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決算対策としてのアベノミクス

新年度に移行した途端に、為替も株価も大幅反転、ですな。
輸出比率の高い大企業にとっては、期末の価格が大きく影響するわけで、そういう点では「アベノミクス」とやらの宣伝効果は、あった、ということは言えるだろう。


すなわち、企業の期末決算対策として、どうしても株価上昇とか、円安効果での海外利益の膨張、といったことが必要であった、ということである。その為には、安倍政権というのは、大変都合のいい役回りを演じてくれた、というわけだ。
(ところで、上げてた時には「アベノミクスの威力www」と煽てて、下げた時には「麻生総理の発言が…」「キプロスが…」などとウソかホントか判らないような解説を語っていた連中というのは、権利落ち後の下落についてはどう解説してくれるのだろうかww出鱈目を言ってるヤツに限って他人のデマには厳しい)



12月のドル円が82円くらいから、10円以上もの円安方向に動かすには、円売り優勢となる額は50兆円以上必要であろう、と以前から書いたわけである。この売り主体が誰なのかは、不明だったわけである。資金移動の形跡も見つけられなかった。
他の可能性としては、海外収益を挙げた日本企業が、いつもならドルから円に交換して資金繰りを行っているところを、その円に転換する時期を後ろにずらした、という行動を「みんなが一致して」行ったりしたとすれば、それまでと資金の流れは変わるはずで、持っている円を積極的に売らなくても、「常時行ってきた円買いを止める」ことで円安方向に動くかもしれない。


で、決算対策の済んだ4月に入ると、これまで資金移動を我慢していた人たちが堪え切れずに円転換を行ってしまうと、堰き止められていた流れが再開することになるので、すかさず円高に動く、ということなら、辻褄は合いそうだ。本気で円安に賭けている投資家たちなら、別な判断をするかもしれないが、実需勢というのはそういう「待ち」が難しいからね。払うものは払わねばならないし、支払い先がずっと待っていてくれるわけでもないので。


日銀短観が出たわけだが、その結果は12月時点に比べて「大幅に改善」と伝えられたのに、これほどの株価下落と円高となるのは、不思議に思いませんか?(笑)

いくら事前のアナリストたちの予想を下回った、ということがあったにせよ、これほどの下落を招くというのは、ちょっと考え難いのではありませんか?


あるとすれば、決算対策として意図的に釣り上げておき、期限を過ぎたらそそくさとカネを引き上げてポジション整理、ということなら、なるほどな、とは思うわけだ。

安倍政権誕生後の市場の動きというのは、まだ「日銀が何もしてないのに」期待だけで動いたんだ、という言い方もできるかもしれないが、違憲選挙で生まれた正統性を欠くかもしれない「安倍政権を下支え」する為に行われたもの、という見方も成り立つかもね、と。その支えをテコにして、「TPP交渉参加表明」と日米首脳会談に踏み切れたから、だ。


だって、50兆円以上も円を売れるかな?

投資筋にしても、決済期限がやってくれば、一度整理せざるを得なくなるなら、これまでと逆回転が起こってくることになるので、円売りがポジションが買い戻されて円高方向に戻るだけだしね。それは、日銀に買わせるのを待つ、という戦術が行き詰まった、ということかな?