの供給をすべき所、150mlしか供給していなければ、それは「少なすぎる」と言うに決まっている。
「他よりも大きく増やしている」とか「最大の増加率」という場合には、基準となるスタート時点の数値の妥当性というのは見えにくい、ということだ。元が間違っていれば、増加率を比べても意味がないこともある、ということである。圧倒的に足りないものは、やっぱり足りない、というごく当たり前の結論に落ち着く。

どうすれば、日本はデフレを脱却できるか?〜その3(追加あり)

⑤に関して:
成長していかない「おまいらに問題」がある、ってお説教が炸裂。しかし、日本以下の実質成長率しかない国であっても、デフレにはなっていない。己の失敗や未熟さを人のせいにするんじゃない、という話である。

⑥に関して:
構造問題を持ち出すのが常套手段だが、人口減少がデフレの主因である、という結論を出してから言え、という話である。だとすると、金融政策には無関係にデフレになってしまうから、ヨソの国でも必然的にそうなるだろう、という話。

⑦に関して:
日銀のPRがヘタ、というのは同意(笑)。例えば、「良いデフレ論」はどこから来たか 、というようなのがあったので、確かに責められ易いというのはあるかもな、と。

⑧と⑨に関して:
これは以前から自慢していたので、聞き飽きたわ。


以上、ざっと書いてみました。