怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

「財政破綻」という洗脳

よくマスコミなどで語られている、ありがちな論点だろうと思いますので、記事で取り上げてみました。

コメントされた方は悪気はないと思うのですが、何かの受け売りとかではなく、まずじっくりと考えてみることをお勧めしたいと思います。


http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/d76ad604c0c09eebeb0c1c6a2a43e2a1

(再掲)

JGBが最高信用度の国債と言っても、それは現時点での評価であって日本政府に増税の意思なしという評価をマーケットが下した時点でJGBの格下げがなされることは間違いないと思います。生保などはソルベンシーマージンを保つためにも格下げされた債券を大量に保有することはできないのではないでしょうか?
対外純資産が云々と言っても結局はJGBの評価はマーケットが決めるのです。そしてそのマーケットは日本に増税を求めて少しでも債務を減らすことを望んでいる。できない場合は格下げがなされる。現にJGBの格下げはどんどん下がっているじゃないですか。そうなれば少なくとも海外の金融機関はJGBを買い控えるでしょう。国内でJGBが消化されているうちはいいですが、債務が1500兆を越えたら国内だけでは消化しきれません。しかし海外はJGBを買わない。なぜなら投資適格外だから。そうなった場合、日本政府はデフォルトするか借り換えによる自転車操業するかしか選択肢がないのでは?そんな国の通貨は誰も欲しがらないでしょうから円が暴落する可能性だってあります。そうしたらインフレが生じます。国内経済はめちゃめちゃになるかもしれません。こういった事態が想定されるため、日本政府は少なくとも増税の意思をマーケットに示す必要があるのだと思います。

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最も端的に顕れているのが、次の文言です。
「JGBの評価はマーケットが決める」

おっしゃる通りですね。これは、国債価格(金利)はマーケットの評価による結果だ、ということです。今の10年債指標金利は、1%割れですね。それが、マーケットの評価である、ということです。これは、私が決めたことでもなく、財務省や東大教授などの学者(笑)が決めたものでもない、マーケットの評価である、ということです。


マーケットの評価で決まる、と言うのであれば、こうした「現実」をお認めになって受け入れて頂ければよいと思うのですが、何故か現実の価格というものを無視するかのような発言が多く見られるわけです。
それは、価格は不当、とか、正しい評価を表していない、とか、はたまたマーケットは間違う・正しくない、とか、そういう主張をなさりたいのですか、とさえ思えるわけです。


日本国債は度重なる格付けの引き下げを受けました。つい先日にもフィッチのレーティングが9年ぶりくらいで下げられたとか報道されていましたね。そうであってでさえ、米国・英国などのトリプルA債券より金利が低い=価格が高い、というのが「事実」である、ということです。それは、マーケットが決めた結果ですよ。


格付けが度々引き下げられたのに、国債価格は高い、ということでよろしいでしょうか。
マーケットがみんな馬鹿なので、間違って買っている、という主張でもするなら、ジャンク債をわざわざ高値で買い込んでいる、バカだな〜、となってしまいますよ。マーケットが決める、と最初に宣言していたこととの整合性はどうなんでしょうか。


次に、「マーケットが増税を望んでいる」というのは、どういうことでしょう?
金を貸した銀行が、債務者に「毎日100円玉預金をしろ」とかいちいち口出しする、みたいなものでしょうか?(笑)
マーケットの論理に従えば、増税するかどうかなんてのは、大きなお世話では。
コイツは金を返せないのではないか、と疑うなら、事前に「高い金利を設定しておく」か「貸さない(債券を買わない)」ということにするだけでは。

増税金利を抑制する、ということなら、それはそれで意味があるかと思いますが、心配なら買わなければいいのだし、今持ってる人たちは即座に売ればいいだけです。大量保有している金融機関などでは、そう簡単に売り切れない、ということもあるかと思いますが、新規購入を止めれば、年間100兆円以上のロールオーバーが行われている現状ですから、早晩金利上昇が観察されるはずでは。

でも、心配だ心配だ増税しろと言っているのに、新たに買ってるんじゃないですか?そうじゃないと消化できませんもの。そんなに増税とマーケットが望むなら、「増税するまで買わないぞ」ということにすればいいだけでは(笑)。それをできないのが、本当に不思議ですな。マーケットの皆さんがバカだから、でしょうか?違うと思いますけど。


更に、マーケットが債券を買うのは、それが「儲かるから」ではないですか?利益があるから買うのであって、日本の財政を支援したい、とか、日本国民を助けたい、といったことではないんじゃないですかねえ。儲からないなら、買わなければいいのだし、買い手が減れば金利上昇に繋がるはずですから、そうすると新規発行にも歯止めがかかる、という経済の調節機能が働くんじゃないでしょうか。

もっと言うと、増税を拒否すると、
  格付けが下がり→金利が上昇し→破綻する
と本気で信じているなら、空売りだろうと何だろうと、儲かる方法を取ればいいだけですよね?マーケットとは、そういうものでしょう?


でも、多くは儲からなかった、というのが事実では?(笑)
金利が急上昇するどころか、永きデフレの深みに嵌り込んで、金利上昇やインフレ率上昇には全然至らなかった、ということですよ。これまでにも仕掛けてきたヘッジファンド等は、ほぼ敗退した、ということですね。格付けや情報操作など、あの手この手を組み合わせてやってきたけれども、現実には破綻するどころかより買い進まれる始末。
で、ゼロ金利に張り付いたままになってしまって、はや10年超。


それと、格付けが下げ続けられてきたのに、海外勢の日本国債保有残高は増加してきたんじゃありませんか?現実の数字を見たことはないのですか?
保有比率でも若干高まっていたりしますし、実際の残高でも大幅に増加したのですよ。格付けがこれだけ下げられ、発行残高も大きく増加しているにも関わらず、です。海外が買い控えだの、買わないだのというのは、これまでの事実に反しています。
今後は、どうなるか判りませんよ、勿論。しかし、海外勢が買わなくなったからといって、急に何かがどうなるというものでもないでしょう。
格付け最上級の米国債英国債だと、海外勢の購入比率がかなり高く、国内資金だけでは「消化が難しい」ということはありますが、日本だとまだそこまで行ってないでしょう。


円が暴落する、とか、インフレになる、というのは、絶対にないとは言い切れませんが(原発事故と同じです)、可能性は極めて低いでしょう。
円が猛烈に売られたとすると、日本の主要企業である輸出企業は、大きく得をするし、競争力が回復して有利になります。また、海外からの収益である所得収支が相対的に増大するので、これも有利に働きます。これまでの海外投資資産は、評価額が2倍とかになれば、かなり儲かった感じではありませんか?
普通の人は、よその企業に貸してるお金が200万円あって、銀行から「貸した100万円を返せ」と詰め寄られたら、どうすると思いますか?よその企業から資金を引き揚げて(一部又は全部)、借金を返済するんじゃありませんか?
対外純資産が超過している、というのは、そういうことです。
しかも外貨建てになっているから、円安になればなるほど「価値が相対的に高くなる」ということなのですよ。200万円貸していたと思っていたお金は、円安になって2倍になると400万円になるわけで、300万円を貸したまま100万円だけ返済したとしても、やっぱり300万円の貸出超過になっているわけですよ。

明日、1ドル150円になったとすると、日本経済は破滅すると思いますか?(笑)
高々、98年頃にあった水準ですよ?
確か02年頃でも130円近辺だったりしましたが、何も起きてなかったですよ?


暴落、と言う水準がどの程度を指すのか分かりかねますが、大袈裟すぎではないかとしか思えませんね。一時的な急激な変化というのは、不安定になることは確かですが、そういう特別なことが起こらない限りは、存外耐えられるものでは。
日本経済がどうにかなってしまって破滅する、みたいなことはないでしょうね。


1500兆円を超えたら国内で消化できない、という根拠が不明ですが(ありがちな解説は、個人金融資産規模がその水準だから、というものがあるが、関係ないですね)、消化できなくなると発行額が減るので必然的に債務削減が達成される、ということになりますね。これがマーケットの原理では?これの何が問題だと?
国内勢も買わない、海外勢も買わない、となれば、誰も買いたくない=金利上がる、で発行抑制が働く、まさしく素晴らしい市場の調節機能発揮ではありませんか。国内で消化できなくなり、ロールオーバーもできなくなり、金返せ、ということを政府に求めるとなれば、確かにインフレになることが予想されます。政府債務を最終的に払うのは、税金であり、これは国民負担ということです。
つまりは、国内勢が殆どということになると、AさんからBさんへの移転、ということに過ぎないですね。Bさんが政府に貸してる100万円を返せ、と求めたら、納税者Aさんから税金を集めて返す、ということです。


日本政府がマーケットに増税の意思を示す必要性よりも、日本政府を信用しなくなった国民が政府に金を出さなくなること、本来これを心配するのが先なのですよ。政府の最大の債権者は、国民だから、です。企業が株主に対して説明責任を負うのと同じく、或いは銀行に債務者が情報開示を行うのと同じく、最大の債権者たる国民に説明責任を果たすのが当然であり、最重要だということです。


マスコミに流通する流言飛語の類には、注意が必要かと思います。