怒りのブログ別館

【いい国作ろう!「怒りのブログ」】のバックアップです

「正義の味方」気取りの石井孝明

また、新たなチャレンジャーが現れたみたい。

こちらのまとめを見てたら、いた。

http://togetter.com/li/409897


なんかこう、もの凄く威張ってる風なishiiさんとやらを発見。何、この「超上から目線」的なツイートは。と思って、元記事らしきものを読んでみることにしたよ。

コレ>http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121118-00000309-agora-pol

今回初めて知った名前なんだが、フリー?のジャーナリストか何かの人らしい。
書いてることは、ウソが書かれていたりする(以下、引用部は『』で示す)。


・『世界の大半の国で金利規制はない』→ウソ

米国だって規制があるよ。ドイツもフランスも、お隣の韓国でもあるみたいですけど。


・『各種調査で、消費者金融の利用者のうち多重債務に陥っていたのは、数パーセントにすぎなかったのだ。』→本当ですか?

消費者金融利用者が名寄前でざっと1000万人とか1200万人とか1400万人という推定人数に対して、5社以上の借入者は約230万人と言われていた。母集団の数で結構違うけれど、230万人/1400万人としても16.4%と、ほんの『数パーセント』とは普通言わないのでは。金融庁の全情連データ(信用情報の統一化が開始された時)の07年2月時点でも、登録者数1172万人に対して、4社借入者約116万人、5社以上約177万人だったので、前者が約10%、後者が約15%となって、石井さんの言うような『数パーセント』という話ではないようですが。まあ、石井さんには、「数パーセント」に過ぎないということの立論が可能でしょう。きちんとデータで根拠を教えてね。


・『中小企業の景況感の低迷の継続が続く。この貸金業関連法の改正が一因だろう。お金の必要な人は「闇金」に流れ、弱者はまったく救われなかった。』→本当?


よく言う中小零細の借入が困難になった、というヤツね。これはまあ、実例がないわけではないけれども、それが主因かというと、難しいだろうね。それから、池田信夫と一緒で「事実では確かめてない」ことを、さも本当であるかのように語るヤツと同じだね。

石井さんのツイートでも、偉そうに豪語してるもんね。

石井曰く、『本当にヒアリングしているのですか? 勉強しているのですか? 早大が調査してます。まあ銀行などの支援を受けてますが。低所得者層は、親族に借り、抜け出れなくなってますよ。机の前の調査票で社会をとらえてそうですね』だって(笑)。

データで反証した意見(=国民生活センターの相談件数が減っている)には、『ヒアリングしてるのか』と反撃しているわけだ。どこが論理的なのかね。


まず、こちら側の論拠を提示しておく。

http://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2012/004/doc/097_120807_2_shiryou2-2.pdf


ヤミ金に関しては、複数のデータが載ってるので確認を。警察だと、ヤミ金融事犯等の金融事犯のデータでは、相談件数、被害人員、被害金額とも減少傾向であった、と。金額にしても、06年と11年を比べると、半分くらいまで減った。弁護士会もPIO-NETも件数が減っており、官公庁データでも減って、貸金業協会の数字でも減ってるわけだ。まあ、これらの有意差検定は行われていないから、自分で確かめてみて。

これで、ヤミ金が増えた、という主張をするなら、かなりの強固な根拠の提示が必要であろう。更に、中小零細の資金調達困難が経営悪化の要因であることを挙げているのは、非常に少ない。また、倒産件数は減少傾向にあった。


で、早大の報告があった、と。石井さんは、ツイッターでこう言ってるわけだ。

『@apj あと、君さ、早稲田大学ファイナンス研究科のこの資料もリンクしておいて http://t.co/C6aLxsLn 私の言ったことが統計で書いてあるから。消費者金融利用調査。絡んだ人より、私の方が正しいと統計で示せる。このツイート


また、懐かしの早大研究所ものですか。リンクを提示くださっていたので、早速読んでみましたよ。ええ、ええ、堂下先生の名前を忘れるはずなかろうて。坂野先生もね。

http://www.waseda.jp/prj-ircfs/workingpaper.html

よく見たら、名前を変えたんですな。以前は「早稲田大学消費者金融サービス研究所」だったはずですが、今は「クレジットサービス研究所」だそうですぜ。どうだっていいですがね。

石井さんが言ってるのは、この2012年のところの、「消費者金融の利用に関する調査報告書」でしょうね、恐らく。堂下&内田のです。もう一つの、「ヤミ金融の被害についての簡潔な報告」も読んでみましたが、中身は大したことはないので、石井さんの言ってるのは、先の方でしょう。

で、石井さんは『統計で書いてある』『私の方が正しいと統計で示せる』と豪語していたわけですが、彼が本当にこの堂下&内田ペーパー読んだのかどうかは、疑問ですね。


それは、何故か?

決定的なウソを言っているから、です。
ヤミ金が増えた、ということは、この調査報告書からは「言うことができない」というのがペーパーの中身に書かれていることだから、です。

補足説明のところで、P29〜32の検定結果が出ています(P39)が、検定結果の欄が空白です。唯一5%水準で有意差ありの判定だったのは、22ページの友人知人への申込率だけです。空欄なのは、有意差なしだったから、なのではありませんか?


このような場合、「統計的には(ヤミ金被害などが)”増えた”とは言えない」、という説明にしかなりません。09年は○%、10年では△%だったが、有意差はなかった、と記述するのが普通の論文でしょう。数字は増えているが、有意な増加ではなかった、とかでもいいですが、そのように正確に記述するのが誠実な書き方でしょう。


けれど、堂下先生は、有意差がなかった、とは本編中では一言も述べていませんね。これは、不誠実の表れであり、石井さんのような読み手に誤認を与えるペーパーである、ということです。石井さんは、言葉は悪いですが、まんまと引っかかってしまった、ということでしょうね。従って、統計的に正しい、といった石井とやらの主張そのものが、根底から崩れ去っている、ということです。堂下先生の調査報告によれば、統計的には差がありません、残念ながら。


で、どこぞの山形大学に通報するだのと、半ば脅し文句を並べているのが石井さんという人なんですね。


石井さんの主張は、間違いやウソが多いということがお分かり頂けたかと思います。


池田信夫は、貸金市場から800万人が退出させられる、と言っていましたが、実際には登録者数は増加してきましたが(笑)。

これも過去に言ってた通りだったではないですか。

07年5月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/187e8b4533f4a643f3c06993647326dd

09年1月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/a58cf44d8e687de89b367937d6b9c3d2


ああ、それと石井さんには無関係だけど。

堂下先生の、ヤミ金被害の推定人数だけど、あれはかなり正確性に欠ける推定では。


20〜69歳人口に、ヤミ金現在利用率を乗じて算出しているが、過大な推計であることが十分考えられる。人口全体に数字を掛けるなら、例えば「投票所の出口調査」のようなことをやって年齢が合致している人たちにアンケートを取ると、全員に「今、ヤミ金を利用しているか、過去に利用したことがあったか」といった質問をしたら、かなり小さい数字になってしまうであろうことが推測される。

実際、調べてみなければ判らないが、信用情報の登録者数が就業者数の4分の1くらいになっているのだから、利用者数は決して少ないわけでないが、投票所出口調査みたいな感じでヤミ金利用を調べた場合と、消費者金融からの借入者に同じくヤミ金利用率を調べた場合では、普通に推測されるのは、前者は低い値、後者は高い、ということだ。
だから、そもそもの数値算出方法に問題があるわけだし、利用率の調査集団にバイアスが存在しているとみるべきでは。


アンケート調査結果は、意味がないわけではないですが、どうも不誠実な感じの報告書となっており、要するに「自分の主張を補強したい」ということが色濃く出すぎたペーパーなのではないかな、と。